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特別支援教育概論(田部絢子) のバックアップ(No.11)
概要
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| 授業形態 | 対面授業 |
| 日程/教室 | 火曜日 二限目/3510教室(三号館五階十番教室) 火曜日 三限目/3203教室(三号館二階三番教室) 火曜日 四限目/3203教室(三号館二階三番教室) |
| 授業形態 | 対面授業 |
| 日程/教室 | 火曜日 二限目/3410教室(三号館四階十番教室) 火曜日 三限目/3203教室(三号館二階三番教室) |
今年度の単位取得条件は試験に替るレポート課題(5問・各20点=合計100点)の提出。出さないと落第。
提出期限は11月30日(日曜日)の正午、提出場所はLMSのテキストボックス。救済措置はなし。
所属・学年・学籍番号・氏名をつけ、適切に改行する。
課題への考察を深めるにあたり参照した文献等の出典を必ず末尾につけ、引用箇所がわかるように作成。
レポートの例:
特別支援教育概論の最終課題の例_1.pdf
特別支援教育制度・設置基準
項目 内容 制度の背景
(2007年施行)盲・聾・養護学校を一本化し、「特別支援学校」制度を創設。複数の障害種に対応可能な教育を目指す。 教育の「場」 特別支援学校(幼稚部〜高等部)、通常の学校の特別支援学級、通常の学級での通級による指導、および訪問教育がある。 通級による指導 通常の学級に在籍しながら、一部の授業を特別な指導(自立活動に相当)で受ける。
対象はLD・ADHD、言語障害、自閉症、情緒障害、難聴、弱視、肢体不自由、病弱虚弱など。制度上の課題
(設置基準)国の設置基準(校舎の広さや必要な施設)がごく最近(2021年9月24日)まで存在しなかった。
結果、児童生徒数の増加による「過大・過密化」や特別教室の不足が深刻な問題となっている。教員免許状 盲・聾・養護学校ごとの免許状は特別支援学校教員免許状に一本化されたが、
専門的な教員確保の課題から、基礎免許状を持つ教員への特例的な運用が存在。
前回の続き
前回の続きと聴覚の困難について
聴覚過敏
- ◆定義と特徴
音が不快なものとして認識されてしまう状態。
通常の人が気にしない音を不快に感じたり、痛みを伴うほどの強い不快感が生じることもある。聴力は正常なことが多い。- ◆支援の現状と課題
【支援】特定の音への対策、感覚への配慮。
【課題】認知度が低く、誤解されやすい。
APD/LiD(聴覚情報処理障害/聞き取り困難)
- ◆定義と特徴
聴力検査では異常がないが、脳での音情報の処理がうまくいかず、言葉として聞き取れない症状(APD)。
また、APDの診断基準に当てはまらないが、聞き取りに困難がある状態(LiD)。- ◆支援の現状と課題
【支援】FMシステムなどの補聴援助システム活用、視覚情報の併用、環境調整、聴覚トレーニング。
【課題】専門的な診断・支援を受けられる施設や専門家が少ない。世間から「サボり」「やる気がない」と誤解されやすい。
聴覚障害教育
項目 内容 教育の目標 言葉の発達を支援すること、補聴器や人工内耳を活用すること、社会とのコミュニケーション方法を習得することに重点を置く。 人工内耳 手術で耳の奥に埋め込む部分と、音を拾う体外装置からなる。幼児段階からの導入が進み、通常の学級に装用児童が増加している。 教育上の課題 人工内耳装用児が増える一方で、集団環境での音声情報の聞き取りにくさが課題として残る。また、コミュニケーション手段(手話、音声言語、筆談など)の選択と指導が一貫して重要である。
知的障害教育
項目 知的障害 境界知能(ボーダーライン知的機能) 定義(IQ) 個別知能検査でIQ 70未満。 個別知能検査でIQ 70〜85の範囲。 その他の定義 社会適応行動に制約があり、継続的な支援を要すること(18歳以前から)。 知的障害ではないが、平均より遅れがある。 支援の枠組み 特別支援学校・特別支援学級の教育の対象。手厚い個別指導と自立活動が行われる。 特別支援教育の対象外となるため、制度的な支援を受けにくい。 直面する困難 学習の遅れや社会生活上の困難があり、個別化された教育が必要。 通常学級で学習についていけず、自己肯定感が低下しやすい。周囲から「努力不足」と誤解されやすい。 関連するものとして、少年院在院者において、「小児期逆境体験」を背景に、境界知能や発達障害と類似した状態を示す者が多いことが指摘されている。
前回の続きと発達障害などについて
発達障害教育(自閉スペクトラム症、学習障害など)
特徴と支援の基本的な考え方
- ◆自閉スペクトラム症 (ASD=Autism Spectrum Disorder)
コミュニケーション能力の困難、強いこだわりが特徴。「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」を総称する。
知的障害を伴う場合(自閉症)と伴わない場合(高機能自閉症、アスペルガー症候群)がある。
言葉は理解できているのに伝えられない重度障害者へのタブレットによる意思伝達支援など、ICTによるコミュニケーションの代替が有効。
口での意思伝達は出来ないが、タブレットやキーボードでの入力は出来るという子がいる。- ◆学習障害 (LD=Learning Disability)
全般的な知的発達の遅れはないが、「聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」といった特定の能力の習得や使用に著しい困難を示す。
読み書き困難には、音声化ソフト(TTS)や音声入力ソフト(STT)などのICT活用が効果的。
トゥレット症
- ◆定義
児童期から青年期にみられるチック症の一種で、多様な「運動チック」と1つ以上の「音声チック」が1年以上持続することを特徴とする精神・神経疾患。- ◆有病率と経過
推定有病率は学童期の子で1000人あたり3〜8人。
平均的に4〜6歳で発症し、10〜12歳くらいに重症度のピークがきて、その後青年期の間に症状は軽減するといわれている。- ◆症状の具体例
瞬き、首振り(単純運動チック)から、物に触る・蹴る、不謹慎な言葉を唐突に言う(複雑運動チック/音声チック)へと進行する場合がある。
| ▼ | 自閉スペクトラム症(ASD) |
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症は「コミュニケーション(対人関係)の障害」と「興味や行動への強いこだわり」という2つの特徴を併せ持っている。
感覚の感じ方に過度な偏りがあると、日常生活に支障をきたす場合がある。→感覚情報統合の困難
自閉スペクトラム症の子どもは、その特性から、親に叱られたり、友達から仲間外れにされることが多く、不安障害などの二次障害を起こしやすくなる。
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| ▼ | ADHD(注意欠如・多動症) |
ADHD(注意欠如・多動症)
ADHDの子どもは、忘れ物が多かったり、ルールが守れず、友達とトラブルになるなどの問題が起こってくる。 多くの子は、家や学校でしかられ続けるために、自尊心が低下することが多くなる。 自尊心の低下や失敗体験が積み重なると「うつや不安障害といった二次障害」を合併しやすくなる。 重い二次障害を起こしてしまうと、なかなか元の生活に戻るのが難しいので、早く気づいて対処し、二次障害を防ぐことが大切である。 | |||||||
| ▼ | 言語障害の基礎知識 |
言語障害の基礎知識
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| ▼ | 肢体不自由 |
肢体不自由 小児科医であり、生後間もなく脳性麻痺となった熊谷晋一郎氏 は、「当事者研究」を研究分野としている。
日本では、古く「不具」「かたわ」など外見や動作の特徴から呼ばれ、戦前は法律用語として「不具廃疾」が用いられてきた。
幼稚園、小学校などに準じた教育を行うと共に、障害による学習上または生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養う自立活動の指導を行うことが肢体不自由教育の目的である。肢体不自由の他に知的障害など、他の障害を併せ有する幼児児童生徒も在籍していることから、一人一人の障害の状態等を考慮した弾力的な教育課程を編成し、医療との連携を実施する。
肢体不自由児はコミュニケーション手段が限られがちであるため、当事者の自己決定・主体的参加を目指すうえで、権利としてコミュニケーションを保障することが重要な教育課題となる。
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