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日本語学入門2(大江元貴) のバックアップ(No.19)
概要
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| 授業形態 | 対面授業(一部遠隔授業) |
| 日程/教室 | 木曜日 五限目/3205教室(三号館二階五番教室) |
授業最後の10-15分の時間を使って5問程度の小テストを実施する。授業を普通に聞いて理解していれば難なく満点をとれる難易度とのこと。
CanvasLMS上で提出するので、PCやスマホなどの電子機器を必ず持参せねばならない。機器を忘れた場合の代替措置はない。
解答可能時間は17:30-17:50の間。時間内であれば何度でも解答可能。また、他の受講生と相談しながら取り組んでも良い。
ただし、問題文は教室のスクリーンでのみ提示される。
授業の説明。これから扱っていくトピックに軽く触れる。早めに終わった。
教科書「4 文章・談話とテンス・アスペクト」「5 さまざまな文章・談話」「6 文体のバリエーションと変化」[pp.103–109]
を次回までに予習するようにとのこと。
| ▼ | 指示詞 |
指示詞
治療している間、歯を自由に出来るのは医者であり、本人とは言っても「そこ」を使う。 |
| ▼ | 接続詞 |
接続詞
接続詞のその他の側面として話し手の文に対する認識的態度を表すことが挙げられる。
〈これまでの話題から予測されるようなことではない話題を持ち込む〉という話し手の態度を示す表現として「しかし」が用いられることがある。 |
教科書 文字と表記「1 日本語で使われる文字の種類と成り立ち」[pp.110–115]を次回までに予習せよとのこと。
| ▼ | 歴史的現在 |
歴史的現在
「過去の出来事はタ形、未来の出来事はル形」[教科書p.93 (61)]という日本語のテンスの文法の一般則から逸脱している。 |
| ▼ | 人称制限 |
人称制限
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| ▼ | 文章・談話と文法の関係 |
文章・談話と文法の関係
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| ▼ | 文体のバリエーションと変化 |
文体のバリエーションと変化 当然のことながら、若者がLINEで全く句点を使用しないわけではない。
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「日本語」と一口に言っても、その内部は実に多様。
日本語の多様性として様々な方言[→第9・10回「方言と共通語」]が存在することはよく知られているが、
それだけでなく共通語の中にも様々な文章・談話のジャンルが存在する。私たちは文章・談話のジャンルごとに異なるスタイルで日本語を運用している。
文章・談話/文体という視点は、「日本語」内部の多様性や揺れ動きを平等に、ありのままに観察する上で欠かせないもの。
「話し言葉の文体/書き言葉の文体」「フォーマルな文体/インフォーマルな文体」といった汎用的な文体差だけでなく、
「小説」「実況」から果ては「七夕で短冊に願い事を書く場面」「歯科医療者が治療をする場面」のような特定的な場面の違い
にも敏感に反応して、文法のあり方さえ変化させている。
LINEにおける句点の(不)使用を、世代論だけで語るのではなく、場面差にまで踏み込んで観察することで
より広く・深く句点の使用動機について理解することができるようになる。
| ▼ | 文字の分類 |
文字の分類
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| ▼ | 日本語の表記の特徴 |
日本語の表記の特徴
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| ▼ | 現代以前の仮名遣い |
現代以前の仮名遣い
現在通用していない平仮名の異体字を変体仮名という。変体仮名一覧
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| ▼ | 現代のローマ字 |
現代のローマ字 →「ローマ字のつづり方」(1954年 内閣告示)
→内閣告示改定の動き「「ローマ字表記をヘボン式に」内閣告示70年ぶり改定へ 文化審が答申」[日本経済新聞 2025.08.20] ![]() 「令和3年度 国語に関する世論調査」 でヘボン式が概ね選好されているという実態が改めて確認された。ただし、選好の偏りは一様ではなく、訓令式が優勢なケースもある。「書く」時と「打つ」時でも違いが出てくる可能性が高い。
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| ▼ | 漢字表の変遷 |
漢字表の変遷
コンピューター等の普及で書けないが読めるという字が増えたことを受けて常用漢字表は2010年に改定された。→2136字(追加196字、削除5字)
こうした常用漢字表の影響により、「漢字・平仮名の混ぜ書き」や「代用字の使用」が行われている。
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| ▼ | 漢字の読みの分類 |
漢字の読みの分類
音読みの大半は漢音。呉音は仏教の伝来と共に入ってきた音なので、仏教関係の語に多い。
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| ▼ | 漢字の形 |
漢字の形
字種・字体・字形は大から小への階層構造になっている。
「高」「国」「崎」のように、「その時代、地域において規範とされる」字体の字を正字と言い、「髙」「國」「嵜」など、正字とは異なる字体を持つ字を異体字という。
漢字には字形や筆順をめぐる問題がある。特に学校教育における過剰な採点は問題視されている。(政府も対応しているが、ローカルルールで残っているところも...)
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| ▼ | 仮名遣い |
仮名遣い
「現代語の音韻に従って書き表す」とされているが、慣習に拠るところも大きく、音韻の実態を必ずしも反映していないことに注意。
「通則」は示されているが、その「通則」間の関係が込み入っており、また慣習による「許容」「例外」も多い。
外来語の片仮名表記と原語の発音の関係は一定しておらず、それぞれの語ごとに個別に慣習化している部分が大きい。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ▼ | 日本語の表記選択 |
日本語の表記選択
片仮名表記の方がよりvividに読まれやすい。 |
余談だが、檜と桧は字体が異なるだけで字種は同じであるものの、二十代は檜を、五十代は桧を好んで使う傾向がある。
これは五十代の人が二十代よりも手書きに親しんでいたからであろう。(桧の方が書きやすかったからか。)
| ▼ | 敬語表現の分類と語構成 |
敬語表現の分類と語構成
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| ▼ | 敬語とは何か |
敬語とは何か 敬語の使い方は我々が思うよりもダイナミックであり、敬語の使用は「上下」意識にのみ動機づけられているわけではない。 現代語はむしろ、ウチ・ソト(親疎)に動機づけられている側面の方が強い。 自己との関係性が未決定の他者(=ソトの人)に対しては敬語使用が選好されることからわかるように、 現代日本語社会では〈疎〉が対人配慮のデフォルト値になっている。つまり、日本語社会における対人配慮の基本は、「距離をとる」という事。 日本語は目上の人を褒めることや目上の人と親しげに言葉を交わすことが苦手。
実は敬語に限らず、日本語では他者の領域に踏み込まないことが対人配慮につながりやすい。
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| ▼ | 敬語の変化 |
敬語の変化
「(s)ase(使役)+ていただく(受恩・謙譲)」
謙譲語I「お(ご)〜する」は、相手に直接働きかける行為(「お送りする」「ご説明する」etc.)には使いやすいが、
「~(させ)ていただく」が本来表現しにくかったものを表現出来るようにした。 所謂「マニュアル敬語」は「ことばの乱れ」として批判的に取り上げられる事が多いが、その使用には「一定の理屈と制約」=「文法」がある。
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| ▼ | 敬語行動の地域差 |
敬語行動の地域差 尊敬語の使用頻度は西高東低。
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教員病欠の為、Youtubeで国立国語研究所が一般公開している動画を視聴して考えたことを書く200字程度のレポート課題が出された。
| ▼ | 方言 |
方言
上記の方言区画は絶対的なものではなく、様々な区分の仕方があり得る。 異なる言語変種Aと言語変種Bを同一言語の方言とするか、別の言語とするかについての決定的な基準はない。
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| ▼ | 方言分布 |
方言分布
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| ▼ | 気づかれにくい方言 |
気づかれにくい方言
※絆創膏の呼び方の違いは商品名による。 |
| ▼ | 方言間に見られる文法の違い |
方言間に見られる文法の違い
関西方言では「たら」を多用する。
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| ▼ | 方言間に見られる言語行動の違い |
方言間に見られる言語行動の違い
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地域的変種(local dialect)としての方言
- よくある偏見・誤解
- 「方言は共通語が崩れたものだ」→「訛り」「俚言」
- 「方言は発音や使っている単語が一部違うだけで、文法は共通語と同じだ」
- 「同じ日本人なんだから立ち居振る舞いは同じだ」
- 方言から「ことばの変異」について考える
- 方言を観察することで「かつての共通語(中央語)」の姿が窺い知れたり、日本語史の大きな潮流における最先端の現象を見出すことができる。
- 各地域の方言は、それぞれ独自の音韻体系、語彙体系、文法体系を持つ。
- 方言差は、音韻・語彙・文法にとどまらず、言語行動にまで及ぶ。→「挨拶を滅多にしない」「遅刻の弁明中にボケる」など
| ▼ | 外国人への日本語教育 |
外国人への日本語教育
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