戦争と植民地を描いた文学を受講生と共に読む。 授業内テスト(60%)、授業参画度(30%)、小課題(10%) 教科書なし。
対面参加が困難な学生については、Canvas LMSのメール機能を用いて、事前に教員に申し出ること。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1,2及びカリキュラムポリシーCP1,2に対応している。
授業の説明と平和について。
泉鏡花『琵琶伝』「国民之友」一八九六年一月
概要 お通は父清川通知の遺言によって、許嫁の陸軍尉官江藤重隆に嫁するが、その初夜、夫に向かって妻たる節操を破るとまで言い放つ。 近藤は、お通に意中の人、従兄の相本謙三郎がいることを承知で結婚し、嫉妬の余り、お通を当夜から孤屋に幽閉する。 日清戦争の開戦に際し、予備兵の召集に応じた謙三郎は、お通と自分との恋の仲立ちをした「琵琶」という名の鸚鵡が 叔母の手によって籠から放たれるのを目のあたりにしつつ、脱営をしてでもお通に会えとの叔母の言に従いお通を訪ねるが、 孤屋の番人の殺害と脱営の罪により逮捕され、お通の面前で銃殺刑となる。 里に帰ったお通は「ツウチャン」と呼ぶ鸚鵡の声に誘われて彷徨い出で、いつしか恋人の墓前に至り、夫重隆に出会う。 重隆が謙二郎の墓を足蹴にし唾して辱めるのに堪えず、ついに夫の咽喉を喰い破り、謙三郎の名を呼びつつ果てる。 傍らの枝に下りた琵琶の「ツウチャン」の声が辺りに木霊する。
戦時の女性ジェンダー規範と通の脱国民化 軍国の母・軍人の妻としての性役割(良妻賢母規範)→女性の国民化 ※「軍国の婦人」の役割:「銃後の守り」(家政、子女の教育、倹約、廃兵や遺族の救護、恤兵金や軍資金の義捐、傷病兵の看護) 感情抑えること(身内の戦死を悲しまないこと)や国民を産むことも役割 →直操規範の侵犯は出征兵士の士気を阻喪させる最大のリスク要因 軍人の妻(=通)の姦通は、自由恋愛の追求だけでなく「国民」からの離脱を意味する。
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