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人類の進化(デイビッドスプレイグ) の変更点
''■[[人類の進化]]''
#contents
|BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c
|BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):''分類''|''選択''|
|区分|総合教育科目|
|履修形態|完全抽選|
|履修条件|抽選に当たる。また、メールを送る。|
|単位数|2|
|講師|[[デイビッドスプレイグ]]|
|学位等|学士|
*概要 [#Gaiyou]
生物としての人間の特徴を理解するとともに、それに対する社会の受け止め方について考えることを目標とする。
#br
受講するにはCHIPSによる抽選に当たる必要がある。加えて、LMSで履修を希望する旨のメールを送ること。
抽選に応募していなくても、希望する旨のメールを送ることで、受講が認められる場合がある。
#br
試験100%
Canvas LMSによる中間試験2回(各成績の25%)、期末試験(成績の50%)を実施する。
期末試験は試験期間に行う。(15回目の講義ではない。)
何らかの理由で中間試験を受けられない場合には、アンケートに答えた上で、
試験の翌日に Canvas上で公開されるショート・ペーパー課題に取り組むこと。
#br
教科書は、井原泰雄,梅﨑昌裕,米田穣の『人間の本質にせまる科学:自然人類学の挑戦』(東京大学出版会 2021年)
なくても問題なし。
#br
この科目は文理学部のDP及びCPの3、4、5に対応している。
*講師の印象 [#Inshou]
外人にあるまじき日本語の上手さ。ほぼ日本人。
*令和八年度(2026年度) [#h81d5434]
#style(class=submenuheader){{
**前期 [#zaf9b473]
}}
#style(class=submenu){{
|BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c
|BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):授業形態|対面授業|
|日程/教室|月曜日 四限目/3206教室(三号館二階六番教室)&br;月曜日 五限目/3206教室(三号館二階六番教室)|
&color(Red){定期試験予備⽇の14:40~15:40に期末試験};
***第一講目の内容 [#gb840899]
履修を希望する者はLMSでその旨のメールを送ること。
#hr
我々は何者で何処から来て何処へ行くのか?→人類学の誕生
***第二講目の内容 [#kc022bb9]
#region(思想)
''思想''
>''⾃然⼈類学の基本課題''
⼈類の⽣い⽴ち:我々はどこからきたのであろうか?
|~⽂化・哲学|⼈間はどのような存在なのか?|
|~|⼈間は⾃然を超越する存在なのか?|
|~|⼈間と他の動物の間には絶対的な断絶はあるのか?|
|~⾃然科学としてのヒトの研究|⽣物としてのヒトの特異性|
|~|ヒトの進化の過程|
|~|ヒトが進化した理由や原因|
|~|現代のヒトの⽣物学的な多様性の理解|
>''⾃然⼈類学の2⼤トピック''
⾃然⼈類学は⼈類の⽣物学的な基盤を主要な研究トピックとする学問分野
''トピック1:ヒトの進化''
''トピック2:現代のヒトの⽣物学的な多様性''
#br
英語では、&color(Red){Human evolution and modern human biological diversity};
>''⽂化的背景:創世神話 &color(Red){Origin myth};''
世界のほとんどの⺠族や宗教は創世の物語を持つ。
-現代の⼈類起源論
|~⾃然主義 &color(Red){Naturalistic};|奇跡や神々に頼らない⾃然現象としての説明|
|~科学的 &color(Red){Scientific};|現代の科学的な理論と⽅法によって得られる知⾒に基づく説明|
|>|現代の哲学の構造|h
|~Metaphysics 形⽽上学|philosophy of existence&br;世の中そのものの基礎原理(第⼀原理)|
|~Ontology 存在論|philosophy of being and existence&br;物事の存在の哲学(⽂化によって世の中に何が存在するかの認識は多様)|
|~Epistemology &color(Red){認識論};|philosophy of knowledge&br;知識の哲学(「知る」「解ったと」⾔える条件の哲学)|
|~Empiricism &color(Red){経験主義};|knowing based on the senses and experience&br;⼈間の五感を使う観察と経験によって得られる知識を優先する(「論より証拠」)|
>''⾃然科学の Epistemology 認識論''
&color(Red){Empiricism 経験主義};:knowing based on the senses and experience ⼈間の五感を使う観察と経験によって得られる知識を優先する。
単語としても⽇常的によく使われる:Empirical 形容詞
|~肯定的|Empirical science Empirical observation Empirical evidence|
|~否定的|“That is not an empirical statement.”non-empirical 〇〇|
> ''経験主義に基づくEmpiricalな研究とは''
・Observation 観察 が必要
・実際に⾒る、聞く、触る、嗅ぐ、味を感じる。
・測定機器を使う。:5感を超える観察能⼒を開発して活⽤する(望遠鏡、顕微鏡など)
・出来れば情報を数値化する:数値のほうが正確で再現可能
・観察不能なものはそもそも研究の対象にしない。
>> 観察の主な⽅法論
+Experiment 実験:
・重要な要因や条件をコントロールした観察
・ターゲットしている要因を操作しながら、ほかの要因は固定する。
+Fieldwork 現地調査:
・実世界の現場で現状を観察する。
・野性動植物の研究は多くの場合は野外調査
・化⽯調査はターゲットしている⽣物が⽣息していた地域において、⽣息していた時代の地層が露出する地球の地域に⾏って調べる。
・ヒトを対象とする研究は世界中の⼈々を訪ね歩いて協⼒をお願いする。
>''科学の哲学:科学のプロセス''
研究とはどの様な⼿順で「科学的」になるのであろうか?
ただ⾝の回りを⾒ているだけでは「科学的」な観察とは⾒なされない!
「科学」の条件:主に2つの⽴場
|~&color(Red){帰納主義 Inductivism(Induction)};|観察が理論構築の前に来る。&br;観察の蓄積⇨一般化⇨理論構築|
|~&color(Red){反証主義 Falsificationism(Falsification)};|観察は理論を検証する。&br;理論による仮説⇨観察⇨仮説の否定&br;反証主義の提唱者:Karl Popper|
/////
||Inductivism 帰納主義|Falsificationism 反証主義|h
|~主な主張|・客観的に観察を重ねて現象を把握する。&br;・⾒えてきた事例の蓄積を⼀般化する。&br;・⼀般化できる現象をもとに理論を構築する。&br;・観察が多くなればなるほど理論が裏付けられて、確かなものになっていく。(確からしさ)|・論理的には理論の「証明」や「確認」は不可能&br;・可能なのは理論の否定(&color(Red){反証 falsification};)のみ&br;・科学者は理論に基づく仮説を提案(&color(Red){演繹法 deduction};)&br;・理論的に仮説を否定する可能性のある観察を繰り返す。&br;・科学的理論とはまだ否定されていない理論|
|~問題点|・同じ観察を繰り返しても論理的には「証明」にはならず、次の観測で結果が異なる可能性が残る。&br;・&color(Red){観察の理論依存性(theory dependence of observation)};&br;⇨そもそも研究者が何を観察するべきかは理論によって導かれる。||
>''科学的な主張の基準''
・仮説の反証可能性 &color(Red){Falsifiability};
・反証ができない主張は⾮科学的とみなす。
・検証する⼿段がない仮説も unfalsifiable とみなされることがある。
#br
反証可能な仮説を&color(Red){Testable hypothesis};という
-よくある表現
This is not a falsifiable statement.
Can this theory lead to testable hypotheses?
>''科学史の視点''
-反証主義への批判
--とても新しい⼤胆な仮説ならば理論の「確認」と認めてよいのではないか
(例えばアインシュタインの相対性理論はニュートン⼒学では想像もできない現象を多く予測した)
--科学者は理論と合わない現象が観察されたぐらいでは諦めないで頑張り続ける。
-科学⾰命論(提唱者:Thomas Kuhn)
--科学者は特定の⾃然観に基づく理論体系(&color(Red){パラダイム Paradigm};)に基づいて研究を進める。
--科学の進歩はパラダイムの⼤転換(Paradigm shift)とともに起こる。
--パラダイム転換は科学⾰命
教科書によく紹介される Paradigm Shift:天⽂学の天動説から地動説への⼤転換
>''科学哲学としてのポイント:&color(Red){⽅法依存性 Method dependence of observation};''
帰納主義では天動説と地動説の区別がつかない。(太陽が東に上るのは同じ)
地動説は観察⼿段がないためになかなか検証が難しかった。
#br
「新しい観察⼿段の開発で仮説の検証が可能になった。」+「天体観測の場合は望遠鏡の発明で⾶躍的に進歩した。」
⽐較的精密な天体観測の結果を報告した Galileo ガリレオは⾃分で望遠鏡を作った。
・科学論⽂には必ず「⽅法」を報告する部分が必要
>''⾃然⼈類学の Paradigm:進化論''
・19 世紀までに⾃然史(Natural History)の知⾒は多く集積されていた
・ダーウインの進化論のおかげで⽣物学は全般的に整理されて、統⼀的な理論体系による研究の⽅向性が⽰された。
・⼈類の起源についての研究も進化論に基づく理論によって導かれるようになる。
>''⼈類学の特徴''
+&color(Red){Holistic ホーリスティック、Holism ホーリズム};:
・部分の理解だけでは全体は理解できないという思想
・パーツの相互作⽤はシステム全体を⽀えると考える。
・Holistic な視点は研究の専⾨化やパーツ・部分の Analysis 分析を否定しない。
・それぞれのパーツをしっかりと理解した上でシステムの全体像を描こうとする。
・モデルは⾝体:⽣命を維持するためには臓器全てが機能しなければならない。
・Holistic の反対は Reductionist 還元主義
+&color(Red){Comparative ⽐較};
・様々なスケールでの⽐較検証:哺乳動物とその他⽣物、霊⻑類とその他哺乳動物、ヒトとその他霊⻑類、現代のヒトと化⽯⼈類、ヒト同⼠
+&color(Red){Fieldwork フィールド調査、野外調査、現地調査};
・世界中の⼈々と交流しながら、地球上の様々な環境を調査する。
>''Reductionist 還元主義(Holistic の反対)''
Reductionist とは部分⼀つで全体が決まるという思想
定番の還元主義は「お⾦が全て」や「遺伝⼦で全てが決まる」
#endregion
***第三講目の内容 [#ka202dd6]
練習試験を行う。(成績評価には含まれない。)
#hr
#region(進化論と世界観)
''進化論と世界観''
進化論も一種の創世神話。しかし、科学的である。
>進化のある世界観
-ヒトは他の類⼈猿から分岐して進化してきた霊⻑類の⼀種
-⽂化と道具使⽤と社会的協⼒を⼤きく拡⼤させて、地球上のあらゆる環境に適応して進化してきた。
>進化のない世界観(中世ヨーロッパの場合)
中世ヨーロッパにとって「世の中の秩序」は固定されていた。
&color(Red){Scala naturae};(英語:Natural Scale)=&color(Red){Great Chain of Being};
#br
中世ヨーロッの世界観:Ladder of Intellect(知性の階段)
+God「神」
+Angel「天使」
+Heaven「天国」
+Human「⼈間」
+Beast「獣」
+Plant「植物」
+Flame「炎」
+Stone「⽯」
-''進化のない世界観の特徴''
--⽣物種は固定されている。
---創世期に全ての種が創造される。
---それぞれ別々に創造される。
---種は変化しない。
---種は絶滅しない。
---新しい種はない。
--進化論のない世界観は⽇常の観察とはさほど⽭盾しない。
>進化論の前夜の時代
⽣物は変化するのではないかと薄々感じられていた。
・化⽯が発⾒される。(昔に⽣きていた⽣物が絶滅した痕跡、実は古代から世界中に記録あり)
・家畜・作物の品種改良(⽣物は変化しうる。)
・地質学の発展により「地球は古い」と認識されるようになる。(⻑い年⽉を経て地層が蓄積する。)
・⾃然史の研究が進み、世界の⽣物多様性が認識されるようになる
>進化論 &color(Red){Theory of Evolution};
⾃然淘汰説の提唱者
・Charles Darwin チャールズ・ダーウイン 1809‒1882
・Alfred Russel Wallace アルフレッド・ウオーレス 1823‒1913
#br
ダーウイン著:「種の起源」
>''進化のある世界観''
⽣物種は常に変化する。
・種(&color(Red){species};)は変化する。
・種分化(&color(Red){speciation};)によって新しい種が発⽣する。
・種は時に絶滅する(&color(Red){extinction};)。
・⽣命は地球上に⼀回だけ発⽣、現存する⽣命は全てその⼦孫
・全ての⽣命は系統的に繋がっている。
ただし、進化論は進化のみではない。
>進化論:⾃然淘汰説とは何か?
19世紀当時の哲学的問題:進化を認めたくても
-⽣物が変化する必然性が⾒えない。
-適応を説明できない。(適応は神様の知恵?)
>ダーウイン・ウオーレスの進化論は3つの要素の融合:①進化 ②適応 ③⾃然淘汰
「⾃然淘汰 &color(Red){Natural Selection};による環境への適応 &color(Red){Adaptation};の結果として⽣物は進化する。」
⾃然淘汰説は徹底した結果主義:⽣物は⽣息地のその場その時の環境に適応しながら進化する。
>進化思想の寄り道:直線的進化
ゴールに向かって進む直線的進化 &color(Red){Linear evolution};
19世紀半ばに流行った「単系社会進化論」(Unilinear Evolutionの例)
未開→野蛮→文明
魔術→宗教→科学
小集団→首長→国家
↓
部族→国家
↓
首長
↓
国家
#hr
--進化は「世の中の秩序」を反映する。
--進化は決まった段階を通過する。
--進化は決まった⽅向性やゴールがある(&color(Red){Teleology ⽬的論};)
--ゴールに向かって直線的に進む。
--「進歩」や「発展」や「向上」の思想と結びついていた。
--古い段階がまだそのまま世の中に残っている。
--進化の経緯をもって「世の中の秩序」を説明・正当化しようとする。
>現代の進化思想:徹底した系統発⽣主義
現存種はみな同じ時間を進化しているので「より進化した種」はない。
全ての種は独⾃の新しい派⽣形質を獲得して進化してきた。
#br
-重要単語
系統 &color(Red){Lineage};
系統発⽣ &color(Red){Phylogenesis};
>現代の分類学:分岐学 &color(Red){Cladistics};
「枝わかれ」を客観的に⾒なす。「系統」を強調、「枝」に名前をつける。
分岐学的には恐竜はまだ生き残っている。(恐竜の子孫の鳥類が生き残っているため)
#br
-関連単語(覚えなくて良い)
Clado︓ギリシャ語の「枝」
Cladogram︓枝分かれ図
>''進化思想:⽤語の整理''
|表現|単語|和訳・解説|h
|今は使わない概念や表現|&color(Red){Teleology};|⽬的論、進化の⽬的やゴール|
|~|Primitive‒Advanced|原始的、遅れている−進んでいる|
|~|Less evolved‒More evolved|進化していない−より進化した|
|~|Lower‒Higher|下等−⾼等|
|現在使う表現|&color(Red){Ancestral};‒&color(Red){Derived};|祖先−派⽣|
|~|Plesiomorphic‒Apomorphic|祖先形質−派⽣形質|
|要注意(特定の形質のことならば許される。)|Simple ‒ Complex|単純-複雑(特定の形質ならば許される。)|
|~|Teleonomy|⽣物個体はゴールを持ちうる(例えば繁殖成功)。進化全体にはない。|
#endregion
***第四講目の内容 [#q36cf789]
#region(霊長類の進化)
''霊長類の進化''
比較(人と他の霊長類との比較)、フィールドワーク、全体像重視が大切
>''⾃然⼈類学:⼈類進化論「ヒトとは何か?」''
ヒトは霊⻑類の「ヒト科」として認められている類⼈猿に分類される。
ヒトはチンパンジーとの共通祖先から分岐して進化してきた類⼈猿の⼀種
ヒトの系統を特徴づける初期の派⽣形質は⼆⾜歩⾏
その後、⽂化と道具使⽤と社会的協⼒を⼤きく拡⼤させて、地球上のあらゆる環境に適応して進化してきた。
-霊⻑類の世界分布
主に熱帯⾬林に⽣息する哺乳動物
しかし熱帯⾬林に限らず、北は⽇本列島の積雪地帯、アフリカの反砂漠地帯まで分布
|>|霊⻑類が進化したきっかけとなった⽣態|h
|~昔の仮説|霊⻑類は樹上で⽣活するように適応した哺乳動物と考えられていた。|
|~これに対する素朴な疑問|「ならばリスはなぜ霊⻑類ではないのか?」|
|~より厳密な仮説|樹上⽣活(&color(Red){arboreal};)、夜⾏性(&color(Red){nocturnal};)、昆⾍⾷、樹⽊の枝先で昆⾍を捕まえて⾷べられるように進化した。|
>''霊⻑類の特徴:Primates''
|~祖先形質|⾃由に動かせる5本の指の残る⼿(哺乳類としては祖先形質)|
|~派⽣形質|拇指対抗性 &color(Red){Opposable thumb};&br;平たい⽖ flat nail&br;両眼視:前向きの⽬、⽴体視できる。|
|~その他、霊⻑類が派⽣させた形質|霊⻑類の⾊覚:1⾊型、2⾊型、3⾊型が混在する。&br;⾼度な社会性|
--Pri・mate
〘動〙(ヒトとサルを含む)霊⻑類の動物;〖〜s〗霊⻑⽬
語源:ラテン語 〜of the first rank 第⼀の〜 最⾼位の〜
>''⽣活史 &color(Red){Life History};:霊⻑類''
霊⻑類は同じ体サイズの哺乳類と⽐べて⽣活史がゆっくり
・成⻑速度が遅い
・寿命が⻑い。
・⼦供期、性成熟にたっするまでの期間が⻑い。
・成⻑してからの繁殖速度が遅い。
・妊娠期間が⻑い。
・1度の出産に1⼦
・⻑い期間をかけて育てる。
|>|>|>|>|霊⻑類 &color(Red){Primates};:主な系統|h
|目|亜目|下⽬|⼩⽬|上科|h
|霊⻑⽬|曲⿐亜⽬Strepsirrhini(原猿類 Prosimians)|キツネザル下⽬(マダガスカル)|||
|~|~|アイアイ下⽬(マダガスカル)|||
|~|~|ロリス下⽬(アジア・アフリカ)|||
|~|直⿐亜⽬Haplorhini|メガネザル下⽬|||
|~|~|真猿下⽬|広⿐⼩⽬Platyrrhini(中南⽶)||
|~|~|~|狭⿐⼩⽬Catarrhini(アジア・アフリカ)|オナガザル上科|
|~|~|~|~|ヒト上科(類⼈猿Ape)|
>''系統分類に使われる形質の例(本当はもっとたくさんある)''
+曲⿐類と直⿐類:嗅覚
|~曲⿐類(Strepsirrhini):&br; いわゆる原猿類(&color(Red){Prosimian};)|夜⾏性の昆⾍⾷の種が多い。&br;他の霊⻑類がいないマダガスカル島に棲むレムール(キツネザル下⽬)は様々に進化し、キツネザルなど昼⾏性の雑⾷の種もあり。&br;⿐が「湿っている」ので嗅覚が鋭い。|
|~直⿐類(Haplorrhini):サルと類⼈猿|ヒトも含めて、哺乳動物としては⿐が悪い。|
+広⿐類と狭⿐類:⻭並び
広⿐類は中南⽶のサル、狭⿐類はアジア・アフリカのサルと類⼈猿
||切⻭|⽝⻭|⼩⾅⻭|⼤⾅⻭|h
|~曲⿐類|2|1|3|3|
|~直⿐類|2|1|2|3|
⽤語:切⻭ &color(Red){Incisor};,⽝⻭ &color(Red){canine};,⼩⾅⻭ &color(Red){premolar};,⼤⾅⻭ &color(Red){molar};
+真猿類と類⼈猿:移動⼿段
|~オナガザル上科:四⾜歩⾏|おもに枝の上または地上を歩く。&br;オナガザル科:ニホンザルを含む、主に果樹⾷・単純な胃&br;コロブス亜科:シロクロコロブス、テングザルを含む、葉⾷が多い・複胃|
|~ヒト上科(類⼈猿):腕渡り移動|&color(Red){Brachiation};:上腕のみでぶら下り、⾜を使わずに、腕渡りしながら枝から枝へ移動する。&br;肩甲⾻は背中、腕を真上に伸ばせる、⼿と腕が⻑く、⾜が短い。|
>''霊⻑類の⾊覚''
霊⻑類の⾊覚は多様、1⾊型、2⾊型、3⾊型が混在する。
|~恒常的3⾊型|狭⿐⼩⽬|
|~多形⾊覚|広⿐⼩⽬の殆ど、キツネザルの⼀部|
|~2⾊型|メガネザル、キツネザルの⼀部|
|~1⾊型|ロリス、キツネザルの⼀部、ヨザル(夜⾏性?)|
L:long-wave
M:medium-wave
-注⽬点
--⽣態学的機能の仮説に注⽬
--2⾊型と3⾊型の利点・弱点
--ヒトは近縁種と⽐べて多様
-⽣態学的解釈
|~3⾊型|⾊が⾒えることは果実⾷・若葉⾊に有利(緑の背景から⾒分ける、遠くから発⾒する、果実の完熟度を判断する)&br;しかしテキスチャー、輪郭視を犠牲にする。|
|~多形⾊覚|カモフラージュ、深さ、輪郭の検出に有利(昆⾍の採⾷に有利)|
広⿐⼩⽬の殆ど、キツネザルの⼀部は多形⾊覚
2⾊型と3⾊型が混在する広⿐⼩⽬:平衡選択?
恒常的3⾊型の狭⿐猿類の中でヒトだけが例外:男性の3〜8%は「⾊覚異常」、⼥性は0.2%
|~昔の「進化的」分類|ヒトと⼤型類⼈猿は同列の「科」とされていた。|
|~現在の分岐学的(Cladistic)分類|枝分かれを反映する⼊れ⼦構造|
|>|ヒトの系統分類:&color(Red){Taxonomy};|h
|~Order|Primates 霊⻑⽬|
|~Suborder|Haplorrhini 直⿐亜⽬|
|~Infraorder|Catarrhini 狭⿐⼩⽬|
|~Superfamily|Hominoidea ヒト上科|
|~Family|Hominidae ヒト科|
|~Subfamily|Homininae ヒト亜科|
|~Tribe|Hominini ヒト族|
|~Subtribe|Hominina ヒト亜族|
|~Genus|Homo ホモ属|
|~Species|sapiens ヒト種|
#endregion
***第五講目の内容 [#q67c1ab8]
#region(霊長類の社会)
''霊長類の社会''
ヒトも霊⻑類なので、「ヒトと霊⻑類の⽐較」という表現は厳密には成⽴しない。
英語では &color(Red){non-human primates}; や compare humans with other primates という。
⽇本語では「⾮ヒト霊⻑類」や「他の霊⻑類」
>''なぜヒトと他の霊⻑類を⽐較するのか''
+⽣物としてのヒトを理解する:ヒトを相対化する。
--ヒトの特徴を解明して「ヒト」を定義するために他の霊⻑類と⽐較し、共有する形質と異なる形質を正確に把握する。
+ヒト系統(Hominina 亜族)が進化した道筋の可能性を推測する。
--⾏動や社会は化⽯に保存されない。
--さまざまな環境に適応する霊⻑類の⽣態や社会を探求することによりヒト系統の社会や⾏動や⽣態を推測する。
--ヒトとチンパンジーとゴリラの共通祖先の⾏動・社会を推測する。
|>|特に注⽬されていた霊⻑類|h
|~近縁種|チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータン|
|~ヒトに似ていると思われた種|テナガザル(雄雌ペアで⽣活)|
|~乾燥地帯の草原(東アフリカのサバンナ)に適応している霊⻑類|ヒヒ、パタス、サバンナに進出しているチンパンジーなど&br;ヒトは森林を離れて乾燥地帯へ適応することによって進化したと考えられている。|
|~研究者⾃⾝にとって⾝近な霊⻑類|⽇本⼈はニホンザル、中国はキンシコウなど&br;東南アジア諸国、インド、アフリカ、中南⽶の研究者は多様な霊⻑類を研究できる。|
> ''霊⻑類社会の研究''
Epistemology は Empirical observation が基本
・フィールド調査による野外観察
・⽐較⼼理学者による研究室での⾏動実験
>> Kappeler & van Schaik (2002)による社会システム論
+社会組織(&color(Red){social organization};):集団の⼤きさ、性年齢構成、時空間的な凝集性
+繁殖システム(&color(Red){mating system};)(配偶システム):雄と雌が交尾する組み合わせ
+社会構造:社会的インタラクションのパターン(&color(Red){social interaction patterns};)
「社会交渉」、「社会的相互作⽤」とも。その結果として⽣じる社会関係(&color(Red){social relations};
>''研究者が具体的に何を⾒ているか''
+社会組織
集団の個体数を数える、集団の性年齢構成を記録する(雄雌・⼦供・乳幼児を数える)、
群れを追跡しながら遊動ルートを記録する(最近はGPSで記録)
|~データに基づく区分|単独(&color(Red){solitary};)|
|~|ペア(&color(Red){pair};)|
|~|単雄複雌群(&color(Red){one-male group};)|
|~|複雄複雌群(&color(Red){multi-male multi-female group};)|
+繁殖システム:
雄と雌がどのような組み合わせで集団に所属して交尾するか記録する。
また、雄と雌がどのような組み合わせで交尾して⼦を残すかを記録する:⼀夫⼀婦、⼀夫多妻、多夫⼀妻など
+社会構造
個体識別(名前付け)した上で、誰と誰が何を⼀緒にしているかを記録し、
集団内の社会関係を分析する(近接、グルーミング、攻撃、交尾)
--サルの⾏動観察:社会構造が⾒えてくる場⾯
⽑づくろい⾏動 グルーミング &color(Red){Grooming};
⼿で丁寧にシラミなどを取り除く:社会関係の重要な⽬安
>''集団の継承性の理論:⽣活史と社会関係を重視(伊⾕純⼀郎の思想)''
+集団を作らない種
単独⽣活:雄と雌双⽅が思春期に⺟親から離れ、集団を作らない。
[単独⽣活:オランウータン、ペア:テナガザル、ゴリラの単オス群]
+世代毎に集団を再編成する種
|~ペア|世代毎に雄と雌が新たに親の近くに遊動域を作る(例外的に⼦が親の遊動域を引き継ぐ)。|
|~ゴリラの単雄複雌群|世代毎に雄と複数の雌が新たに集団を作る(例外的に息⼦が引き継ぐ)。|
+世代を超えて集団を継承する種
--⺟系集団 &color(Red){matrilineal};
雌は⽣まれた集団にとどまり、⺟⽅の⾎縁個体(⺟娘、姉妹、叔⺟姪)と⽣活を続ける。
集団は⺟系で継承される(種によっては雌の順位は家系で決まる)。
雄は⽣まれた群れを思春期に離れて他の群に加わる。
雄の頭数は種によって異なる(単雄複雌群、複雄複雌群)
・ニホンザル(Macaca fuscata)は複雄複雌群
・⼦殺しが観察されるハヌマンラングールは単雄複雌群
--⽗系集団 &color(Red){Patrilineal};
雄は⽣まれた集団にとどまり集団は雄に継承される。
雌は思春期に⽣まれた群れを離れて他の群に加わる。
ただし⽗⼦関係は不明なので厳密には patrilineal とはいえない?
・チンパンジー(Pan troglodytes)、ボノボ(Pan paniscus)
・クモザル(Spider monkey)
>''雄の⼦育て''
基本的に霊⻑類の雄の積極的な⼦育ては稀
#br
例外:マーモセット科 Callitrichidae
マーモセット、タマリン
南⽶に⽣息する⼩型の広⿐類
⻭で樹⽊を削って樹脂を⾷べる
雌⼀頭に雄が2頭の集団:多夫⼀妻の繁殖システム
雌は双⼦を産む。
乳幼児を雄が運搬(殆どの種では⺟親が⼦供を運ぶ)
>''⼈類進化論と霊⻑類学:狩猟仮説''
当初の⼈類進化シナリオ:&color(Red){Man the Hunter 仮説};
ヒト特有の形質はセットで進化したという仮説
これによりヒトの特異性(”Uniqueness of Man”)を説明しようとした。
#br
ヒトは果樹がない草原で⽣きるために
狩猟をするようになり、⾁⾷となり、
狩猟の道具を⼿に持てるように⼆⾜歩⾏となり、
獲物を分配・交換するようになり
道具使⽤と狩猟とともに知性と社会性を発展させ、社会的協⼒のために⾔語と⽂化を発達させた。
>''他の霊⻑類種にはない、ヒト特有と考えられていた⾏動・活動''
-狩猟をして⾁を⾷べ、⾷べ物を分配する。
-道具使⽤
-道具を使う知性(intelligence)
-⾷べ物の運搬
-直⽴⼆⾜歩⾏
-家族(family)・性的分(division of labor)
-ホームベース
-⽂化を持つ
-「意識」に基づいて⾏動する。
> ''霊⻑類学の功績:ヒト特有と思われていた⾏動を次々と他の霊⻑類に発⾒''
-道具使⽤ Tool use
-狩猟、⾁⾷、⾷物交換 &color(Red){Hunting and food sharing};
-⾃⼰認識 &color(Red){Self recognition};(鏡テスト)
-チンパンジーの⽂化:⾏動の地域差
>> チンパンジーの狩猟
・狩猟の対象種:アカコロブス、⼩型のレイヨウやイノシシの幼獣など
・狩猟の⽅法は主につかみ取り
・アカコロブスの場合は集団で追跡、結果的に包囲網ができ、「役割分担」できているように⾒える。
・⾁の分配は保持者との社会関係によって分配される(中の良い連合相⼿など)。
・⾁分配は基本的に消極的、もらうためのベッギング⾏動、「許容される盗み」、少量で⽐較的質が低い。
・それでも⾮常に価値は⾼い、「⾒返り」を期待する戦術的な分配
>''共通祖先 &color(Red){Last Common Ancestor (LCA)};''
ヒトと他の類⼈猿の最後の共通祖先は推測可能か?:研究とともに霊⻑類学も変わった。
かつては「段階的進化」思想の名残で、ヒト祖先の⾏動・社会がそのまま近縁種に現れると期待されていた。
現在は系統発⽣理論が徹底しているので、共通祖先の⾏動・社会がそのまま残っているとは思われていない。
実際にチンパンジー(2種)、ゴリラ、ヒトの⽣態・社会・⾏動は異なる
霊⻑類学は安易な「狩猟仮説 Man the Hunter Hypothesis」を否定
>''共通祖先共通祖先 Last Common Ancestor (LCA)の推測''
・多様な⾷物品⽬
・道具使⽤
・ある程度の⾁⾷と狩猟
・ある程度の⾷物分配
・社会的学習能⼒
・⾼度な社会性(しかし社会構造は不明)
>''ヒトに特有と今でも考えられているもの''
・⼆⾜歩⾏で歩く。
・道具を使う狩猟
・脳が⼤きい。
・⾔語を持つ。
#endregion
***第六講目の内容 [#zc598e34]
''&color(Red){試験(端末を用意)};''
//科学的な仮説の条件を示す英語の用語は
//「パーティー」や「サブグループ」に集まったり離れたりを繰り返すチンパンジーの行動を指す専門用語は:
//人類起源
//雄による積極的な子育てが観察される霊長類の種類は
//人 上科
//人間の5感を使う観察と経験によって得られる知識を優先する知識の哲学は:
//自然人類学の2大トピックは:
//親指を掌の前まで回す霊長類の能力は:
//ヒトの種名の正しい表記は
//「狩猟仮説」によるヒト系統の進化の説明が現在では否定されている理由は:
//下の霊長類種のうち、父系の集団を作る種は:
//チンパンジーはよく道具を使うことが観察されているが、木の空などにたまった水を飲むために使うのは:
//生物の種が絶滅するという意味の生物学的な用語は:
//広鼻類と狭鼻類の⻭並びのなかで異なる歯は:
//生物の種について進化のある世界観の時代には認められない現象は:
//自然淘汰による進化の仮説の提唱者は:
//地上に生活するという意味で使われる英単語は:
//真猿下目が所属する上位分類群は:
//昔の「進化的」系統分類によると「ヒト科」は:
//哲学用語のEpistemologyは日本語では:
#hr
#region(霊長類の生活史)
''霊長類の生活史''
>''⽣活史の視点''
⽣物個体の全⽣涯をまとめで把握する視点
⾃然淘汰の選択単位は個体の⽣涯
社会科学ではライフ・コース(Life course(、ライフ・サイクル(Life cycle)ともいう
|>|CENTER:⽣活史を描く⽅法|h
|~形態的,⽣理的な測定値(&color(Red){anatomy};,&color(Red){physiology};)|体重と⾝⻑をはじめ,年齢とともに変化する⾝体および⽣理機能の測定値|
|~⼈⼝学的変数(&color(Red){demography};)|出⽣,死亡などの記録から⽣存曲線や年齢別出⽣率など|
|~ライフステージ(&color(Red){life history stage};)|動物の⽣涯を段階に分ける,例えば乳幼児,⼦供,成体など|
|~ライフイベント(&color(Red){life history event};)|発達・成⻑に伴う重要な出来事,例えば離乳,思春期,出産,死亡など|
>''種間⽐較の注意点''
霊⻑類の⽣活史は体重・体サイズの哺乳動物に⽐べて「ゆっくり」
-成⻑速度が遅い
-⼦供期(juvenile)があり、性成熟(sexual maturity, puberty)まで期間が⻑い
-繁殖速度が遅い(出産間隔が⻑い)
-⼀度の出産に1⼦がほとんど、⼦育て期間が⻑い
-出⽣直後からある程度の運動能⼒があり、⾃らの⼒(握⼒)で⺟親にしがみつく、早成性
(ヒトに⽐べて早成性、哺乳類の中にはより早成な種も多い)
|>|⾃然状態における雌のニホンザルの⽣活史|h
|体重|8~15kg|
|離乳|約1歳|
|初産年齢|4〜5歳|
|出産間隔|2年以上|
|寿命|最⼤約⼆⼗数歳まで⽣存|
>''⼦育て''
直接的な世話を担うのは⺟親
・雌による育児放棄は殆どない(飼育下では育児放棄が多いのでこのような説明か。野⽣状態では分かりにくい。)
・⽗性は不確実性が⾼いため、⽗親による⼦育ては進化しにくい。
例外:マーモセット・タマリン、雌は双⼦を産み、雄が⼦供を運搬
例外:⺟親以外の雌による⼦守(おばさん⾏動 Aunting behavior)
-チャイルド仮説 &color(Red){Child Hypothesis};
幼児(child)は⾃分で歩く・⾷べることができない。
ヒトに特有の成⻑段階として提案されている。
⼦育て世代を⽀援する親世代:おばあちゃん仮説 Grandmother hypothesis
ヒトは共同繁殖である。(今でも人特有と考えられている。)
ヒトは霊⻑類として対サイズが⼤きい⽅でありながら、出産間隔が短い。
未熟で労⼒的・時間的に⾮常に⼿のかかる⼦供を、同時に複数育てるために⽗親、⾎縁者、⾮⾎縁者を総動員
理由:脳が⼤型化し、⾻盤が変形(⽣理的早産、⼆次的就巣性)
#endregion
***第七講目の内容 [#m3990d3e]
#region(人類起源論と化石発掘調査)
''人類起源論と化石発掘調査''
>''当初の⼈類進化シナリオ''
&color(Red){サバンナ仮説}; または &color(Red){Man the Hunter 仮説};
アフリカの環境が乾燥化し、森林が縮⼩し、草原が広がり、
LCA(&color(Red){Last Common Ancestor}; 最終共通祖先)の⼀部は果樹が少ないサバンナで⽣活するようになる。
⼈類に特徴的な形質はセットで進化したと考えられていた。
-狩猟に頼るようになり、⾁⾷となる。
-狩猟の道具を⼿に持てるように⼆⾜歩⾏となる。
-道具(武器)を持つことにより⽝⻭が縮⼩する。
-道具使⽤と狩猟とともに知性と社会性を発展させ脳が⼤きくなる。
-獲物を分配・交換するようになり分配・交換のために男⼥ペア(⼀夫⼀婦性)の繁殖システムとなり、ホームベースをもつ。
#br
化⽯が次々と発⾒されて、当初の⼈類進化シナリオは否定される。
-&color(Red){Hominin 系統};のサバンナへの進出は実際にあった。
-⼈類の形質はセットではなく、それぞれの形質が数百万年にわたって異なる年代に出現した。
-最も早く出現した形質は⼆⾜歩⾏
ただし、樹上移動の形質を残しながら⼆⾜歩⾏を始めていたらしく、本格的なサバンナ進出の前から⼆⾜歩⾏が始まっていたか。
>''⼈類進化研究の最も基礎的なデータ:化⽯ &color(Red){Fossils};''
⾃然⼈類学における古⼈類の研究は empirical なデータに基づく。
化⽯(主に⽯化した⽣物の⾻格と⻭)は遠い過去に遡る⽣物の痕跡として極めて重要な研究材料
研究の主役は解剖学のなかの⾻学
⾻や⻭の特徴を現⽣の霊⻑類や他の化⽯と⽐較して、化⽯標本を系統発⽣樹のなかに位置づけて、種名を与える。
>''化⽯情報''
種名:実は種名は最終的な判断、データではない。
化⽯の分析の結論として新しい種名を与えるか、あるいは既存の分類群に含めるか、判断する。
|>|データとしての化⽯|h
|標本番号|これが⽣データの印、プロは標本番号で議論する。|
|発⾒場所|国、地域、発掘場所、地層|
|部位|⾝体の部位など|
|年代|地層や放射性物質(⽕⼭灰層に含まれる)から推定|
>放射性物質の放射壊変を使って年代推定
|⼈類進化の年代測定によく使われる放射性物質|半減期|h
|アルゴン-アルゴン法(&color(Red){Argon‒argon dating};) 40Ar/39Ar|約12.5億年|
|カリウム-アルゴン法(&color(Red){Potassium-argon dating};) 40K/40Ar|約13億年|
|ウラン・鉛法|約45億年(地球の年齢)|
|炭素14法(考古学の手法)|約5730年|
|有名な標本番号|場所|h
|&color(Red){KNM-ER};|Kenya National Museum ‒ East Rudolf(現 Turkana 湖東岸)|
|KNM-WT|Kenya National Museum ‒ West Turkana|
|&color(Red){OH};|Olduvai Hominid タンザニアのオルドバイ渓⾕|
|&color(Red){AL};|Afar Locality エチオピアのアファール地⽅|
化⽯調査はチーム調査
⾻格と⻭の分析だけではデータは⽚⼿落ち、化⽯研究は学際的なチームで成り⽴つ。
|>|参加する学問|h
|解剖学||
|地質学|化⽯が発⾒された地層の分析|
|物理学|放射性物質による年代測定|
|⽣態学|古環境の復元と現在の環境との⽐較|
|考古学|⽯器をはじめ、⽣活の痕跡の分析|
|化⽯⽣成論|Taphonomy|
|博物館学|標本のカタログと保管|
|地理学|どこで発⾒されているのか|
|社会学|調査隊はどの国の誰なのか|
|歴史|発⾒と発表のドラマ、学会や思想の歴史|
-地質学者は⽕⼭灰層 Tuff の確定をする。
有名な⽕⼭灰層 Tuff:KBS Tuff
地質学の⼤スター:Kay Behrensmeyer
ケニア北部、トルカナ湖畔、Koobi Fora(年代:1.87×100万)
|>|有名な調査地域|特徴|h
|東アフリカ|&color(Red){⼤地溝帯 Great African Rift Valley};|古い地層が多く露出&br;⽕⼭が多い。&br;⽕⼭灰地層が豊富、年代測定が容易&br;古⼈類の年代を確定した調査地は主に東アフリカ|
|>|南アフリカ|⽯灰岩(Limestone)の採掘場などから出⼟&br;アフリカで初めて古⼈類の化⽯が発⾒されたのは南アフリカ|
|>|有名調査地|特徴|h
|東アフリカ|タンザニア北部、オルドバイ渓⾕ Olduvai Gorge|年代:1.9 million&br;標本番号:OH (Olduvai Hominid)&br;研究者:Louis and Mary Leakey|
|南アフリカ|>|南アフリカの調査地は主に⽯灰岩の洞窟|
|調査地名|標本記号|h
|Makapansgat|MLD|
|Kromdraai|KB, TM, KW|
|Sterkfontein|STS|
|Drimolen|DNH, DMQ|
|Swartkrans|SK, SM|
|Taung|Taung|
>''化⽯に与えられる種名''
「猿⼈、原⼈、旧⼈」は⽇本語
1990年ごろまではシンプルでLumperがsplittersに優勢な時代
-化⽯標本の殆どは⼆つの属に集約:
|~Australopithecus属|頑丈型(&color(Red){robust};)と華奢型(&color(Red){gracile};)に分けられる。|
|~Homo属|1990年代からAustralopithecusより古い化⽯続々と発⾒(特に Ardipithecus 属)&br;Homoも多様な化⽯が発⾒、その結果、化⽯の再分類、名称変更|
>''アウストラロピテクス属 Australopithecus''
元祖アフリカ化⽯標本 Taung 1
南アフリカの &color(Red){Taung};にある⽯灰岩(Limestone)の採⽯場から出⼟
1924年に化⽯が Witwatersand ⼤学の R. Dart 教授に届けられる。
箱⼀杯の多種雑多な化⽯の中から霊⻑類の頭⾻発⾒
Dart 教授は古⼈類の化⽯と直感
&color(Red){Australopithecus africanus};(アフリカの南の猿)と命名、&color(Red){Type標本(Holotype)};となる
雑誌 Nature に 1925年論⽂発表
⼦供のチンパンジーに似ているため、当時、殆ど受け⼊れられなかった。
#br
特徴:⼤後頭孔(ラテン語:&color(Red){Foramen magnum};)が下を向いている。⽝⻭が⼩さい。
その後、多数の化⽯が発⾒され、古⼈類として学会に認められ、最古の⼈類の進化研究の舞台はヨーロッパやアジアからアフリカに移る。
>''化⽯のスーパースター:&color(Red){Lucy};''
|~標本番号|&color(Red){AL288-1};|
|~発⾒場所|エチオピア、アファール地⽅、アワッシュ川盆地&br;Ethiopia, Afar Triangle, Awash River Basin|
|~発掘場所(地層)|ハダール Hadar Formation|
|~部位|全⾝⾻格、約40%|
|~年代|約320万年前|
|~地質時代|鮮新世 Pliocene|
|~発⾒年|1974|
|~渾名|&color(Red){ルーシー Lucy};|
|~種名|&color(Red){Australopithecus afarensis};|
|~調査隊|Donald Johansen(アメリカ)&br;Maurice Taieb(フランス)|
#br
|~⾝⻑|1.1 m|
|~体重|29 kg|
|~⼆⾜歩⾏を⽰す⾻格|⾻盤(Pelvis)&br;⼤腿⾻(Femur)&br;膝関節&br;⾜⾸の関節|
発⾒当時は最古の⼆⾜歩⾏標本で最古のAustralopithecus
>> ''Lucy の仲間たちが残した⾜跡''
|~調査地|タンザニア、ライトリ Laetoli|
|~年代|3.7 ×100万|
⽕⼭灰に残された⾜跡にヒトの⾜跡が含まれていた。
A. afarensis の⾜跡ではないか、と推測されている。
#endregion
***第八講目の内容 [#c9ba06fa]
Lucyとチンパンジーと現代人の比較
#youtube(https://www.youtube.com/watch?v=xT8Np0gI1dI)
#hr
#region(人類の系統発生)
''人類の系統発生''
「猿⼈」「原⼈」「旧⼈」「新⼈」は⽇本語。⼀般的な表現として対応する英語表現はない。
|>|学術⽤語として対応する英語表現|h
|~猿⼈|初期⼈類としてのAustralopithecus 属,Ardipithecus 属など&br;(⼀般的な直訳のapemanは準差別表現なので今は使わない。)|
|~原⼈|主にHomo erectus、北京原⼈は Peking Man、教科書ではH. habilisを含む。|
|~旧⼈|Archaic Homo sapiens|
|~新⼈|Anatomically modern Homo sapiens|
「Archaic Homo sapiens」と「Anatomically modern Homo sapiens」の表現はH. sapiensを複数種に分類しない場合によく使⽤
>''ヒト系統の進化:思想史''
初期の⼈類進化論は⼀直線の「進歩的」な進化を想定
|~現在の理解|ヒト系統も複雑な枝分かれを繰り返してきた。|
|~|複雑な分布拡⼤(アフリカ内・脱アフリカ)を繰り返していた。&br;脱アフリカは最低でも大きな波が2回あった。|
|~|複数種が共存していた時期が⻑かった。|
-教科書によるヒト系統の派⽣形質
--直⽴⼆⾜歩⾏(脳の肥大化より先)
--縮⼩した⽝⻭
--拡⼤した脳
> ''1990年の考え''
属名はAustralopithecus とHomoのみ
化⽯標本がまだ少なかったし、Lumpers派分類学者の全盛期だった。
⼈類進化論の本流は⼆段階の進化を提唱
LCA➔Australopithecus(華奢型 &color(Red){gracile};)➔Homo
頑丈型(&color(Red){robust};)Australopithecus は亜流
>> ''頑丈型Australopithecus (Paranthropus):A. robustus, A. boisei''
-⻭や顎が⼤きく発達
植物の根や地下茎を⾷べるように進化した?
--⾅⻭が巨⼤化
--⻭のエナメル質が厚い
--咀嚼筋が⼤きく発達
--&color(Red){Sagittal crest}; ⽮状隆起
#br
⼆つの画期的な転換期を想定
>''転換期 1:LCA➔Australopithecus''
直⽴⼆⾜歩⾏の進化(⽝⻭の縮⼩と&color(Red){knuckle-walking};の消失?)
#br
頭⾻、⾻盤、膝関節、⾜の形体から分かる。
以下の特徴は AL-288-1標本(Lucy)にも⾒られる。
・⻑時間の直⽴姿勢
・⽚⾜⽴の時間が⻑く、全体重を⽚⾜で⽀える。
・前進する推進⼒
・着地のショックを吸収する⾜
|~頭⾻ &color(Red){Cranium};|⼤後頭孔の位置:前に位置、頭⾻真下中央|
|~|頭が脊椎の上にバランスする。|
|~|顔は前を向く。|
|~⾻盤 &color(Red){Pelvis};|⾻盤の構成要素:腸⾻・仙⾻・座⾻・恥⾻|
|~|ヒトの⾻盤:腸⾻翼が横と前に広がった椀型⇨臓器を⽀える。|
|~|中殿筋(⾻盤側⾯の筋⾁で姿勢を⽀える。)|
|~膝関節 &color(Red){Knee joint};|左右のバランスを取りやすいように⾜は重⼼線に近い内側に位置する。|
|~|⼤腿⾻が内側に傾いている。|
|~|膝関節が⽔平に対し⼤腿⾻本体は傾いている。|
|~⾜ &color(Red){Foot};|⾜は硬いプラットフォーム:体重と推進⼒を⽀える。|
|~|かかと着地→親指で蹴り出す。|
|~|親指対抗性(把握機能)を失う。|
|~|アーチ:ショック吸収、推進⼒のバネ|
-歩⾏周期
|>|歩⾏周期の構造|h
|遊脚期(swing phase)|歩いている時に足が地面から離れている間|
|⽴脚期(stand phase)|歩いている時に足が地面に付いている間|
--⾻盤の3次元回転
--Foot内の体重移動
heel strikeから ball経由で toe offまで
足跡化石「Laetii」⋯3匹?の二足歩行生物
>''転換期 2:Australopithecus➔Homo''
⽯器使⽤と脳の拡⼤
何故、分かるのか。
-脳
オルドバイ渓⾕で⽯器発掘:オルドワン(&color(Red){Oldowan};)型⽯器
当初、頑丈型Australopithecusと出⼟し、Leakey夫妻困惑
(頑丈型Australopithecusは頭が小さい。)
後に脳が⼤きい標本(OH7)を発⾒
Homo habilis「器⽤なヒト」と命名
脳の容量:500ml以上
-石器
⽯器は意図的に製造される。(不自然な壊れ方をしている。)
⽯(&color(Red){core};)をもう⼀つの⽯(&color(Red){hammer};)で叩く。
衝撃痕が特徴的、刃(&color(Red){cutting edge};)を作る。
遺跡に残る。また、⽯材が周囲の地層にない。
#br
1990年以降、Ardipithecus ramidusとH. habilisより古い⽯器が発⾒される。
> ''Ardipithecus ramidusの発⾒''
Australopithecusより古い。
#br
樹上⽣活の形質を残す(⾜の親指対抗性)。
環境は樹林→本格的な草原進出の前から⼆⾜歩⾏あり(⾻盤の形)、⽝⻭の⼩型化あり
>> ''それまでの⼈類進化パラダイムの再評価''
⼆⾜歩⾏の起源がより古いのは歓迎
しかしサバンナ進出をヒト系統進化のきっかと考える⽴場は困惑
⼆⾜歩⾏のきっかけは不明?
>''Ardipithecusよりさらに古い化⽯''
||Sahelanthropus tchadensis|Orrorin tugenensis|h
|~年代|7〜8百万年前|6.1または5.8百万年前|
|~⼆⾜歩⾏|頭蓋⾻の⼤後頭孔が下⽅にある。|⼤腿⾻頸部の内部構造|
>''H. habilisより古い⽯器の発⾒''
Homo 属の定義が曖昧になるかもしれない。
Australopithecus が⽯器を作っていた?未知のHomo 系統種?
>''⼆⾜歩⾏の説明理論''
従来はサバンナ進出が決定的に⼆⾜歩⾏を促したと考えられていたが、
Ardipithecusなどの発⾒により、樹林地において⼆⾜歩⾏が進化した理由を考える必要に迫られる。
#br
◆考えられる要因
・⽊の⾼い所の果実を⾷べる。
・威嚇(捕⾷者に対抗)
・物を運搬(道具?⾷べ物?幼児?)
・遠くを⾒る、草原で⾒晴らしがよい。
・⽇射への暴露⾯を⼩さくする。
・移動コストが低い。(長い距離を歩ける。)
・樹上⼆⾜歩⾏:前適⽤(&color(Red){preadapation};)(オランウータン的・テナガザル的 垂直⽊登り、樹上⼆⾜歩⾏?)
>''⼈類進化シナリオの⽐較''
多くの形質は異なる時期に現れるので、セットとして進化したわけではない?
|~&color(Red){サバンナ仮説またはMan the Hunter仮説};&br;(⼈類に特徴的な形質セット仮説)|狩猟に頼るようになり、⾁⾷となる。|
|~|狩猟の道具を⼿に持てるように⼆⾜歩⾏となる。|
|~|道具(武器)を持つことにより⽝⻭が縮⼩する。|
|~Lovejoyの⾷料運搬仮説|分配・交換のために男⼥ペア(⼀夫⼀婦性)の繁殖システムとなる。|
|~|⾷料運搬のために⼆⾜歩⾏となる。|
|~|雄間競争が緩和され、性差および⽝⻭が縮⼩(ペア型社会のテナガザルは性差が少ない。)|
>''化⽯種の定義は難しい''
1990年以降、化⽯がさらに多く発⾒され、標本数の増加とともに種数も増えたためにヒト系統の分類が多様化・複雑化する。
標本の違いには様々な変異軸があり得る。
|~個体差|化⽯標本は少数の個体のみ、個性丸出し|
|~成⻑段階|⼦供から⽼齢まで|
|~性差|雄雌の⼤きさが異なる。|
|~地域差|アフリカは広い。|
|~時間差(すなわち進化)|系統上の進化は連続的|
#endregion
***第九講目の内容 [#h6037095]
#region(ホモ・ハビリス以降)
''ホモ・ハビリス以降''
チンパンジーと分かれた後の話
>''Genus Homo ヒト属の進化''
多様なヒト系統が進化
出アフリカを果たして多様化しつつも、後続の出アフリカ個体群が追いつく。
種分化の途中で交代と吸収を繰り返す。
⼈類進化の時期は気候が⼤きく変動した。
|~鮮新世|寒冷化|
|~更新世(洪積世)|氷河時代入りを繰り返す。|
|~完新世|最終氷期後に気候がある程度温暖化・安定化⇨農耕|
>''ヒト属における進化の傾向''
-より華奢で平たい顔⾯、下顎と⻭の縮⼩
-体格が⼤きめ、脚が腕より⻑い。
-性差(男⼥差、性的⼆形、&color(Red){sexual dimorphism};)が縮⼩
-脳が⽐較的に⼤きくなり、知能が発達
-⽂化への依存が拡⼤、特に⽯器の使⽤などによって多様な環境へ適応かなり短期間の間に多様な環境へ適応
|原人|年代|特徴|h
|Homo habilis|約231万年前 〜 165万年前まで|脳が拡⼤(約630cc)&br;Oldowan型⽯器⽂化の主な担い⼿|
|Homo erectus&br;アフリカの標本はH. ergasterともいう。|約200万年前〜約11万年前まで⽣存&br;(教科書では175万年前から)|脳の容量:約850cc&br;腕に対して下肢が相対的に⻑い。&br;Australopithecus に⽐べて切⻭が⼤きく⾅⻭が⼩さい。&br;定説では初めて出アフリカをはたすヒト系統種|
|>|⽕の使⽤|h
|最古の痕跡(⾼熱による⼟・⽯の変化)|約150~170万年前|
|最古の炉|約70万年前|
>''⽣活史(Life history)年齢と成⻑速度の推定''
原⼈のスーパースター「KNM-WT 15000 “Nariokotome Boy”」
かなり骨が残っている化石→⽣活史が推定可能
|~⾻格|⾻端板(⾻の成⻑域)から思春期初期ながら⼤柄|
|~⻭冠の perikymata(成⻑線)|8~9歳|
|~成⻑速度|チンパンジーより遅く、現代⼈より早い、 独⾃の成⻑過程を⽰唆|
Australopithecus はチンパンジーに似た成⻑速度
|>|Homo erectus の⽯器分類|h
|~時期|前期旧⽯器時代(Lower Paleolithic)|
|~スタイル名|&color(Red){Acheulean};(フランスの地名に由来。中国など各地で発見)|
|~⽯器種類|握斧(⼿斧、&color(Red){Hand axe};)|
Homo erectusはアジア発⾒の古⼈類
オランダ⼈医師 Eugene Dubois によって 1890 年代にインドネシアで発掘
⼈類はアジアで進化したという説を⽀持(当時の定説)
-特徴
--前後に⻑く低い脳頭蓋
--後頭髷 (Occipital bun)
--眼窩上隆起(&color(Red){Brow ridge};)
#br
>''ヒト属の系統発⽣:旧⼈''
1990年定説では、脳の容量が新⼈並みの旧⼈標本はHomo sapiens に分類、H. sapiens の亜種と位置付けた。
最近は独⾃の種へ復帰:
H. heidelbergensis およびH. neanderthalensis
|旧人|特徴|h
|Homo heidelbergensis|H. neanderthalensis とH. sapiens の共通祖先&br;H. erectus と分類されることもある中間的種|
|Homo neanderthalensis|ドイツ・デュッセルドルフ近くのネアンデル渓⾕で&br;1856年に発掘された最古の古⼈類化⽯標本&br;中央アジアからヨーロッパにかけて⽣息|
||Homo heidelbergensis|Homo neanderthalensis|h
|脳容量|1100‒1400 cc|1200‒1750 cc(H. sapiens 以上)|
|⽯器スタイル|Acheulean|Mousterian(テクニック:Levallois)|
Homo neanderthalensisは⽯器時代(中期旧⽯器時代(Middle Paleolithic))に生息していた。
気候が⼤きく変動する氷河期と重なる時期、寒冷地に適応する為に頑強な体格・⾻格を持つ。→⾁体的負荷が⼤きい。
服装,死者の埋葬,構築物,装飾品の⽂化を持つ。
少⼈数で獣を追い込み、接近して槍で突くか槍を投げる狩猟⽅法を取る。⾻折など負傷も多い。
>''Homo sapiens(新⼈)''
解剖学的現代⼈:Anatomically modern
#br
H. sapiens 30万〜15万年前にアフリカで派⽣
10万年前以降に出アフリカ、5万年前以降にユーラシア全⼟・アメリカ⼤陸へ本格的に拡散
道中でH. neanderthalensis などの旧⼈と交雑したり交替したりしながら分布を広げる。
#br
⽯器時代:後期旧⽯器時代(Upper Paleolithic)、中期⽯器時代(Mesolithic)、新⽯器時代(Neolithic)
狩猟⽅法:⼩型の尖頭器、⽯刃(&color(Red){blade};)、⽮尻を作成、投槍器、⼸⽮
>''否定されてきた理論''
-サバンナ仮説やハンター仮説のような総合セット理論
-種と形質を⼀致させる、段階進化思想の名残
-過去の⼈類は現代⼈になるために進化していたのではない(Whig史観の排除)
|新しい発⾒によって否定された説|前提|論拠|h
|サバンナ進出によって&br;ヒト系統はチンパンジー系統から分岐した。|サバンナ進出とヒト系統の派⽣を対応させる。|LCAが既にある程度の道具使⽤、⾁⾷をしていた可能性あり&br;⼆⾜歩⾏は樹林地において始まっていた。&br;進化論では種分化のきっかけは地理的隔離|
|⽯器は⼀定の脳の⼤きさを有するHomo habilis に発明された。&br;(Australopithecus 属とHomo 属の分岐)|⽯器とHomo habilis は対応する。|Homo habilis 出現の前の時期から⽯器が発⾒され、&br;Australopithecus も⽯器を使⽤していた可能性あり|
|ヒト系統初めての出アフリカはH. erectus|出アフリカとH. erectus を対応させる。|Oldowan 型⽯器がアフリカ外で発⾒されている。&br;H. habilis ⼜はAustralopithecusが出アフリカを果たし可能性あり?|
|道具技術、抽象的思考能⼒など、新⼈はより優秀|新⼈は旧⼈に対して「優位性」がある。&br;旧⼈と解剖学的現代⼈&br;(新⼈、&color(Red){Anatomically modern humans};)&br;の交替を説明|旧⼈と新⼈の間には様々な違いはあるが、&br;「優位性」を客観的に確認できない。|
>''定説の再利⽤:サバンナ仮説の復活''
Australopithecus 属とHomo 属の分岐の説明として適⽤
乾燥化と本格的草原進出への適応の違いを指摘
Australopithecus 属(特に頑丈型)とHomo 属で異なる進化の⽅向
|~Australopithecus 属|咀嚼機能の強化|
|~Homo 属|道具使⽤の強化|
>''⼈類進化思想の再整理''
◆従来の進化思想の盲点
共通祖先の化⽯を発⾒できる確率は低い。
どちらでもない存在である共通祖先を認識できるか?
形質の派⽣と種分化(&color(Red){speciation};)が⼀致する必然性はない。
#br
-より明確に適⽤されつつある進化パラダイム
--分岐主義分類は枝を命名する。分かれ⽬は無名
--ヒト系統特有の形質は6〜7百万年前から徐々に派⽣
--種分化の主な原因は地理的隔離
--形質と種分化は同時並⾏して発⽣する別の流れ
--形質はそれぞれの時期における環境変化への適応
#endregion
***第十講目の内容 [#ycab5f36]
&color(Red){''試験(端末を用意)''};
#hr
#region(生態と生業)
''生態と生業''
紀元前2000年ごろ、地球上の約半分地域における⼈々の⽣業は狩猟採集
>''⽣業システム(&color(Red){Subsistence system};)''
フィールド調査による観察:⼈類の⽣業活動は多様・多⾯的で、簡単な類型には収らない。
#br
◆教科書的な分類
-狩猟採集⺠ &color(Red){Hunter- Gatherer};
-遊牧⺠ &color(Red){Pastoralism};
-農耕⺠ &color(Red){Agriculture};
>''狩猟採集⺠(Hunter- Gatherer)''
・ヒトは数百万年間、狩猟採集⽣活を営んできた。⇨ホーム・ベース、男⼥の分業
・様々な動植物を認知し、名前をつけ、狩猟または採集する種の⽣態と⽣活史を熟知していた。
・猟師 (多くの場合は男性)は狩猟具を製造して、獲物の動物を探し当て、捕獲する技術を⾝につけた。
・採集活動(多くの場合は⼥性)は⾷⽤になる植物の種類と分布を把握している。
#br
カラハリ・サン Kalahari San Peoples(!Kung San)は南部アフリカのカラハリ砂漠周辺に⽣活する狩猟採集⺠
※!はクリックサウンド(吸着音)の発⾳記号
・毒⽮と罠で狩猟
・近現代では猟⽝や⾺も活⽤
・Mongongo nutsやKalahari melon(スイカ)Citrullus lanatusを採集
近年まで動物の狩猟と植物の採集のみで⽣活していた⼈々
#br
狩猟採集から得られた⾷べ物の栄養学的研究
⇨⾁より植物性の⾷べ物がより多くのカロリーを提供(すなわち⼥性の貢献が⼤きい。)
#br
-世界の狩猟採集⺠
--Inuit のアザラシ猟
--Andaman 諸島の狩猟
--アフリカコンゴ盆地のピグミー
>''遊牧⺠・牧畜⺠(Pastoralists)''
⽣業を⽀えるために動物の遊動や⽣活史(繁殖など)を操作して飼育する。
様々な種類の動物が家畜化する。(⽜、やぎ、⽺、⾺、ラクダ、ヤク、ラマ、⽝など)
⽣態学的効果:⼈間に⾷べられない植⽣(乾燥地の草原など)から⾷べられる資源を作る。
>農耕⺠(Farming)
⽣業を⽀えるために植物の⽣活史(繁殖など)を操作して栽培する
|~農耕の主な種類|焼畑農耕(Swidden-farming)|
|~|園耕(Horticulture)|
|~|農耕(Agriculture)|
農耕⺠は植物の⽣態、品種、⼟壌の性質を熟知し、作物の作付け、収穫、加⼯・調理、貯蔵するための技術と道具を開発・製造する。
-代表的な栽培植物
--⻨・Wheat(Triticum spp.)
--モロコシ Sorghum(Sorghum bicolor)
--稗 Millet(Eleusinecoracana)
--トウモロコシ・Maize(Zea mays)
--⽶・Rice(Oryza spp.)
--⼤⾖・Soy bean (Glycinemax)
--カッサバ (manioc) (Manihot esculenta)
#endregion
#region(旧⼈の多様性)
''旧⼈の多様性''
>''ArchaicHomo sapiens の多様性''
旧⼈(&color(Red){archaic H. sapiens};)は多様であり、この多様性の解釈が難しい。
Homo 属系統に特徴的な形質は:
・⼀つの種に揃って出現していない。
・直線的に蓄積されたものでもない。
・様々な種(&color(Red){個体群 populations};)の間でモザイク状に進化した。
しかし、解剖学的現代⼈(&color(Red){anatomically modern H. sapiens};)の形質はかなりまとまっているように⾒えるので、
現代⼈がアフリカのどこが発祥の地なのか今こそ研究のフォーカス
>''Homo ヒト属における進化の傾向''
-より華奢で平たい顔⾯
-下顎と⻭の縮⼩
-体格が⼤きめ、脚が腕より⻑い
-性差(&color(Red){男⼥差、性的⼆形、sexual dimorphism};)が縮⼩
-脳が⽐較的に⼤きくなり、知能が発達
-⽂化への依存が拡⼤、特に⽯器の使⽤などによって多様な環境へ適応
約60万年以降の旧⼈・新⼈の系統発⽣は複雑
|~共存していた個体群|Homo sapiens|
|~|Homo heidelbergensis|
|~|Homo neanderthalensis|
|~|Homo naledi|
|~|Denisova ⼈|
|~|Homo erectus|
>''地球環境の気温変化 [Explorations Fig. 11.2]''
気候が⼤きく変動した時期に⼈類は進化した。
・寒冷化の後、氷河時代
・最終氷期後に気候がある程度温暖化・安定化
アフリカにおける⽣息可能地域の拡⼤:出アフリカ前の年代別
H. sapiens ⽣息可能地域をハビタット解析で推定→⽣息地が拡⼤
-ハビタット解析
生物(動物や植物など)が生活し利用する生息環境(ハビタット)を定量的に評価・分析する手法。
環境要因と生物の分布データを組み合わせ、特定の環境がどれだけその生物に適しているか(生息適性)をモデル化する。
> ''謎の旧⼈:Homo naledi''
南アフリカにて、洞窟探検家によって2013年に洞窟の奥深くに発⾒
最寄りの⼊⼝から80メートル、複雑で狭い通路(最狭 25cm)を通って現場に到達
#br
⼩柄な⼥性研究者が奥まで⼊って調査
⾻⽚1550、18個体が発見。埋葬地?迷い込み?
なぜこれほどまで奥に⾏けたのかは謎、⽕を使ったか?
>> ''Homo naledi の形質''
古いH. erectus の形質と新しいH. sapiens に似た形質を合わせ持つ。
肩や指は樹上⽣活を⽰唆(Homo 属では特異)
|~脳の容量|500 cc(H. erectus よりも⼩さい)|
|~年代|33万5千000〜23万5千年前(H. sapiens と重なる。)|
>''K.Homo floresiensis:フローレス原⼈?''
2003年にインドネシアのフローレス島で発掘(Flores, バリ島の東)
激論の末、⼩型の⼈類化⽯と認められる。
|~⾝⻑|105cm、脳サイズはチンパンジーなみ、島嶼効果?|
|~年代|10万〜5万年前|
ジャワ原⼈(即ちHomo erectus)起源?
>''L.Homo luzonensis:ルゾン原⼈?''
2019年にフィリピンのルゾン島(Luzon)北部で発掘(⼿⾻、⻭、⼤腿⾻破⽚などのみ)
Australopithecus と似ている部分あり?
年代は6万年前ごろ
>''中国東⽅部ハルビンに謎の旧⼈頭⾻発⾒''
1933年に満州の⼯事現場から発⾒されるが、発⾒者は隠してしまい、亡くなる前に隠し場所を息⼦達に告げ、
その場所で再発⾒され、ハルビン地理科学博物館に届けられる(標本番号HBSM2018-000018(A))
形態学的分析から旧⼈の新種としてHomo longi “Dragon Man”と命名
>''M.Denisovans: デニソワ⼈''
当初、遺伝⼦情報のみで同定された奇異な個体群
南シベリア・アルタイ⼭脈の洞窟から発掘された数本の⼿⾻と⻭のみから
抽出されたDNAの分析より「ネアンデルタール⼈ではない!」と判明
年代は数⼗万年前、ネアンデルタール⼈との分岐は約80万年前?
その後、断⽚的な標本から中央アジアから東アジアに広く拡散していたことが分かる(台湾、およびチベット)。
ただし、まとまった標本がなく、未知の⼈類であったが、
近年、⻭垢から抽出したミトコンドリアのDNAからハルビン頭⾻標本はデニソワ⼈と確定したか。
#br
N. 環境変動と旧⼈・新⼈の拡散モデル:⻄はネアンデルタール⼈、東はデニソワ⼈、後を追って現代⼈
#br
既知の旧⼈より古い super archaic ”ghost” hominins との交雑を⽰唆するデータが古DNAの解析から浮かび上がってきている。
⇨“Ghost” Populations「幽霊個体群」
#endregion
***第十一講目の内容 [#t8d887d2]
#region(数値データ)
''数値データ''
ヒトの進化と現代のヒトの⽣物学的な多様性(Human evolution and modern human biological diversity)
が⼈類⽣物学的な主要な研究トピックである。
#br
大航海時代(特にコロンブスの北米到達)によって世界中の人類を認識できるようになった。
陸路でアジアに行くことで、人がゆっくり変わっていくのを確認できたマルコポーロの多様性観と、
船で途中の人々を見ることなく、いきなり異民族を見てしまったことによる大航海時代的多様性観が存在
現在はマルコポーロ的多様性観が主流
#br
-哺乳動物(&color(Red){Mammal};)
基礎的な⽣理:空気呼吸、あくびをする、⽔を飲む、⾷べ物を摂って⾷べる、排尿、排便
有性繁殖、妊娠、授乳
-霊⻑類(&color(Red){Primates};):
向かい合わせに親指を使える⼿、平たい⽖、前向きの⽬(両眼視)、⾊を識別、⾼度な社会性
-ヒト(&color(Red){Human};):
・⼆⾜歩⾏
・⾔語と複雑な⽂化
・⾮常に⻑い成⻑期間
>''Nature-Culture Dichotomy:「⾃然」と「⽂化」の⼆分''
⼈類学の基礎的・哲学的課題「法、ヒトは⼈と違うのか?」
⼀⼈々々の⼈間は⽣物と⽂化の融合体
&color(Red){Biocultural Evolution};:ヒトは⽣物学的個体発⽣と社会的学習を統合して成⻑するように進化してきた。
>''⾃然⼈類学''
⾃然⼈類学はヒトの⽣物性と社会性を同時に対象とする学祭的な研究分野
研究の成果はヒトの形態的・⽣理的な形質に対する社会と⽣活の影響の研究を浮き彫りにする結果となる。
|~私たちの⽣活の⽣物学的基礎|⽣物性 → 社会性(⾝体・⽣理・遺伝の社会・⽂化に対する影響)|
|~⾝体・進化に対する社会的影響|⽣物性 ← 社会性(社会・⽂化の⾝体・⽣理・遺伝に対する影響)|
>''ヒトの⽣物学的変異の研究(⾃然⼈類学)''
-⾝体測定:Anthropometry
世界中の⼈々の形態・形質を調べる。
成⻑と健康の⽬安として研究であり、⼈類の多様性を測る⽅法の⼀つ
こうした研究は家具作りや衣服作りに活かされている。
-統計的分類:遺伝情報などに基づいた統計解析によるサンプル間距離の推計
|>|⽤語の整理|h
|>|変異(&color(Red){variation};)|
|>|変数(&color(Red){variable};)|
|>|多様性(&color(Red){diversity};)|
|>|集団(group, 個体群 &color(Red){population};)|
|>|形質(&color(Red){trait};)|
|>|測定直(&color(Red){measurement value};)|
|>|多形(&color(Red){polymorphism};)|
|>|遺伝⼦型(&color(Red){genotype};)|
|>|表現型(&color(Red){phenotype};)|
|分布(&color(Red){distribution};)|度数分布(&color(Red){frequency distribution};, &color(Red){histogram};)|
|~|地理的分布(&color(Red){geographic distribution};)|
|>|数値データの種類|h
|~名義データ(nominal data)の数・割合|名前が付くもの(分類や類型を含む)の数(N)を数える。&br;割合(%)を計算することにより数値化される。|
|~順序尺度(ordinal scale)|順番、相対的な位置が確定しているもの:数、割合(%)、平均・分散・間隔を計算できる。|
|~連続数値尺度(continuous quantitative scale)|連続する数値で測る尺度:平均・分散・間隔など計算できる。|
>''個体・個⼈ (Individual)''
⽣物学的多様性の基本単位は個体・個⼈の変異(&color(Red){Individual variation};)
⇨データ収集は個体・個⼈のデータ
個体変異はその他の変異(集団間変異など)のもとになる、個体のない集団はあり得ない。
⼈類学で数えたり測定するのは⼀⼈⼀⼈の⼈間
>> ''サンプル収集''
-サンプルは集団・個体群を代表する⼀部、全集団(全個体)の調査は滅多にない。
-サンプルする⽅法は⾮常に重要、調査が「科学的」かどうかはサンプル⼿法で決まる。(例えばランダム抽出)
インターネットでサンプルを集めるのは避けた方が良い。
従来は電話でサンプルを集めるのも信頼性が低い。
-研究対象のサンプルは個体・個⼈によって構成される。
-個体数・⼈数
ある特性をもつ⼈間の⼈数(N)や割合(%)
-⼀⼈⼀⼈の⼈間の特性を計測した数値(例えば⾝⻑(cm)と体重(kg)など)
平均・分散・間隔など計算できる。(サンプル数は⼈数)
|~グループ分けの根拠|社会的・⽂化的に意味のある類型|
|~|サンプル取得の都合上に認められる集団(男女や老若)|
|~|地理的に意味のあるグループ(ただし、連続数値データの類型化は要注意)|
|~|集団内 対 集団間の変異(集団内の変異は集団間の変異より大きい場合がある。)|
>''正規分布''
⽣物学的変数の多くは正規分布する。
複数の相互に独⽴した要因によって決定される形質の特徴
平均値周りに分散が認められる。
類型化の基準(グループ分けの根拠)はない。
//第二標準偏差
>''⽣物学的変異(&color(Red){biological variation};)''
%%%ヒトの類型化は無理%%%
-量的・連続的であり、切れ⽬がない(&color(Red){Clinal variation};)。
地形の傾斜のイメージ、実際に形質の分布を地図化すると地形図に似る。
-変数同⼠で変化は連動しない(Nonconcordance)。
-集団内の変異は集団間より⼤きい変数が多い。
>''⾃然⼈類学が「集団間」の変異にこだわる理由''
⾃然⼈類学の宿命:⼈種(&color(Red){race};)、⼈種主義(&color(Red){racism};)、⼈種差別(&color(Red){racial discrimination};)との戦い
社会全体の問題であると同時に⾃然⼈類学⾃⾝の問題
|~19世紀〜20世紀前半|「⼈種」の類型が⼀つの研究⽬的であった。|
|~20世紀後半|社会の変化と進化⽣物学の発展によりヒトの「類型化」は否定される。|
「⽣物学的な⼈種は存在しない」という結論になる。
ヒトの「類型化」は差別に繋がるどころか、それ自体が差別
>''変異軸(Axis of variation):変異が可能な⽅向''
それぞれスケールに注意。スケールによって意味が異なる。
|~空間軸|地理的変異|
|~|地域内変異|
|~時間軸|時間経過・歴史|
|~|個体発⽣・成⻑|
-その他、社会的が注⽬される要因
--ジェンダー
--社会層,職業
--⽂化
ヒトは短期的にも⻑期的にも柔軟に環境に適応する。(環境への適応 &color(Red){Adaptation};)
|~遺伝適応|適応においては集団における正の⾃然選択よる遺伝的適応|
|~⽣理的適応|⼀個体の短期的あるいは中⻑期的な環境への適応的な⽣理的応答現象も含めて適応と表現|
>''進化の定義''
集団遺伝学と統合された進化論における「進化」の定義:遺伝⼦頻度の変化
|~遺伝⼦変化のメカニズム|⾃然淘汰による適応(&color(Red){natural selection};)|
|~|突然変異(&color(Red){mutation};)|
|~|遺伝⼦浮動(genetic drift、卵⼦と精⼦には各親の遺伝⼦の半分だけが伝わる。)|
|~|遺伝⼦流動(移動・移住、gene flow, migration)|
#br
⽣理学的適応:⼀個体の短期的あるいは中⻑期的な環境への適応的な⽣理的応答現象
|>|⽣理学的適応|h
|慣れ|数時間で⽣じる環境への慣れ|
|順化|数週間や数ヶ⽉によって⽣じる暑さ・寒さなどへの適応|
|順応|気温や光、⾷料、ストレスなどさまざまな要因によって⽣じる適応|
|発達基順応|発達を通して獲得する。|
#br
%%%発⽣学における発達の基本原理:表現型=遺伝⼦型+環境(Phenotype=Genotype+Environment)%%%
#endregion
***第十二講目の内容 [#id6eba8a]
***第十三講目の内容 [#tbf4ea0a]
***第十四講目の内容 [#lf1608c0]
***第十五講目の内容 [#j4590450]
}}
*コメント [#comment]
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