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文学とサブカルチャー(康潤伊) の変更点
''■[[文学とサブカルチャー]]''
//#include( ,notitle)
#contents
|BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c
|BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):''分類''|''国文学科選択''|
|区分|[[国文学科]]科目|
|履修形態|一般(人数過多の場合は抽選)|
|履修条件|二年生以上|
|単位数|2|
|講師|[[康潤伊]]|
|学位等|学士(文学)|
*概要 [#Gaiyou]
2010年代以降「若者」に浸透したと言われている考察文化と現代ホラー文化を扱う。
「正解」のない中でも考え続ける力の涵養を目指すとともに、現代文化を相対的に見る視点を養う。
#br
モキュメンタリー(ドキュメンタリーの形式を取ったフィクション)のホラー映像作品を見て、
何が怖いのかを議論したうえで、映像作品の考察ブログや動画をさらに閲覧・視聴し、その内容の論理的整合性を検討する。
|>|成績割合|h
|~期末レポート|50%|
|~授業参画度(ディスカッション等への参加態度やリアクションペーパー|50%|
教科書なし(プリント配布)
基本的にYouTubeで視聴できる動画を教材とする。
有料配信サービスで視聴できる映画は、授業内で視聴。欠席者向けの追加上映はない。
#br
毎回、出席フォームに飛べるQRコードを紙で掲示する。
フォームへの入力期限は11:25
電池切れ等で入力できない場合は、教員へ口頭で申告するか、紙に学生番号と氏名を書き11:25までに教卓へ提出する。
授業後の申告は受け入れない。
>''欠席''
やむを得ない事情による欠席以外で、欠席連絡は不要。
公欠の場合、後でも構わないので、必ず欠席届または診断書(氏名・期日が明記されているもの)を提出する。
その他、状況に応じて公欠扱いとする。(証拠が必要、就職活動関連は対象外)
この科目は文理学部(学士(文学))のDP及びCP2,3に対応している。
*講師の印象 [#Inshou]
*令和八年度(2026年度) [#h81d5434]
#style(class=submenuheader){{{
**後期
}}}
#style(class=submenu){{{
|BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c
|BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):授業形態|対面授業|
|日程/教室|金曜日 二限目/3301教室(3号館3階1番教室)⇨444教室(4号館4階4番教室)|
>''期末レポート''
|~提出期限|1/22(授業最終回)の12:10|
|~提出先|Canvas|
YouTubeチャンネル・フェイクドキュメンタリー「Q」の映像作品のうち、
授業で扱わなかった動画について、下記の3つの問いに答えること。
-問い1
その作品についてどのような考察・分析がウェブ上で行われていますか。おおまかな傾向をまとめてください。
箇条書きではなく文章で述べること。
-問い2
その作品についての考察・分析のうちいくつかを取り上げ、あなたの評価(説得力があるか否か等々)を具体的に述べてください。
箇条書きではなく文章で述べること。
-問い3
あなたのその作品に対する考察・分析を文章で述べてください。
***第一講目の内容 [#w14d3ebb]
授業の第10回以降で扱って欲しい作品があれば記入する。(自由回答)
よっぽど人を選ぶ作品でない限り扱う。期限は十月いっぱい。
#hr
#region(考察文化とは)
''考察文化とは''
三宅香帆の『考察する若者たち』によれば、「考察ドラマ」のプロセスには次の三つがある。
① 作者(やドラマ制作スタッフ)が、作品に謎とヒントを仕掛ける。
② 視聴者はヒントを見つけ、謎解きの材料にして、シェアする。
③ 作品内で、謎解きが行われる。
#br
⇒決してミステリに当てはまらない作品さえも「考察」が行われる点が現代特有
三宅「正解を解くゲームになりつつある。それこそが「考察」が変化させた姿勢だ。」
#br
>''考察の対象とされた作品''
-『VIVANT』
-雨穴『変な家』
-『鬼滅の刃』
-『ONE PIECE』
-『HUNTER×HUNTER』
特に『変な家』は、一見ホラー小説に思える小説ジャンルにおいて、
「一つの事実に結び付けたい。一つの正解を見つけたい。一つの結果を手に入れたい。」という欲求に火を付けた。
#youtube(https://www.youtube.com/watch?v=uY4uM-QAigA)
#br
近年の「考察文化」は、「正解」を求めるものになっている。その根底には「報われたい」という欲求がある。
(コスパ、タイパという言葉の流行も根っこは同じか?)
「報われたい」欲求は仲間やコミュニティの獲得でも満たされる。
>''「考察」文化の危険性''
本当に作者が謎を仕掛けているかは関係なく、視聴者は「作者は隠された謎を仕掛けている」という前提で考察している。
「考察」そのものが目的になっている。
加えて、「考察」は「正解」ありき(と考察者が思っている)のもの(が多い)。
#br
あるはずの「正解」を一部の人同士で探し共有 ⇒反復と充足 ⇒特定の考え方や価値観に偏るというメカニズム
&color(Red){「考察」文化は陰謀論に近い。};
陰謀論に限らず一つの概念・理論のみで対象を捉えることは危険。
この授業は、「正解」を求める傾向を相対化して、学問的忍耐力を鍛える。
#endregion
#region(恐怖)
''恐怖''
人によって恐怖心を感じるポイントは異なっている。
|~恐怖|文化的・慣習的に感じる恐怖|
|~恐怖心|個人的・生理的に感じる恐怖|
⇒文化が異なる場合、恐怖は翻訳されるか、異なる部分に焦点化されて受容される。
#br
『エクソシスト』(1974)は、キリスト教文化を前提にしたホラー表現をしている。
(「少女に憑いた悪魔が十字架を抱いて自慰的行為をする」など)
しかし、日本の観客の一部は身体的な動き(首が回る、スパイダーウォークなど)を怖がった。
#youtube(https://www.youtube.com/watch?v=-zh3nw_xS3U)
#br
-[[恐怖心展>https://kyoufushin.com/]]
「先端」「閉所」「視線」といった、様々なものに対して抱く「恐怖心」をテーマに、展示を行っている。
#endregion
***第二講目の内容 [#zd1f22be]
#region(文学における思想)
''文学における思想''
>''構造主義''
スイスの言語学者ソシュール(1857-1913)に端を発し、
フランスの人類学者・レヴィ=ストロース(1908-2009)やフランスの哲学者ロラン・バルト(1915-1980)が広げ、
1950~60年代に欧米を席捲し、文学の読み方を広げた思想。
#br
レヴィ=ストロースはヨーロッパの神話を分析し、個々の神話は独立しているのではなく、
大きな神話サイクルの中に置いて初めて理解できるとした。
全ての神話は自然と文化、親と子、生と死などの対立項で再構成できると主張。構造主義の代表例。
#br
注釈や資料・年譜整理ではなく、大きな構造あるいはシステムの具体的表現・表出として、文学を捉える研究者が増えた。
#br
バルトは、1968年に「読者の誕生は、作者の死によってあがなわれなければならない」と述べた。(「作者の死」『物語の構造分析』)
現在はかなり学術的に一般化。
※注釈や資料整理によって言語によって構成される世界の具体的表現として文学を捉える選択肢が増えた。
>''ホラーの定義''
読者に不安感や恐怖感を喚起するもの?
⇒恐怖、憎悪、嫌悪、不快感といった感情は、地域や時代によって異なる。日本においても時代に応じて変化。
#endregion
#region(日本の時代ごとの特色)
''日本の時代ごとの特色''
|時代|傾向|代表作|h
|敗戦直後|粗雑な紙に印刷された「カストリ雑誌」(娯楽雑誌)が読まれた。&br;心霊学の流行⇨グリーフケア(悲しみからの回復)の物語|長田幹彦『幽霊インタービュー』(1952)|
|高度経済成長期|日常が崩れること、画一化された生活による個性・人間性の喪失が恐怖&br;日本初のホラー同人誌『THE HORROR』が登場|星新一『おーい でてこーい』(1958)⇨SFとホラーの表裏一体|
|1960年代|学生運動・公害問題等によって、既成の文化・社会への反発・懐疑|「異端」としてのホラー・SF⇨『夢野久作全集』『江戸川乱歩全集』|
|高度経済成長期|日常が崩れること、画一化された生活による個性・人間性の喪失が恐怖&br;日本初のホラー同人誌『THE HORROR』が登場|星新一『おーい でてこーい』(1958)&br;⇨SFとホラーの表裏一体|
|1960年代|学生運動・公害問題等によって、既成の文化・社会への反発・懐疑|「異端」としてのホラー・SF&br;⇨『夢野久作全集』『江戸川乱歩全集』|
|~|妖怪ブーム|水木しげる『ゲゲゲの鬼太郎』(1965~)&br;円谷プロ『ウルトラマン』(1966~)|
|1970年代|オイルショックと文明への危機感からのオカルトブーム|五島勉『ノストラダムスの大予言』(1973)&br;『月刊ムー』創刊(1979)|
|1980年代前半|バブル景気と消費社会|ラブクラフトによるクトゥルー神話ブーム&br;⇨ホラーといえばスプラッターの印象が強くなってしまう。|
|1980年代後半|スティーブン・キングの人気の高まりを受け、日本でも現代を舞台にしたモダン・ホラーが続出。|小池真理子『墓地を見おろす家』|
|1990年代|怪談ブーム|常光徹『学校の怪談』(1990)&br;木原浩勝・中山市朗『新耳袋 あなたの隣の怖い話』(1990)|
|2000年代|怪談は供給過多&内容も多様化、逆にジャンルとしての求心力が低下&br;澤村伊智登場によって活気づいた「現代ホラーの新しい波」⇨ミステリとの融合、土俗的モチーフ、怪談への接近が特徴||
|2000年代|怪談は供給過多&内容も多様化、逆にジャンルとしての求心力が低下&br;澤村伊智登場によって活気づいた「現代ホラーの新しい波」&br;⇨ミステリとの融合、土俗的モチーフ、怪談への接近が特徴||
>''時代と抑圧''
1930年代後半から1945年までは、ホラーとミステリーとSFが混然一体となっていた探偵小説
(乱歩『人間椅子』など)は時局に合わないということで抑圧されていた。
→死(殺人含む)を扱うホラーは時代の流れによって容易に抑圧され得る。
>''鈴木光司『リング』と角川ホラー文庫''
『リング』はもともと横溝正史賞(推理小説≒ミステリーの賞)に応募され、最終まで残ったものの
推理小説か否かで委員の意見が分かれ、落選。
⇒角川書店の宍戸健司が、『リング』の受け皿として1993年、角川ホラー文庫を創刊、『リング』は第一弾に収録。
#br
日本ホラー小説大賞の創設が発表され、角川ホラー文庫が創刊された1993年は、
新人賞と専門文庫レーベルというインフラが整備された年であった。
>''文学史とホラー''
文学史の教科書には、ホラー・SF・ミステリへの言及がほとんどない。(もしくは少ない)
文学史を編む側である研究者・評論家たちが『小説神髄』や作家の派閥・交友関係
(硯友社、白樺派、漱石一門、芥川や菊池寛の『新思潮』等々)に基づいた文学観を強く打ち出したからか。
#br
&size(10){授業資料を丸写しした疑いのある部分を削除しました。[運営]};
#endregion
#multilang(検閲){{
:敗戦~高度経済成長期|
粗雑な紙に印刷された「カストリ雑誌」(娯楽雑誌)が読まれた。
長田幹彦の『幽霊インタービュー』(1952)に代表される心霊学の流行。
⇨生き残った人々の喪失感に寄り添う、グリーフケア(悲しみからの回復)の物語
1956年、高度経済成長期の始まり
⇒オカルトは低空となり、恐怖の質が変わる。豊かで便利な日常が崩れること、画一化された生活による個性・人間性の喪失が恐怖。
→団地に住む人間の自我の崩壊を書いた山川方夫『お守り』(1960)
社会にとって不都合なものをすべて捨てられる穴が出現する星新一『おーい でてこーい』(1958)
SFとホラーの表裏一体
紀田順一郎・大伴昌司は、『世界恐怖小説全集』で翻訳を手掛けていた平井呈一と意気投合。
紀田・大伴は平井を顧問にして、日本初のホラー同人誌『THE HORROR』を創刊した。
:1960~70年代|
学生運動、公害問題などによって、既成の文化・社会への反発・懐疑(科学技術への信頼、アメリカへの依存等々)。
「明治百年」を迎え、日本の近代に対する再評価・再検討。
⇒自然や土着文化への回帰。加えて、既存の文化・社会に追従しない若者文化・異端文化への注目。
唐十郎や寺山修司らのアングラ演劇。
出版業界でスポットが当たったのが「異端」としてのホラー・SF。
『江戸川乱歩全集』『横溝正史全集』『夢野久作全集』『久生十蘭全集』
夢野久作『ドグラ・マグラ』(1935)と小栗虫太郎『黒死館殺人事件』(1935)が復刊され、中井英夫『虚無への供物』(1964)が発表。
三大奇書と呼ばれる三つが出揃ったのもこの時代。
ホラーに留まらないが、抵抗としてのサブカルチャー・異端文化を牽引した澁澤龍彦もこの時代。
1970年代、オイルショックと文明への危機感からのオカルトブーム
五島勉『ノストラダムスの大予言』(1973)⇨1999年に人類は滅亡するという結論。
超能力ブーム ユリ・ゲラー来日、スティーブン・キング『キャリー』(1974)
こっくりさん流行、失神する若者続出で社会問題化
映画『エクソシスト』(1974)日本公開、オカルトとして受容
『月刊ムー』創刊(1979)~古代文明、UFO、宇宙人といったSF+ホラー要素
60年代から続いた妖怪ブーム:水木しげる『ゲゲゲの鬼太郎』(1965~)
円谷プロ『ウルトラマン』(1966~)
手塚治虫『どろろ』(1967)
:1980~90年代|
1980年代:バブル景気と消費社会
⇒既存文化への懐疑に満ちたある種の暗さを持っていた70年代から様変わりし、ポップな軽やかさがウケる。
『スター・ウォーズ』の日本公開(1978)で空前のSF、特にラブクラフトによるクトゥルー神話ブーム
しかし、ホラーといえばスプラッターの印象が強くなってしまう。
//スプラッター的(バイオレンス)要素+エロ+超能力のハイブリッド →
1988~9年の[[東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%BB%E5%9F%BC%E7%8E%89%E9%80%A3%E7%B6%9A%E5%B9%BC%E5%A5%B3%E8%AA%98%E6%8B%90%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6]](通称・宮崎勤事件)でホラー≒スプラッター、特撮物への逆風。
アニメや漫画を好む「おたく」に対しても逆風
1980年代後半から90年代:スティーブン・キングの人気の高まりを受けて、日本でも現代を舞台にしたモダン・ホラーが続出。
(小池真理子『墓地を見おろす家』、恩田陸『六番目の小夜子』、新井素子『おしまいの日』等)
1990年代には怪談ブームも。
常光徹『学校の怪談』(1990)、木原浩勝・中山市朗『新耳袋 あなたの隣の怖い話』(1990)
⇒恐怖の真相解明や解決のない、体験談ベースの怪談。
以降この系列は『ほんとにあった!呪いのビデオ』、『怪談新耳袋』等、映像も展開。
&color(Red){モキュメンタリーの素地に。};
#br
>''時代と抑圧''
1930年代後半から1945年までは、ホラーとミステリーとSFが混然一体となっていた探偵小説
(乱歩『人間椅子』など)は時局に合わないということで抑圧されていた。
→死(殺人含む)を扱うホラーは時代の流れによって容易に抑圧され得る。
>''鈴木光司『リング』と角川ホラー文庫''
『リング』はもともと横溝正史賞(推理小説≒ミステリーの賞)に応募され、最終まで残ったものの
推理小説か否かで委員の意見が分かれ、落選。
⇒角川書店の宍戸健司が、『リング』の受け皿として1993年角川ホラー文庫を創刊、『リング』は第一弾に収録。
#br
日本ホラー小説大賞の創設が発表され、角川ホラー文庫が創刊された1993年は、
新人賞と専門文庫レーベルというインフラが整備された年であった。
:2000年代|
2000年代に入ると、怪談は供給過多&内容も多様化、逆にジャンルとしての求心力が低下。
2015年の澤村伊智登場によって活気づいたホラーシーンを、朝宮は「現代ホラーの新しい波」と呼ぶ。
この「波」は、ミステリとの融合、土俗的モチーフ、怪談への接近が特徴とのこと。
考察文化を支える要素な気もする。
#br
>''文学史とホラー''
文学史の教科書には、ホラー・SF・ミステリへの言及がほとんどない。(もしくは少ない)
文学史を編む側である研究者・評論家たちが『小説神髄』や作家の派閥・交友関係
(硯友社、白樺派、漱石一門、芥川や菊池寛の『新思潮』等々)に基づいた文学観を強く打ち出したからか。
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***第三講目の内容 [#o05030e1]
映画鑑賞
***第四講目の内容 [#xca38298]
***第五講目の内容 [#md369876]
***第六講目の内容 [#b9b6b36c]
***第七講目の内容 [#r88ace3f]
10/30は休講
***第八講目の内容 [#f55c615a]
***第九講目の内容 [#s17a1acf]
***第十講目の内容 [#t3cb1555]
***第十一講目の内容 [#a0024cba]
***第十二講目の内容 [#f5a205a9]
//https://kakuyomu.jp/works/16817330652495155185
***第十三講目の内容 [#fc6cf6f1]
12/18は休講。第十三講は1/15。
***第十四講目の内容 [#m09678e0]
***第十五講目の内容 [#rfef26be]
オンデマンド
補講を兼ねる。
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