Top > 日本語文法史(井上優)


''■[[日本語文法]]''
//#include(  ,notitle)
#contents
|BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c
|BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):''分類''|''国文学科選択必修A群'',''国語科教員(国文学科)選択&br;日本語教育選択''|
|区分|[[国文学科]]科目|
|履修形態|一般(人数過多の場合は抽選)|
|履修条件|二年生以上&br;第2回授業までに Canvas LMS に登録し、最低1回は出席すること。|
|単位数|2|
|講師|[[井上優]]|
|学位等||
|学位等|学士(文学)|
*概要 [#Gaiyou]
[[国文学科]]の選択必修A群。
[[国語科教員(国文学科)>教職コース/教職課程]]と[[日本語教育課程>日本語教育コース/日本語教育課程]]の選択科目でもある。
#br
古代日本語の文法と現代日本語の文法を比較しながら、[[日本語]]の文法において何がどう変化してきたかを考える。
|>|成績割合|h
|~期末レポート|40%|
|~リアクションペーパー(授業参画度)|60%|
教科書は、高山善行・青木博史編『ガイドブック日本語文法史』(ひつじ書房 2010年)。なくても良い。
#br
この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1,2及びカリキュラムポリシーCP1,2に対応している。
*講師の印象 [#Inshou]
*令和八年度(2026年度) [#jissinendo]
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**後期 [#kouki]
}}
#style(class=submenu){{
|BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c
|BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):授業形態|対面授業|
|日程/教室|金曜日 二限目/422教室(四号館二階二番教室)|
***第一講目の内容 [#kouki1]
#region(文法の変化)
''文法の変化''
外国語の文法を別々のものと見るのではなく、「言語」として互いに関連づけて見るべきである。
>''助動詞「む」と「will」''
どちらも、推量・意志・適当・勧誘の意味を持つ。
|>|>|CENTER:例文|h
| |む|will|h
|~推量|雪いかならむ。&br;(雪はどんなであろうか。)|That will be John, I expect.&br;(きっとジョンよ。)|
|~意志|飼はむ。&br;(飼おう。)|I will give you my answer tomorrow.&br;(明日返事します。)|
|~適当・勧誘|鳴り高し。鳴りやまむ。&br;(騒々しい。しずかになさるがよい。)|You will do as I tell you.&br;(言いつけ通りするのですよ。)|

#br
文法とは(諸説あるが、)%%%①品詞%%% %%%②語の構造、文の構造%%% %%%③文法形式(助詞・助動詞)の種類および意味・用法%%% である。
文法は一つではなく、見方の数だけある。(例えば、「書く」という動詞の分類の仕方など)
|活用|>|子音語幹動詞とする解釈|>|>|五段活用動詞とする解釈(学校文法)|h
|~|語幹|語尾|語幹|語尾|助動詞|h
|書く。|kak|u|か|く||
|書き、|kak|i|か|き||
|書いた。|&color(Blue){kai};|ta|か|い|た|
文法の変化とは、%%%①「語の形式・構造」の変化%%% %%%②「文の構造」の変化%%% %%%③「文法形式(助詞・助動詞)の種類と意味・用法」の変化%%% である。
文法の変化は常に起こっている。(ラ抜き言葉など)
#br
#br
|政治史的区分|二分法|三分法|四分法|五分法|六分法|七分法|h
|古墳時代|古代|古代|古代|上代|古代前期|古代前期|
|飛鳥時代|~|~|~|~|~|~|
|奈良時代|~|~|~|~|~|~|
|平安時代|~|~|~|中古|古代後期|古代後期|
|院政・鎌倉時代|~|中世|中世|中世|中世前期|中世前期|
|室町時代|近代|~|~|~|中世後期|中世後期|
|江戸時代|~|近代|近世|近世|近世|近世前期|
|~|~|~|~|~|~|近世後期|
|明治以降|~|~|~|近代|近代|近代|

>''「古代語―近代語」の二分法''
+終止形・連体形の合一化する、平安時代末期から鎌倉時代初期を近代語の始まりとする。
+係結びの乱れる、①と同じ時期を近代語の始まりとする。
+言文二途となる、①と同じ時期を近代語の始まりとする。
+格助詞の体系化の行われる、室町時代を近代語の始まりとする。
+接続表現の語の増加する、④と同じ時期を近代語の始まりとする。
 
-平安時代語の規範が確立し、それが守られている時期を「古代語」とし、それの崩れる時期を「近代語」の時期とする。
-室町時代、キリシタン文献や抄物のなかには、現代語と似た文法スタイルを示すものがある。
格助詞・接続語は文の論理的関係を示すものであり、その意味でも近代語の条件に適うとする。

現代日本語は動詞の活用は、四(五)段・上一段・下一段・カ行変格・サ行変格の五種類とされる。
一方、平安時代には上一段・下二段・ナ行変格・ラ行変格と呼ばれる種類もあって、都合九種類あった。
#br
つまり、体系ぐるみ変化したわけで、「き・けり」が「た」に替った等という個別的な変化とは規模の違う「大変化」である。
この変化は平安中期に始まり、末期に盛んになり、鎌倉・室町の過渡期を費やして、江戸初期にはほぼ終結していたと見なされている。
#br
これほど大規模な体系まるごとの変化は稀であること、変化に費やされた時間が長期にわたること、などによって、
[[日本語]]の歴史を大きく時代区分する基準として、この変化より以前を「古代日本語」、以後を「近代日本語」と、二分する習慣がある程である。
鎌倉・室町のいわゆる「中世」は、[[日本語史]]では長い過渡期ということになる。
#br
この大変化の推進力となったのは、平安中期にはじまって末期に盛んとなった、連体終止と呼ばれる構文法の愛用であった。 
共に古代語と近代語の差として重視されているのは、係り結びに関する相違である。
係助詞は僅かに姿を残すのみであり、結びは全く以て殆ど見えない。
#endregion
***第二講目の内容 [#kouki2]
#region(文の構造・種類)
''文の構造・種類''
>''文の成分''
主語や述語や連用修飾語などである。
文が文の成分になることもある。(主節と従属節)
|~連用修飾語|用言(述語)を修飾。|
|~連体修飾語|体言(名詞)を修飾。|
[[日本語文法]]で言う「補語(補足語)」は「名詞+格助詞」。外国語の「補語」とは違う。
例:「花子と」(副次的補語)、「ワインを」(必須的補語)
#br
また、文は句に分けられる。(階層構造をなす。)

>''敬語の相互承接と階層構造''
敬語を重ねて使うと、“謙譲語・尊敬語・丁寧語”という重なり方をする。この順番は絶対に狂わない。
|~尊敬語|文中の主語(動作主)を高める。|
|~謙譲語|文中の主語以外(動作主以外)を高める。|
|~丁寧語|聞き手を高める。|
謙譲語は動詞句で働き、尊敬語は文全体に働く。
また、[[日本語]]は聞き手へ働きかけるもの(終助詞など)は後ろに来る。
故に謙譲語・尊敬語・丁寧語の順番になる。

>''述体句・喚体句''
平叙文・疑問文・通常の感嘆文は述体句である。
述体句は、文の内容の是非を問題にするための形式であり、喚体句は話し手の心の動きを表明する形式である。
同様に、命令文や希望や願望の文も話し手の心の動きを表明するタイプの文である。
また、係り結び文は、現代語の平叙文や疑問文と比較すれば、話し手の心的態度を文の形式により強く反映させた文である。
|>|&ruby(じゅったいく){述体句};(述語を中心とする通常の文)|h
|平叙文|私は昨日餃子を食べた。|
|疑問文|どこで餃子を食べたの?|
|命令文|ちょっと手伝って。|
|感嘆文|いい天気だなあ!|
 
|>|喚体句(「体言+助詞」という構造を持つ古代語特有の文)|h
|感動喚体句|行き過ぎがたき妹が門かな。(そのまま素通りはできない妹の門よなあ。)|
|希望喚体句|わがごとく我を思はむ人もがな。(私と同様に私のことを思ってくれる人がいればいいな。)|

>''係り結び''
一部に焦点を当て、強調して述べる
また、「花や咲く」(古典日本語)と「花は咲くか」(現代日本語)のように
疑問を示す語の位置が異なることがある。

[[日本語]]の文構造はそれほど変わっていない。
一方で、[[英語]]は大きく変わった。(「語尾変化」の言語から「語順」の言語へ)
#endregion
***第三講目の内容 [#kouki3]
#region(活用)
''活用''
動詞の語形が「意味・機能」や「後の語との接続」によって変化することを「活用」と言う。
変化しない部分は「語幹」、変化する部分は「語尾」と呼ぶ。
>''現代日本語の動詞の活用''
-拍を単位として分析(学校文法)
|活用|未然形|連用形|終止形|連体形|已然形/仮定形|命令形|h
|五段活用|書か-(ない)&br;書こ-(う)|書き-(ます)&br;書い-(た)|書く|書く-(こと)|書け-(ば)|書け|
|上一段活用|起き-(ない)&br;起き-(よう)|起き-(ます)&br;起き-(た)|起きる|起きる-(こと)|起きれ-(ば)|起きろ&br;起きよ|
|下一段活用|受け-(ない)&br;受け-(よう)|受け-(ます)&br;受け-(た)|受ける|受ける-(こと)|受けれ-(ば)|受けろ&br;受けよ|
|サ行変格活用|し-(ない)&br;し-(よう)|し-(ます)&br;し-(た)|する|する-(こと)|すれ-(ば)|しろ&br;せよ|
|カ行変格活用|こ-(ない)&br;こ-(よう)|き-(ます)&br;き-(た)|くる|くる-(こと)|くれ-(ば)|こい|
-音素を単位として分析(活用形は学校文法を踏襲)
|活用|動詞|未然形|連用形|終止形/連体形|已然形/仮定形|命令形|勧誘形/過去形|h
|~子音語幹動詞|書く|kak-(anai)|kak-(imasu)|kak-(u)|kak-(eba)|kak-(e)|kak-(oo)&br;kai-(ta)|
|~母音語幹動詞|起きる|oki-(nai)|oki-(masu)|oki-(ru)|oki-(reba)|oki-(ro)&br;oki-(yo)|oki-(yoo)&br;oki-(ta)|

連用形は名詞化するなど機能が広い。
古典では連体形が名詞化することが多い。
現代では準体助詞が要る。
#br
未然形と已然形は意味の上でペア。連用形と連体形は働きがペア
|~古典日本語|~現代日本語|h
|四段活用(思ふ)|五段活用(思う,ある,死ぬ)|
|ラ行変格活用(あり)|~|
|ナ行変格活用(死ぬ)|~|
|上一段活用(見る)|上一段活用(見る,起きる)|
|上二段活用(起く)|~|
|下一段活用(蹴る)|五段活用(蹴る)|
|下二段活用|下一段活用|
|サ行変格活用(す)|サ行変格活用(する)|
|カ行変格活用(来)|カ行変格活用(来る)|

|~四段活用→五段活用|助動詞「む→(よ)う」の変化にともなう局所的な変化+音便|
|~ラ変/ナ変/下一段活用→五段活用|局所的な例外の解消と五段活用への収束|
|~二段活用→一段活用|活用の体系の変化|
#br
音素を単位として分析
|活用|時代|未然形|連用形|終止形|連体形|已然形/仮定形|命令形|h
|四段活用・五段活用(母音交代:強活用)|~古典|kak-a|kak-i|kak-u|kak-u|kak-e|kak-e|
|~|~現代|kak-a|kak-i|>|kak-u|kak-e|kak-e|
|上一段活用(ru 付加:弱活用)|~古典|mi|mi|mi-ru|mi-ru|mi-re|mi-yo|
|~|~現代|mi|mi|>|mi-ru|mi-re|mi-ro&br;mi-yo|
|上二段活用(母音交代+ru 付加)→上一段活用(ru 付加)|~古典|ok-i|ok-i|ok-u|ok-u-ru|ok-u-re|ok-i-yo|
|~|~途中|ok-i|ok-i|>|ok-u-ru|ok-u-re|ok-i-yo|
|~|~現代|oki|oki|>|oki-ru|oki-re|oki-ro&br;oki-yo|
|下二段活用(母音交代+ru 付加)→下一段活用(ru 付加)|~古典|uk-e|uk-e|uk-u|uk-u-ru|uk-u-re|uk-e-yo|
|~|~途中|uk-e|uk-e|>|uk-u-ru|uk-u-re|uk-e-yo|
|~|~現代|uke|uke|>|uke-ru|uke-re|uke-ro&br;uke-yo|

[[日本語]]の動詞の活用は、元々「母音交代型」「ru 付加型」「母音交代+ru 付加混合型」「不規則型」の四つ
→「強活用(母音交代型)」と「弱活用(語尾付加型)」のいずれかへ収斂し、「母音交代+ru 付加混合型」は消えた。
#br
結果的に1音節の動詞がなくなった。
(「&ruby(う){得};→&ruby(え){得};る」「&ruby(ぬ){寝};→&ruby(ね){寝};る」など)
変化の仕方として、他の活用に寄せて いくように思われる。

>''「~する(~す)」の活用''
|~サ変としてのみ活用するもの|「する」「実行する」「びっくりする」「ジャンプする」など|
|~サ変とサ五のあいだでゆれているもの|「愛する」「属する」「達する」「反する」など|
|~サ変とサ上一のあいだでゆれているもの|「論ずる」「応ずる」「重んずる」「察する」など|
|~サ変とサ下一のあいだでゆれているもの|「進ずる」「魅する」の2語|
#br
|>|方言に見られる変化|h
|~[[サ変活用→上一段活用化>https://www2.ninjal.ac.jp/hogen/dp/gaj-pdf/gaj-map-legend/vol2/GAJ2-70.pdf]]|「する」を「シル」と言う。|
|~[[カ変活用→部分的な上一段活用化>https://www2.ninjal.ac.jp/hogen/dp/gaj-pdf/gaj-map-legend/vol2/GAJ2-83.pdf]]|「来(こ)ない」を「来(キ)ナイ」と言う。|
|~[[上一段活用→部分的な五段活用化>https://www2.ninjal.ac.jp/hogen/dp/gaj-pdf/gaj-map-legend/vol2/GAJ2-72.pdf]]|「起きない」を「起キラン」と言う。|
|~[[上一段活用→部分的な五段活用化>https://www2.ninjal.ac.jp/hogen/dp/gaj-pdf/gaj-map-legend/vol2/GAJ2-86.pdf]]|「見ろ」を「見レ」と言う。|

#br
ラ行変格活用だけが「イ段」で終わる。状態を表す動詞なので形容詞に寄せた?
[[韓国語>韓国語/朝鮮語]]も状態動詞は形が違う。

>''形容詞''
高い:語幹(高)+語尾(い)
高さ:語基(高)+接辞(さ)
#endregion
***第四講目の内容 [#kouki4]
***第五講目の内容 [#kouki5]
***第六講目の内容 [#kouki6]
***第七講目の内容 [#kouki7]
***第八講目の内容 [#kouki8]
***第九講目の内容 [#kouki9]
***第十講目の内容 [#kouki10]
***第十一講目の内容 [#kouki11]
***第十二講目の内容 [#kouki12]
***第十三講目の内容 [#kouki13]
***第十四講目の内容 [#kouki14]
***第十五講目の内容 [#kouki15]
}}
*コメント [#comment]
#pcomment(,reply,20,)



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