<a href="https://nichidaibunrigojokai.swiki.jp/index.php?cmd=related&page=%E6%96%87%E7%8C%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E5%AD%A6%E3%81%AE%E6%96%B9%E6%B3%95%28%E6%9D%89%E5%B1%B1%E4%BF%8A%E4%B8%80%E9%83%8E%29">文献日本語学の方法(杉山俊一郎)</a> の編集
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> 文献日本語学の方法(杉山俊一郎)
文献日本語学の方法(杉山俊一郎)
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***第十三講目の内容 [#dfe2c951]
''■[[日本語学の方法]]'' ''■文献日本語学の方法''|文献日本語学の方法(杉山俊一郎) ''■現代日本語学の方法1''|[[現代日本語学の方法(林直樹)]] ''■現代日本語学の方法2''|[[方言の研究(林直樹)]] #contents |BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c |BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):''分類''|''国文学科選択''| |区分|[[国文学科]]科目| |履修形態|一般(人数過多の場合は抽選)| |履修条件|二年生以上| |単位数|2| |講師|[[杉山俊一郎]]| |学位等|学士(文学)| *概要 [#Gaiyou] 主に上代から南北朝時代に成立した文献資料に見られる日本語の諸現象について、具体的な読解・解読作業を交えながら考察していく。 #br 特に教科書は使わない。毎回資料を配布する。 レポートが40%、授業内テスト(部分的な解読などについて)が20%、授業参画度(リアクションペーパーの提出)が40%。 #br この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP2,3,4,5及びカリキュラムポリシーCP2,3,4,5に対応している。 *講師の印象 [#Inshou] [[鈴木功眞]]の弟子。 話がちょっと面白い。 *令和八年度(2026年度) [#h81d5434] #style(class=submenuheader){{ **前期 [#a76e97fc] }} #style(class=submenu){{ |BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c |BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):授業形態|対面授業| |日程/教室|月曜日 二限目/3409教室(三号館四階九番教室)→3406教室(三号館四階六番教室)| 3409教室から3406教室に変更 ***第一講目の内容 [#m7d8b950] #region(事例1) ''事例1'' 「わたいたれば」の非音便形は、「わたしたれば」か「わたりたれば」か →音便に着目。「わたしたれば」である。 |音便|動詞|例文|h |イ音便|カ・ガ・サ行四段活用動詞の連用形「き」「ぎ」「し」|泣い給ふ| |ウ音便|ハ・バ・マ行四段活用動詞の連用形「ひ」「び」「み」|思うて| |撥音便|ナ・バ・マ行四段活用動詞の連用形「ひ」「び」「み」|従むて| |~|ナ行変格活用動詞の連用形「に」|死ンで| |~|ラ行四段活用動詞の連用形「り」+助動詞「ぬ」|終はンぬ| |~|ラ行変格活用動詞の連体形「る」+助動詞「なり」「めり」「べし」等|有ンなり| |促音便|タ・ハ・ラ行四段活用動詞の連用形「ち」「ひ」「り」|立ったり| |~|ラ行変格活用動詞の連用形「り」|はべッし| #endregion #region(事例2) ''事例2'' 「あるべうもなし」の意味は何か →古い辞書では「言ふまでもなし」「勿論なり」とあるが、以下2つは解釈が異なる >『日本国語大辞典第二版』 あるべうも無(な)し(「べう」は「べく」の変化した語)あるべきことではない。とんでもない。もってのほかである。 *平家物語〔13C前〕八・猫間「官加階したるものの、直垂(ひたたれ)で出仕せん事あるべうもなかりけりとて」 >『角川古語大辞典』 あるべうもなし「べう」は助動詞「べし」の連用形の音便。もってのほかだ。けしからぬ。制止する場合に用いる語。 例「有るべうもなし。あれ制せよ、者ども」〔保元物語・中〕 例「入道相国簾中より見出して、有べうもなしとの給へば」〔平家物語・二・西光被斬〕 #endregion #hr 授業では事例3は省略された。 ***第二講目の内容 [#j6d5f7af] 「音」には、実際の発音(音声)と、特定の言語話者の頭の中にある観念的な音(音韻)とがある。 前者を研究する学問分野を「音声学」といい、後者を研究する学問分野を「音韻論」という。 #br 「音」は種々の要素から作られる。 -声道の広さ(空気の流れ)と声帯の振動(有声音/無声音) -母音の区別→母音三角形(舌の位置、口の開き) -子音の区別 ||>|>|>|>|CENTER:調音点|h |調音法|両唇|歯茎|軟口蓋&br;歯茎|軟口蓋|声門|h |~破裂音|p&br;b|t&br;d||k&br;g|| |~破擦音|||ʧ||| |~摩擦音|φ|s&br;z|ʃ&br;ʒ||h| |~鼻音|m|n||ŋ|| |~弾き音||r|||| |~半母音|w||j|(w)|| |~母音|||i&br; c&br; a| u&br;o|| ※下に行くほど声道は広くなる。 ※母音は右に行くほど舌の位置が前になる。 ***第三講目の内容 [#nb7ad08a] ''&color(Red){第三講から3406教室で開講する。};'' #hr #region(比較言語学・対照言語学と文献日本語学) ''比較言語学・対照言語学と文献日本語学'' |~比較言語学|同系統の二つ以上の言語を比較し、それらの親族関係や言語史的関係などについて研究するもの。| |~対照言語学|同系統か否かを問わず、二つ以上の言語を対比してその相違を明確にとらえようとするもの。| 両方とも、いつ起こったかという問いには答えられない。 比較言語学は内的再建を通して昔の発音を突き止める。 例えば、ハ行は時代によってパ行→ファ行→ハ行というように変化した。 |~奈良時代|[p]| |~平安時代|[φ]| |~江戸時代|[h]| #br 発音について文献日本語学では文献から推測する。 例えば17世紀後半の黄檗唐音では、唇音性を有する漢字音にフワン(方)・フワ(法)・フワツ(発)のようにフの仮名を付しており、 今日のように/フ/をのぞくハ行子音から唇音性が消えていたことが推測される。 #endregion ***第四講目の内容 [#p8096312] #region(話し言葉・書き言葉) ''話し言葉・書き言葉'' 言語学者はまず話し言葉のことを考える。言語史についても、話し言葉の歴史が中心となる。 #br 話し言葉は変化しやすく、書き言葉はしにくい。 年月が経つごとに話し言葉と書き言葉は分かれていく。⇨言文二途 日本語は明治時代に言文一致を果たした。 |>|>|CENTER:言葉|h |CENTER:話し言葉|>|CENTER:書き言葉| |~|CENTER:口語体|CENTER:文語体| #br 言文二途によって話し言葉と書き言葉の差が大きくなると、話し言葉の抽出は難しくなる。 また、録音資料が残っていない限り、過去の話し言葉そのものは直接知ることができないので、 書き言葉の中から出来るだけ話し言葉的な要素を含むと考えられるもの(語形が分かるもの、口語体で書かれたもの)を選ぶ必要がある。 #br //文献の中から当時の話し言葉を抽出し得るのか。 室町時代以降、話し言葉的な要素を含む資料が徐々に増えてくる。 平安期の話し言葉的な要素の抽出は恐らく無理 #endregion ***第五講目の内容 [#g1ccaeb7] 地域や職業の差 →位相 室町時代には、俗語が普通の言葉とされるようになった。 #region(話し言葉の抽出) ''話し言葉の抽出'' 当時の言語観が分かる記述や言語分析の記述も踏まえて、文献上での現れ方を照合・確認する。 前後の時代における使用実態との比較対照から、「その時代らしさ」を記述する。 (例:⋯たり⋯たり→「たり」の並列助詞的用法) 会話文や物語内の心の段から抽出 |~広義の時代語|その時代に見られる全て| |~狭義の時代語|その時代らしいもの| #br //特定の文献における口語性の強弱や、口頭語の文体への近さの指摘だけでは、成果は結実しがたい。 //文献の口語性の強さについての数値的情報の提供など不可能である以上、 //一つの文献の検討だけで終えることなく、その類の文献について、まとまった資料としての情報を提供し、 //討議を重ねることが、この先もまだまだ必要とされるところである。 書き言葉の中から話し言葉的要素をピックアップし、繋ぎ合わせていくだけでは言語史の記述として十全なものにはならない。 近世以前の言語資料は基本的に「書き言葉」しか残されていないのだから、 記述の態度として、「書き言葉」の中の「話し言葉」という視点が重要では? #br 日本語史研究は、「書き言葉」を含むことばの位相への目配りが欠かせない段階(複眼的・多層的な日本語史)に来ている。 #endregion ***第六講目の内容 [#vb302906] #region(言語量と表現内容) ''言語量と表現内容'' 資料の見方⋯「誰が」「何のために」「どういう環境で」 #br 個人言語(個人的な言回しや文体)の可能性を減らすために、 過去の言語体系を復元するには量と質を確保する必要がある。 量:資料の数,記述の量 質:内容の豊かさ #br 量と質はどのように計測するのか?⇨TBGやCHJという規準がある。 これらに基づいて異なり語数と延べ語数とを調べる。 |~異なり語数|自立語を数える。ただし、(多義語や同音異義語を除けば)同じ語は二度数えない。| |~延べ語数|全ての単語を数える。| 語数が多く、望ましいものを示準文献という。 // ある時代の言語事象を調べるときには、なるべく量と質とが充実した文献から当たり、 //その使用状況を細かく確認していくのが良い。 // ただし、言語量の少ない時代では(個別資料の資料性を加味しなければならない問題や、調査研究の時間などの問題もあるが) //できるだけ網羅的に調べる必要がある。 #br こうして集計した結果を考察すると、地域や社会(男女など)の差があると判る。 |違い|平安時代の例|h |~地域|古典語では、命令形に「よ」のかたちが現れ、「ろ」のかたちは見られない。&br;しかし、これは、平安時代の資料が〔京都方言〕に偏っているためである。&br;『万葉集』には「よ」のかたちとともに、東国方言が反映されている箇所に「ろ」のかたちが使用されている。| |~男女|男は漢語を多く遣い、女は少なめである。| |~年齢|幼い子供の発言は短めで、文法の誤りがあることも⇨仮想性| #endregion ***第七講目の内容 [#rb7375eb] #region(仮想言語(役割語)) ''仮想言語(役割語)'' ある特定の言葉遣い(語彙・語法・言い回し・イントネーション等)を聞くと 特定の人物像(年齢、性別、職業、階層、時代、容姿・風貌、性格等)を思い浮かべることができる時、 あるいはある特定の人物像を提示されると、その人物がいかにも使用しそうな言葉遣いを思い浮かべることができる時、 その言葉づかいを「役割語」と呼ぶ。(金水敏) #br こうした仮想言語はヴァーチャル言語とも言われ、 [[田中ゆかり]]氏はヴァーチャル方言(方言コスプレ)を提唱したことで知られる。 #br 文献日本語学では敬語に着目して仮想言語(役割語)を発見する。 |>|>|CENTER:敬語の分類|h |2分類|3分類|5分類(文科省推奨)|h |素材敬語|尊敬語|尊敬語| |~|謙譲語|謙譲語Ⅰ(A)| |~|~|謙譲語Ⅰ(B)| |~|~|謙譲語Ⅱ(丁重語)| |対者敬語|丁寧語|丁寧語| |~|~|美化語| 五つに分類する方法は、文部科学省が推奨しているものの、 古文を教えるには三つに分類する方法で事足りるので、あまり普及していない。 #br 「平安時代=はべり,鎌倉時代=そうろう」と敬語の移り変わりがあった。 鎌倉時代の文献に出てくる平安時代の幽霊は「はべり」を使う。(役割語) #endregion ***第八講目の内容 [#xa034bf7] >''[[日本語史]]研究の着眼点'' -一般的な流れに修正を迫るデータか -一般的な流れとは少し違う傾向を示すデータか(周辺的・例外的) ある語を調べる場合、辞書やインターネットで概要を把握した後、実例を調べる。 ***第九講目の内容 [#q5fec286] #region(言語の年代性) ''言語の年代性'' 文章は、それ以前に成立している言語によって書かれる(談話も同じ)。 よって、言語年代がその文献が書かれた年代(成立年代・書写年代)よりも新しくなることはない。 一方、写本では、文献が書承される過程で成立年代よりも新しい言語事象(成立時には存在しない言葉)が混入し得る。 従って、今見ている写本の言語年代は、書写年代よりも古いことは言えるが、成立年代よりも古いとは必ずしも言えない。 ⇨慎重に現象を分析しようとする姿勢が大切。 #br 原典は実存せず、写本には原典の誤写や書き換えがあるため、 昔の言葉を復元しようとする時には、写本の分類、本文異同の確認が必要。 |~本文整定(校合)|古典などの複数の写本や伝本を比較・検討し、最も信頼できる本文を決定する作業| |~本文淵源|ある特定のテキストが成立するまでの歴史的な源流| 池田亀鑑は源氏物語の本文整定を行った。 #br 異同を取り除き、校本を作る。(まだ確定ではない。) 他の文と照らし合わせて矛盾しないと確認してから採用する。 #endregion ***第十講目の内容 [#y91b5b73] #region(訓点資料と日本語史研究) ''訓点資料と日本語史研究'' 仮名遣いの乱れは、仮名と音との対応関係が崩れたときに生ずる。 仮名遣いの乱れから、音変化の時期が推定できる。 表記は変化しやすく、当該の現象がいつからあったのかを書写年次より前に遡れない。 #br -語頭(第一音節) |900年代|1000年代|1100年代|1200年以降|h |BGCOLOR(#D6DFFF):お(o)|BGCOLOR(#D6DFFF):1000年代中頃にoがwoになる。|BGCOLOR(#D6DFFF):wo|BGCOLOR(#D6DFFF):wo| |BGCOLOR(#D6DFFF):を(wo=ワ行の「お」)|~|~|~| |BGCOLOR(#FFFFD2):江(je=ヤ行の「え」)|BGCOLOR(#FFFFD2):1000年代にeがjeになる。|BGCOLOR(#FFFFD2):je|BGCOLOR(#FFFFD2):1200年以降にweがjeになる。| |BGCOLOR(#FFFFD2):え(e)|~|~|~| |BGCOLOR(#FFFFD2):ゑ(we=ワ行の「え」)|BGCOLOR(#FFFFD2):we|BGCOLOR(#FFFFD2):we|~| |BGCOLOR(#FFD2E8):い(i)|BGCOLOR(#FFD2E8):i|BGCOLOR(#FFD2E8):i|BGCOLOR(#FFD2E8):1200年以降にwiがiになる。| |BGCOLOR(#FFD2E8):ゐ(wi=ワ行の「い」)|BGCOLOR(#FFD2E8):wi|BGCOLOR(#FFD2E8):wi|~| -語中・語尾(第二音節以下) //1000年代中頃に第二音節以下のワ行(w)とハ行(ɸ)の区別が曖昧になった。 語中・語尾のハ行音がワ行音に変化する現象(ハ行転呼音)は、 だいたい一〇世紀後半から一一世紀にかけて一般化した現象であると考えられている。 |>|変化前|変化後|h |ワ行(w)|ハ行(ɸ)|~|h |わ(wa)|は(ɸa)|~wa| |を(wo)|~|~wo| |ゐ(wi)|ひ(ɸi)|~wi| |う(u)|ふ(ɸu)|~u| |ゑ(we)|へ(ɸe)|~we| また、1100年代中頃に語中・語尾のweとwiはそれぞれjeとiに変わった。 #br [[中国語]]文の構造を維持しながら日本語文に変換するために付けた文字・符号の総称を訓点という。 加点された資料は訓点資料と呼ばれる。また、訓読されてできあがった日本語文を漢文訓読文という。 和文と比べて加点年代が明らかになったため、仮名字体(表記)や表記の背後にある音の歴史を明らかにするのに優れている。 #br 訓点資料、およびそれと関係の深い漢字片仮名交り文は、加点・書写された当時のものが数多く現存しており、 その中には加点・書写の年代が特定できるものも少くない点で、国語資料の中でも信頼度の高いものである。 故に、訓点資料は、仮名字体の変遷解明を目的とした研究の活用から始まり、 その表記の背後にある音声・音韻の研究や、語彙・文法の研究、 さらには漢文訓読文そのものに注目した研究(訓点の系統、訓読の変遷、文法・文体)へと活用範囲が拡大、進展。 #br -著名な研究者 --大矢透 --築島裕 --大坪併治 #br #br 和文と漢文訓読文の間で、単語だけでなく、構文レベルでも異なる表現形式がある。 和文特有語⇔漢文訓読特有語 >''翻訳文法'' 漢文訓読文特有の言い回しが固有日本語文に影響を与えた。 漢文訓読語の存在は、和文語と異なる位相の語があったことを示している点で重要。 ただし、それら漢文訓読語の使用は原漢文の構造に縛られている点で、必ずしも自然な日本語とは言えないことに注意が必要。 -訓点資料の基本的問題 大坪併治「石山寺の経蔵に千年収蔵されてゐた間の傷みよりも、戦後の五十年間の痛みの方が甚だしい。……」 #endregion ***第十一講目の内容 [#yd47042c] #region(漢字と古辞書) ''漢字と古辞書'' 古代日本に文字はなかった。 蓋し聞く、上古の世、未だ文字有らざるとき、.... 『古語拾遺』の記述 >''神代文字・ヲシテ文字等'' これらは誤り 否定される理由: --主張する人によって文字が違う。 --上代の音韻などが反映されていない。 >''訓読'' 「訓」の考え方は古代朝鮮半島から伝えられたもので、日本で創始されたものではない。 借訓字も、日本に先行して古代朝鮮半島での使用があるようであるが、 沖森卓也『[[日本古代の文字と表記>https://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b34742.html]]』では、こちらは朝鮮三国からあえてその方法を学んだのではなく、 自然発生的なものだろうと述べられている。 #br #br 『日本書紀』(巻一〇・応神天皇)に&ruby(わにきし){和邇吉師};が論語十巻・千字文一巻を献上したことが書かれている。 文献によれば、漢字の伝来は四世紀後半~五世紀初頭頃か。 #br 上の記述に従えば、「王仁」の来日以前に既に文書を目にしていたと言えるから、漢字の輸入と言った方が適当か。 また、漢字は文章を書くためのものなので、漢字=漢文の輸入でもある。 漢字・漢文の輸入にあたって、人が渡来していることも注意。 #br 一世紀頃には漢字が記された物が出土するが、文字として使われたか疑わしい。 装飾として用いたと見られる。([[外人が変な漢字の服を着ている>https://jp.pinterest.com/pin/226939268712751463/]]のと同じ) 稲荷山古墳出土鉄剣(五世紀:四七一年)に漢字を用いた文章が現れる。 ⇨出土品によれば、漢字の使用は五世紀頃 #br 四世紀末から五世紀初頭頃に本格的な漢文作成が開始されたことはどのような背景によるものであろうか。 それは国家の形成にとって文書や記録の作成が不可欠であったからであり、 そのために漢字が本格的に移入されねばならなかったということである。 #br 『日本書紀』(巻二五・孝徳天皇)には高い漢文能力を持つ非渡来人の出現が示唆されている。 六世紀頃と見られる出雲岡田山古墳出土品には、 「各田卩臣」(額田部臣)のように訓字の使用が見られる。→借訓字 六〇六年または六六六年(七世紀)の菩薩半跏像に、敬語補助動詞「奏」がある点に注意(和化漢文) #br 漢字に訓読の注記が当てられるようになる。 また、読経の記録として「音」の他に「訓」の表示がある。→部分訓ではなく、体系的な訓読 ここからは、漢字に対する和語との対応関係が考えられていることが窺える。 #br 漢文を訓読する営為を通じて、漢字と日本語(訓読み)の関係を纏めた辞書が生まれた。 //漢文を訓読する営為を通じて、個々の漢語に該当する和語を集めた漢字字書(古辞書)が成立する。 以降、読むための字書、書くための字書など多様化していく。 これらは、基本的には漢字・漢語の読み方(書き方)を示すものであるが、 漢字・漢語に対応する和語による解説という側面も有することから、語義解釈を示すものとしても機能している。 |~類聚名義抄|読むための辞書| |~色葉字類抄|書くための辞書| |>|発音の表示の仕方|h |類音表示|似た音の漢字で示す。| |反切表示|反切上字で「声母」(頭子音)を示し、反切下字で「韻母」(頭子音以外の音)を示す。| //原撰本。音注、義注、和訓などを出典とともに示す。 図書尞本:零本だが改編本と比べることで、和訓の出自など、さまざまな情報を得ることができる。 #endregion ***第十二講目の内容 [#n13c10b0] ***第十三講目の内容 [#dfe2c951] ***第十四講目の内容 [#r98d58f9] ***第十五講目の内容 [#uf39a0e2] }} *コメント [#comment] #pcomment(,reply,20,)