<a href="https://nichidaibunrigojokai.swiki.jp/index.php?cmd=related&page=%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E3%81%A8%E8%B1%8A%E3%81%8B%E3%81%AA%E4%BA%BA%E9%96%93%E6%80%A7%28%E4%BD%90%E5%B7%9D%E7%A5%90%E5%AD%90%29">読書と豊かな人間性(佐川祐子)</a> の編集
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> 読書と豊かな人間性(佐川祐子)
読書と豊かな人間性(佐川祐子)
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***第二講目の内容 [#o87b207a] #region(児童サービスの歴史) ''児童サービスの歴史'' >''英米の児童サービス(児童図書館)のはじまり'' |年|児童サービス|子どもの本|h |1861|(英)マンチェスターの図書館に子ども専用の読書室を開設|| |1865||(英)『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル)| |1868||(米)『若草物語』(ルイザ・メイ・オルコット)| |1875|(米)キャロライン・M.ヒューインズ、&br;コネチカット州ハートウォード市青少年図書館に就任|| |1877|(米)ロードアイランド州ポータケット図書館で、&br;M.サンダースが 14 歳以下の子どもにサービスを開始|| |1892|(米)ハートウォード公共図書館が無料で公開され、年齢制限を撤廃|| |1900|(米)アメリカ図書館協会に児童図書館部会発足|(米)『オズの魔法使い』(ライマン・フランク・ボーム)| |1902||(英)『ピーターラビットのおはなし』(ビアトリクス・ポター)| |1906|(米)アン・キャロル・ムーア、ニューヨーク公共図書館児童奉仕部長となる。&br;→児童図書館員の専門的な訓練と職階制の導入|| |1911|(英)『児童図書館』(セイヤーズ)|(英)『ピーターパンとウェンディ』(ジェイムズ・マシュー・バリ)| |1922|(米)ニューベリー賞創設(児童文学賞)|| |1926|(英)アイリーン・コルウェル、ヘンドン図書館の児童図書館員に|(英)『くまのプーさん』(A.A.ミルン)| |1936|(英)カーネギー賞創設(児童文学賞)|(英)『チムとゆうかんなせんちょうさん』(エドワード・アーディゾーニ)| |1956|(英)『子どもと本の世界に生きて 図書館員のあゆんだ道』&br;(コルウェル. 日本図書館協会.1974./こぐま社.1994)|(米)『どろんこハリー』(マーガレット・ブロイ・グレアム)| |1957|(英)『児童のための図書館奉仕』(マッコルビン.日本図書館協会. 1973)|| >''日本の児童サービス(児童図書館)のはじまり'' |年|児童サービス|子どもの本|h |1887|大日本教育会附属書籍館に児童図書室設置、小学部を設けて公開|| |1891||『こがね丸』(巌谷小波)| |1902|私立大橋図書館開館、1926 年に児童室を設置し、&br;12歳以上の児童生徒に閲覧させ、お話会、映画会などを行う。|| |1903|山口県立図書館開館、児童閲覧室を設置(館長・佐野友三郎)|| |1904|大阪府立図書館に少年閲覧室を開設|| |1905|京都府立図書館に児童図書室を開設(館長・湯浅吉郎)|| |1908|東京市立日比谷図書館開館、児童室を設置&br;→1915年までに市立図書館19館を設立、児童サービスを実施|| |1918|今澤慈海・竹貫直人『児童図書館の研究』(博文館)|雑誌『赤い鳥』創刊| |1945~|GHQにより、全国にCIE図書館設置、児童コーナーで児童サービスを([[英語]]と[[日本語]]で)実施|| |1950|図書館法制定、「児童に対する図書館奉仕」が司書科目の必修に|「岩波少年文庫」創刊(岩波書店)| |1953|児童図書館研究会発足&br;学校図書館法制定|絵本シリーズ「岩波の子どもの本」創刊(岩波書店)| |1956|日本図書館協会に児童図書館分科会設立|月刊雑誌「こどものとも」創刊(福音館書店)| |1963|『中小都市における公共図書館の運営』(中小レポート)刊行(日本図書館協会)|| |1965|日野市立図書館、移動図書館ひまわり号運行開始、児童書の貸出増加|石井桃子『子どもの図書館』(岩波書店)刊行| |1967||『ぐりとぐら』(中川李枝子、大村百合子)| |1968|司書科目「児童に対する図書館奉仕」(必修)が「青少年の読書と資料」(選択)に|| |1970|『市民の図書館』(日本図書館協会)刊行、児童サービスの充実を重点目標に&br;→児童室の増加|| |1974|東京子ども図書館発足|『おしいれのぼうけん』(古田足日)| |1978||『それいけズッコケ3人組』(那須正幹)| |1980|児童図書館員養成講座開始(日本図書館協会)|『キャベツくん』(長新太)| |1986|国際図書館連盟(IFLA)、国際児童図書評議会(IBBY)の大会が東京で開催される。&br;→子どもの本、文庫について世間の注目が集まる。&br;小河内芳子『子どもの図書館の運営』(日本図書館協会)刊行|| |1993|「子どもの本と出会いの会」発足(~2001)&br;「子どもと本の議員連盟」結成&br;学校図書館図書標準|| |1997|司書課程「児童サービス論」必修化&br;「学校図書館法」改正、12 学級以上の学校に司書教諭配置(2003~)|| |2000|子ども読書年&br;国立国会図書館国際子ども図書館部分開館(2002 全面開館)|| |2001|「子どもの読書活動の推進に関する法律」制定&br;ブックスタート開始|| |2002|「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」策定|| |2005|「文字・活字文化振興法」公布|| |2013|「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律」(障害者差別解消法)&br;公布(2016年施行、2024年改正)|| |2014|「学校図書館法」一部改正→学校司書を置くよう努める。|| |2016|学校図書館ガイドライン(文部科学省)|| |2019|「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)公布|| #br |~明治~第二次世界大戦|日本の児童サービス(児童図書館)のはじまり&br;子どもと大人の読書の分化、図書館児童室の設置| |~第二次世界大戦後|児童サービスの再開、アメリカ流の児童サービスの影響、読書普及運動| |~1960~70年代|児童サービスの本格化&br;全国の公共図書館に児童サービスが普及| |~1980~90年代|児童サービスの発展&br;子どもに対する読書振興が国や自治体の政策課題としてとりあげられる。| |~2000年代|子どもの読書活動推進に関する法の整備、計画化| #endregion #region(子ども読書活動推進計画) ''子ども読書活動推進計画'' >''[[子どもの読書活動推進に関する基本的な計画(国)>https://www.kodomodokusyo.go.jp/happyou/hourei.html]]'' ・子どもの読書活動の推進に関する法律に基づき、おおむね5年間を計画期間として策定 ・第5次…子供の読書活動推進に関する有識者会議による議論を経、令和5~9年度の読書活動推進に関する基本方針と具体的方策を明らかにする。 -①基本的方針 ・不読率の低減(小学生2%以下、中学生8%以下、高校生26%以下) ・多様な子どもたちの読書機会の確保 ・デジタル社会に対応した読書環境の整備 ・子どもの視点に立った読書活動の推進 …こども基本法(令和5年施行) -②子どもの読書活動の推進方策 |基本的方針|地域(図書館)での主な取組|学校等での主な取組|h |多様な子どもたちの読書機会の確保|アクセシブルな電子書籍・書籍等(点字資料等)の整備・提供&br;多言語・やさしい日本語による利用案内|特別支援学校を含めた学校図書館資料の整備&br;多様な背景を持つ子どもへの読書機会の場の提供| |デジタル社会に対応した読書環境の整備|電子書籍貸出サービス、デジタルアーカイブの充実|1人1台端末の活用(学校図書館システム等とのリンク等)&br;電子書籍貸出サービスの導入(図書館の電子書籍貸出サービス等との連携)| |子どもの視点|イベント等への企画段階からの子どもの参画&br;子どもの要望を取り入れた資料・環境整備|子どもの意見聴取の機会の確保&br;図書委員等の子どもの学校図書館の運営への主体的な参画| >''自治体の「子ども読書活動推進計画」'' -①策定率 「都道府県及び市町村における子ども読書活動推進計画の策定状況について」(令和7年9月22日) |>|令和6年度末時点での策定率|h |都道府県|100%(平成18年度末までに策定済)| |市|98.8%| |町村|80.9%| -②[[東京都「第五次子ども読書活動推進計画」(令和8年度~12年度)>https://www.kodomo-dokusho.metro.tokyo.lg.jp/tmg/wp-content/uploads/user/keikaku/keikaku5.pdf]] -③[[杉並区子ども読書活動推進計画(令和6年度~8年度)>https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/fs/9/9/5/_/consultation_f09_kodomo_r6_r8_plan.pdf]] #endregion #region(テストの回答) ''テストの回答'' +1906年、アン・キャロル・ムーアは[ニューヨーク]公共図書館の児童奉仕部長に就任し、児童図書館員の[専門的な訓練]と職階制の導入を行った。 +1903年、[山口]県立図書館が開館、児童閲覧室を設置し、[無料公開]、12歳以下の子どものための公開書架の実施などを行った。 +戦後、GHQが全国各地に[CIE図書館]を開設し、アメリカの児童サービスを示した。 +1953年、[学校図書館法]の制定により、学校図書館の設置が義務付けられた。 +1965年、日野市立図書館は移動図書館[ひまわり号]の運行を開始し、[児童書を中心とした貸出数]が驚異的に増加した。 +国立国会図書館国際子ども図書館の建物は、旧[帝国図書館]である。 +国の「第五次子どもの読書活動推進に関する基本的な計画」の基本方針は、 [不読率の低減]、多様な子どもたちの読書機会の確保、デジタル社会に対応した読書環境の整備、子どもの視点に立った読書活動の推進である。 #endregion
''■[[読書と豊かな人間性]]'' #contents |BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c |BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):''分類''|''司書教諭必修・司書必修''| |区分|[[司書教諭課程>司書教諭コース/司書教諭課程]]科目,[[司書課程>司書コース/司書課程]]科目| |履修形態|一般(人数過多の場合は抽選)| |履修条件|二年生以上| |単位数|2| |講師|[[佐川祐子]]| |学位等|学士| *概要 [#Gaiyou] [[司書教諭課程>司書教諭コース/司書教諭課程]]と[[司書課程>司書コース/司書課程]]の必修科目。 [[司書教諭課程>司書教諭コース/司書教諭課程]]は必修5科目のみ。 これに加えて[[情報メディアの活用]]と[[学校図書館についての3科目>学校図書館についての科目 一覧]]を修得すれば終わり。 #br 教科書なし。但し、場合によって課題図書を買う必要あり。 レポート(2回)が60%、授業内テストが15%、授業参画度が25% #br この科目は文理学部のディプロマポリシーDP5,DP6及びカリキュラムポリシーCP5,CP6に対応している。 *講師の印象 [#Inshou] 学生を指すときは、後ろの学生を選ぶ。 絵本の読み聞かせが上手。 *令和八年度(2026年度) [#h81d5434] #style(class=submenuheader){{ **前期 [#l90ee17d] }} #style(class=submenu){{ |BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c |BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):授業形態|対面授業| |日程/教室|木曜日 四限目/3408教室(三号館四階八番教室)| 授業によっては絵本の読み聞かせが大半 ***第一講目の内容 [#ec55b6e6] 第15期中央教育審議会第一次答申「21 世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(1996) →https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chuuou/toushin/960701.htm #region(読書の目的や意義) ''読書の目的や意義'' >''「子どもの読書活動の推進に関する法律(平成13年法律第154号)」第二条'' 子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ)の読書活動は 子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、 人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものであることにかんがみ、 すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、 積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。 >''『脳を創る読書』酒井邦嘉著 実業之日本社(じっぴコンパクト文庫)2017'' -印刷された文字を見る。(視神経) →脳の視覚野に入る。 →脳の中だけの「音」に変えられる。 →記憶との照合により自動的に単語や文法要素(てにをは)が検索される。 →言語野へ送られ、単語の意味や文法を分析する。 →読むという行為が言語と結びつく。 -文字だけでは、受け取る情報量が少ない →足りない情報を想像力で補って、曖昧なところを解決しながら自分のものにしていく。 →読書量が多ければ多いほど、言語能力が鍛えられる。 >''『デジタル脳クライシス AI時代をどう生きるか』酒井邦嘉著 朝日新聞出版 (朝日新書 972)2024'' ・読書を通して、言葉の意味を補う「想像力」が自然に高められる。 ・読書を通して思索にふけることで、自分の言葉で「考える力」が自然と身に付く。 ・読書を通して脳が実際に変化し成長する。 ・読書体験が整理され、活用のできる経験や知恵として記憶される。 ・読書という能動的な経験は記憶の蓄積など脳の働きに変化をもたらし、日々の成長を促す。 >''『読む力は生きる力』脇明子著 岩波書店 2005'' ・思考力 ・想像力=その場にないものを思い浮かべる能力(もの、人間の感覚、感情、考え)、この先起こりうることを予測する力 ・記憶力 ・自己認識力(自分自身の行動や心の動きを多少とも客観的、批評的に観察する力)と自己制御力→10歳前後に急速に発達する力 ・書き言葉を読み書きする力(⇔話し言葉) …読むだけで伝わる、正確な言葉遣い、豊富な語彙→ものを考える道具になる(心の中で言葉を使う) ・全体を見渡して論理的に考える力 …読むという間接体験により、実体験ではつかみにくい全体像を見渡すことができる。 #endregion #region(読書興味の発達段階) ''読書興味の発達段階'' -''阪本一郎'' 子どもが各々の年齢段階で比較的多く読んでいる読み物を調査 昔話期、寓話期、童話期、物語期、伝記期、文学期、思索期の7段階に分けた。 -''松岡享子'' 子どもたちの読書興味は4段階を経て発達する。 子どもがみなこの順序、この段階で本を読んでいくというわけではなく、それぞれの時期は重なり合っている。 |~第1段階&br;0~3、4歳|>|韻律のある物語や詩(わらべうた)を喜ぶ時期| |~|0、1歳|体の動きをともなった簡単なことばと旋律の繰返しを楽しむ。| |~|3、4歳|言葉だけのもの、長くて物語の萌芽が見られるものなどを喜ぶ。| |~第2段階&br;3、4〜5、6歳|>|生活に根ざした現実的な物語を楽しむ時期&br;身のまわりで見聞きするものが出てくるお話、自分の体験に近いお話&br;→自分の知っているものを鍵に、想像の世界へ踏み込んでいく。| |~第3段階&br;4、5〜12、13歳|>|空想的な物語を楽しむ時期| |~|4、5~8、9歳|空想的な物語への興味が芽生え、育つ時期 …昔話| |~|8、9~12、13歳|本格的なファンタジーを楽しむ時期| |~第4段階&br;11、12〜15、16歳|>|神話、伝説、英雄物語などに興味を示す時期&br;→社会について「なぜ?」と考え、自分の生き方のお手本となるロールモデルを求める時期 …伝記など| -''野口武悟'' 昔話、寓話、伝記などへの興味はかなり低くなっている。 現在の子どもたちの読書興味は著しく平板化している。 #endregion >''レポート①について'' |~課題|「子ども時代の読書と図書館利用の体験」について| |~字数|1200字~1600字| |~提出の締め切り|5月21日(木)| |~提出方法|テキスト入力または別ファイルで作成したものを添付| +子ども時代(乳幼児から高校生くらいまで)の読書について、どんな本を読んでいたのか等を、具体的に記述。 (例えば、家庭等での読み聞かせの体験、自分で読むようになったきっかけ、友人の影響など) +公共図書館、学校図書館の利用体験について、それぞれ書く。 「あまり本を読まなかった」「図書館を利用していない」場合には、なぜ読まなかったか、図書館を利用しなかったか、その理由や原因を考察。 ***第二講目の内容 [#o87b207a] #region(児童サービスの歴史) ''児童サービスの歴史'' >''英米の児童サービス(児童図書館)のはじまり'' |年|児童サービス|子どもの本|h |1861|(英)マンチェスターの図書館に子ども専用の読書室を開設|| |1865||(英)『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル)| |1868||(米)『若草物語』(ルイザ・メイ・オルコット)| |1875|(米)キャロライン・M.ヒューインズ、&br;コネチカット州ハートウォード市青少年図書館に就任|| |1877|(米)ロードアイランド州ポータケット図書館で、&br;M.サンダースが 14 歳以下の子どもにサービスを開始|| |1892|(米)ハートウォード公共図書館が無料で公開され、年齢制限を撤廃|| |1900|(米)アメリカ図書館協会に児童図書館部会発足|(米)『オズの魔法使い』(ライマン・フランク・ボーム)| |1902||(英)『ピーターラビットのおはなし』(ビアトリクス・ポター)| |1906|(米)アン・キャロル・ムーア、ニューヨーク公共図書館児童奉仕部長となる。&br;→児童図書館員の専門的な訓練と職階制の導入|| |1911|(英)『児童図書館』(セイヤーズ)|(英)『ピーターパンとウェンディ』(ジェイムズ・マシュー・バリ)| |1922|(米)ニューベリー賞創設(児童文学賞)|| |1926|(英)アイリーン・コルウェル、ヘンドン図書館の児童図書館員に|(英)『くまのプーさん』(A.A.ミルン)| |1936|(英)カーネギー賞創設(児童文学賞)|(英)『チムとゆうかんなせんちょうさん』(エドワード・アーディゾーニ)| |1956|(英)『子どもと本の世界に生きて 図書館員のあゆんだ道』&br;(コルウェル. 日本図書館協会.1974./こぐま社.1994)|(米)『どろんこハリー』(マーガレット・ブロイ・グレアム)| |1957|(英)『児童のための図書館奉仕』(マッコルビン.日本図書館協会. 1973)|| >''日本の児童サービス(児童図書館)のはじまり'' |年|児童サービス|子どもの本|h |1887|大日本教育会附属書籍館に児童図書室設置、小学部を設けて公開|| |1891||『こがね丸』(巌谷小波)| |1902|私立大橋図書館開館、1926 年に児童室を設置し、&br;12歳以上の児童生徒に閲覧させ、お話会、映画会などを行う。|| |1903|山口県立図書館開館、児童閲覧室を設置(館長・佐野友三郎)|| |1904|大阪府立図書館に少年閲覧室を開設|| |1905|京都府立図書館に児童図書室を開設(館長・湯浅吉郎)|| |1908|東京市立日比谷図書館開館、児童室を設置&br;→1915年までに市立図書館19館を設立、児童サービスを実施|| |1918|今澤慈海・竹貫直人『児童図書館の研究』(博文館)|雑誌『赤い鳥』創刊| |1945~|GHQにより、全国にCIE図書館設置、児童コーナーで児童サービスを([[英語]]と[[日本語]]で)実施|| |1950|図書館法制定、「児童に対する図書館奉仕」が司書科目の必修に|「岩波少年文庫」創刊(岩波書店)| |1953|児童図書館研究会発足&br;学校図書館法制定|絵本シリーズ「岩波の子どもの本」創刊(岩波書店)| |1956|日本図書館協会に児童図書館分科会設立|月刊雑誌「こどものとも」創刊(福音館書店)| |1963|『中小都市における公共図書館の運営』(中小レポート)刊行(日本図書館協会)|| |1965|日野市立図書館、移動図書館ひまわり号運行開始、児童書の貸出増加|石井桃子『子どもの図書館』(岩波書店)刊行| |1967||『ぐりとぐら』(中川李枝子、大村百合子)| |1968|司書科目「児童に対する図書館奉仕」(必修)が「青少年の読書と資料」(選択)に|| |1970|『市民の図書館』(日本図書館協会)刊行、児童サービスの充実を重点目標に&br;→児童室の増加|| |1974|東京子ども図書館発足|『おしいれのぼうけん』(古田足日)| |1978||『それいけズッコケ3人組』(那須正幹)| |1980|児童図書館員養成講座開始(日本図書館協会)|『キャベツくん』(長新太)| |1986|国際図書館連盟(IFLA)、国際児童図書評議会(IBBY)の大会が東京で開催される。&br;→子どもの本、文庫について世間の注目が集まる。&br;小河内芳子『子どもの図書館の運営』(日本図書館協会)刊行|| |1993|「子どもの本と出会いの会」発足(~2001)&br;「子どもと本の議員連盟」結成&br;学校図書館図書標準|| |1997|司書課程「児童サービス論」必修化&br;「学校図書館法」改正、12 学級以上の学校に司書教諭配置(2003~)|| |2000|子ども読書年&br;国立国会図書館国際子ども図書館部分開館(2002 全面開館)|| |2001|「子どもの読書活動の推進に関する法律」制定&br;ブックスタート開始|| |2002|「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」策定|| |2005|「文字・活字文化振興法」公布|| |2013|「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律」(障害者差別解消法)&br;公布(2016年施行、2024年改正)|| |2014|「学校図書館法」一部改正→学校司書を置くよう努める。|| |2016|学校図書館ガイドライン(文部科学省)|| |2019|「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)公布|| #br |~明治~第二次世界大戦|日本の児童サービス(児童図書館)のはじまり&br;子どもと大人の読書の分化、図書館児童室の設置| |~第二次世界大戦後|児童サービスの再開、アメリカ流の児童サービスの影響、読書普及運動| |~1960~70年代|児童サービスの本格化&br;全国の公共図書館に児童サービスが普及| |~1980~90年代|児童サービスの発展&br;子どもに対する読書振興が国や自治体の政策課題としてとりあげられる。| |~2000年代|子どもの読書活動推進に関する法の整備、計画化| #endregion #region(子ども読書活動推進計画) ''子ども読書活動推進計画'' >''[[子どもの読書活動推進に関する基本的な計画(国)>https://www.kodomodokusyo.go.jp/happyou/hourei.html]]'' ・子どもの読書活動の推進に関する法律に基づき、おおむね5年間を計画期間として策定 ・第5次…子供の読書活動推進に関する有識者会議による議論を経、令和5~9年度の読書活動推進に関する基本方針と具体的方策を明らかにする。 -①基本的方針 ・不読率の低減(小学生2%以下、中学生8%以下、高校生26%以下) ・多様な子どもたちの読書機会の確保 ・デジタル社会に対応した読書環境の整備 ・子どもの視点に立った読書活動の推進 …こども基本法(令和5年施行) -②子どもの読書活動の推進方策 |基本的方針|地域(図書館)での主な取組|学校等での主な取組|h |多様な子どもたちの読書機会の確保|アクセシブルな電子書籍・書籍等(点字資料等)の整備・提供&br;多言語・やさしい日本語による利用案内|特別支援学校を含めた学校図書館資料の整備&br;多様な背景を持つ子どもへの読書機会の場の提供| |デジタル社会に対応した読書環境の整備|電子書籍貸出サービス、デジタルアーカイブの充実|1人1台端末の活用(学校図書館システム等とのリンク等)&br;電子書籍貸出サービスの導入(図書館の電子書籍貸出サービス等との連携)| |子どもの視点|イベント等への企画段階からの子どもの参画&br;子どもの要望を取り入れた資料・環境整備|子どもの意見聴取の機会の確保&br;図書委員等の子どもの学校図書館の運営への主体的な参画| >''自治体の「子ども読書活動推進計画」'' -①策定率 「都道府県及び市町村における子ども読書活動推進計画の策定状況について」(令和7年9月22日) |>|令和6年度末時点での策定率|h |都道府県|100%(平成18年度末までに策定済)| |市|98.8%| |町村|80.9%| -②[[東京都「第五次子ども読書活動推進計画」(令和8年度~12年度)>https://www.kodomo-dokusho.metro.tokyo.lg.jp/tmg/wp-content/uploads/user/keikaku/keikaku5.pdf]] -③[[杉並区子ども読書活動推進計画(令和6年度~8年度)>https://www.library.city.suginami.tokyo.jp/fs/9/9/5/_/consultation_f09_kodomo_r6_r8_plan.pdf]] #endregion #region(テストの回答) ''テストの回答'' +1906年、アン・キャロル・ムーアは[ニューヨーク]公共図書館の児童奉仕部長に就任し、児童図書館員の[専門的な訓練]と職階制の導入を行った。 +1903年、[山口]県立図書館が開館、児童閲覧室を設置し、[無料公開]、12歳以下の子どものための公開書架の実施などを行った。 +戦後、GHQが全国各地に[CIE図書館]を開設し、アメリカの児童サービスを示した。 +1953年、[学校図書館法]の制定により、学校図書館の設置が義務付けられた。 +1965年、日野市立図書館は移動図書館[ひまわり号]の運行を開始し、[児童書を中心とした貸出数]が驚異的に増加した。 +国立国会図書館国際子ども図書館の建物は、旧[帝国図書館]である。 +国の「第五次子どもの読書活動推進に関する基本的な計画」の基本方針は、 [不読率の低減]、多様な子どもたちの読書機会の確保、デジタル社会に対応した読書環境の整備、子どもの視点に立った読書活動の推進である。 #endregion ***第三講目の内容 [#p64edf8e] #region(児童資料) ''児童資料'' |>|児童資料の類型|h |形態別|図書| |~|逐次刊行物(雑誌、新聞)| |~|紙芝居| |~|視聴覚資料(CD、DVD)| |~|デジタル資料(電子書籍、データベース)| |~|その他(パンフレット、布の絵本、バリアフリー資料等)| |ジャンル別|絵本| |~|創作児童文学| |~|伝承文学(昔話、伝説等)| |~|詩、その他| |~|ノンフィクション文学(伝記、日記、エッセイ等)| |~|知識の本(人文・社会、自然科学等)| |~|参考図書、レファレンスブック(図鑑、百科事典等)| |~|漫画| 出版状況:[[『出版指標年報 2025年版』出版科学研究所.2024>https://shuppankagaku.com/statistics/]] 絵本は売上好調。前年より約5%増となった。 電子出版における電子コミックの占有率は約90%であり、この5年間で売り上げが倍増している。 紙媒体の出版物の推定販売金額は年々減少している。 一方、電子出版はこの数年微減が続いていたが、2024年は一転して電子書籍、電子雑誌ともプラスとなった。 //電子出版の市場規模が拡大。 #endregion #region(伝承文学) ''伝承文学'' >''伝承文学'' ①民族、家族等で代々語り継がれてきたもの→文字化 ②誰が語り始めたのかはわからない⇔文学作品(作者がいる) ③語り継がれるうちに変容していくものもある。 |>|~神話|地域や民族に伝わる「神々」の物語(日本神話、ギリシア・ローマ神話、北欧神話等)| |~民話|~昔話|場所や人、時代の特定をしない。| |~|~伝説|特定の場所、人などにまつわる物語(由来やエピソード等)| |~|~民謡|| |~|~世間話|| >''昔話の特徴(マックス・リュティ(Max Lüthi 1909-1991)による分類)'' -一次元性 --主人公は一直線上を進み、後戻りはしない。 --人間の住む普通の世界と超自然的な世界との間に断絶がない。 --魔女、巨人、竜、言葉を話す動物等に対して、別な次元を感じる感情を持っていない。 -平面性 --登場人物は生身の肉体をもっておらず、切り紙細工のように描かれる。 --傷害を受けても肉体的苦痛、精神的苦痛は表明されない。 --登場人物は実体性がない、内面的世界を持たない。 --肉親関係であっても、永続的関係は存在しない。 --時間の次元がない。次第に年を取っていく人間は存在しない。 -抽象的様式 --数字は 1、3、7、12 が好まれ、特に 3 の数字が支配的である。 --くり返しは正確に行われる。 --形容詞は「大きい」「小さい」「美しい」「強い」「醜い」「若い」など統一的で、細かく描写することはしない。 --貴金属類を好み、事物や生物を金属化したり、鉱物化したりする。金属類の中では高貴で稀なものを好む(金、銀、ダイヤモンドなど)。 --色彩は澄んだ超原色を好む。金、銀、赤、白、黒、紺青である。 -孤立性 --登場する人物も動物も、それぞれが孤立している。 --くり返されるそれぞれのエピソードも孤立していて、経験を積み重ねることはなく、第一歩から始まり、相互の関連性がない。 --必要な時に現れる援助者も孤立していて、孤立したまま行動する。 -純化と含世界性 --昔話の世界は宇宙全体であり、人間の想像する別世界も含まれる。 --主人公は天にも昇るし、地にも潜る。太陽や月も訪ねる。 >''昔話の特徴(シャルロッテ・ビューラー(Charlotte Bühler 1893-1974)による分類)'' -くり返し -先取り --予言 --約束と誓い --警告と禁止(例:部屋の中を見てはならない。) --課題と命令(例:仏の御石の鉢を持って来なさい。) -目に見えること=見る文学⇔考える文学 --意図やもくろみ、考えはそれ自体としては説明されず、一連の行為によって明らかにされる。 --感情も、行為や身振りで表現される(「悲しむ」のではなく「泣く」)。 --精神的価値、困難の度合いといったものも、目に見えるものに置き換えられる。 --考えることには、重きは置かれていない。 -両極化 --人物は単純で類型化され、その特徴が極端に強調される。 --ある特性とそれと相反する特性と極端に対立させて示す。 -その他 --発端の言葉と結末の言葉がある(「むかしむかし…」「とっぴんぱらりのぷう」) >''昔話を楽しむ年齢(読書興味の発達段階)'' 第2段階(3,4歳~5,6歳):身のまわりで見聞きするものが出てくるお話、自分の体験に近いお話を楽しむ時期 ↓ 第3段階(4,5歳~8,9歳):空想的な物語への興味が芽生え、育つ時期(昔話)へ 個人的関連付けから脱して、徐々に客観的になり、素材そのものへの興味が増していく。(赤い帽子が好き→赤ずきんが好き) >なぜ昔話を好む(楽しむ)か -昔話の登場人物(子どもが理解しやすい) -不思議な筋の展開や、非日常的な偶然の出来事 -主人公に感情移入し、自ら主人公となって筋の展開に参加することができる。 -出来事の流れに焦点を合わせ、事物や人物は細かく描写しない。 -イメージの急激な変化 >''再話'' 昔話を読者にわかりやすいよう、表現を変えて書き直したもの。 昔話本来の雰囲気や筋を変えずに行うものだが、全く異なる内容、結末になっているものもある。→「悪者」の扱い、残酷性 ・描写が簡潔で写実的ではない。→不快感、恐怖を与えない。 ・エピソードの孤立化(話が進む)→残酷な場面が心に残らない。 ・主人公の幸福な結末、元の状態に戻る。→安心感 ・悪は必ず滅ぼされる。→心の安定、恐怖や悪に勝つ力 >''絵本化'' 昔話を画家が自分のイメージで描く。→昔話の特徴が崩れる場合がある。 -昔話絵本の良い点 ・子どもがその話を知るきっかけとなる。 ・ひとりでもその話を楽しむことができる。 ・絵本の絵が子どもの想像力を刺激してこれを助ける場合がある。 ・昔話の出てくる物を知らない場合、絵があるとわかりやすい。 #endregion #region(テストの回答) ''テストの回答'' +紙媒体の出版物の推定販売金額は年々[減少]している。 一方、電子出版はこの数年[微減]が続いていたが、2024年は一転して電子書籍、電子雑誌とも[プラス]となった。 +電子出版における電子コミックの占有率は約[90%]であり、この5年間で売り上げが倍増している。 +2024年の児童書の推定販売金額をみると、[絵本]は前年より約5%増となった。 +マックス・リューティによる昔話の特徴のうち、登場人物に実体性や内面世界がないことを[平面性]といい、 人間の住む普通の世界と、超自然的な世界との間に断絶がないことを[一次元性]という。 +シャルロッテ・ビューラーによる昔話の特徴には、くり返し、[先取り]、目に見えること、両極化がある。 +昔話の残酷な場面が子どもにとって害にならないのは、描写が簡潔で[写実的]ではないこと、 エピソードの孤立化、主人公の幸福な結末、[悪は必ず滅ぼされる]ことによる。 #endregion ***第四講目の内容 [#ub494420] #region(絵本の歴史) ''絵本の歴史'' >''欧米'' +絵本の創成期 --1658年『世界図絵』コメニウス著 --1845年『もじゃもじゃペーター』ハインリッヒ・ホフマン著 +印刷技術の発達 エドマンド・エバンズ 「ヴィクトリア朝の子どもの本 イングラムコレクションより」国際子ども図書館(https://www.kodomo.go.jp/ingram/index.html) --1874年『長ぐつをはいた猫』ウォルター・クレイン絵 --1878年『ジョン・ギルピンのゆかいなお話』ランドルフ・コルデコット絵 ※コルデコット賞…米国図書館協会児童図書館サービス協会が前年にアメリカで出版されたアメリカ在住の画家の絵本に与える賞。 --1888年『ハメルンの笛ふき』ケイト・グリーナウェイ絵 ※ケイト・グリーナウェイ賞…英国図書館情報専門家協会が英国またはアイルランドで出版された英語の優れた児童書の挿絵に与える賞。 2023年からカーネギー画家賞に変更。 --1902年『ピーターラビットのおはなし』ビアトリクス・ポター作 +20世紀アメリカの絵本 --(省略) >''日本'' +絵本の創成期 --絵巻物 「鳥獣人物戯画」(平安・鎌倉時代)→『かえるのごほうび』木島始作,福音館書店 --赤本(赤小本)…絵本のはじまり。薄い小型の綴じ本。昔話、武者絵本など。 --ちりめん本…明治18年(1885年)ごろ~ ※白百合女子大学 ちりめん本コレクション(https://www.shirayuri.ac.jp/lib/collection/rarebooks/chirimen.html) --初めての翻訳絵本 『WANPAKU MONOGATARI』ヴィルヘルム・ブッシュ作. 羅馬学舎. 1887~1888 …ローマ字訳→『マックスとモーリッツ』ヴィルヘルム・ブッシュ作,ほるぷ出版 +絵雑誌から絵本へ --『幼年画報』博文館,1906年創刊 --『日本一之画噺(えばなし)』(全35冊)中西屋,1911-1915 --『赤い鳥』1918年創刊 --『コドモノクニ』1922年創刊 --『コドモアサヒ』1923年創刊 +戦時下の絵本(戦争、軍事絵本が中心) --講談社の絵本シリーズ(1936年~、全203冊) --キンダーブック…日本最初の保育絵本(1927~)(https://kinderbook.froebel-kan.co.jp/history) +絵本の黄金時代へ(戦後~1960 年代) --岩波子どもの本(https://www.iwanami.co.jp/kodomonohon) 編集長:石井桃子 編集スタッフ:光吉夏弥 --絵本雑誌『こどものとも』福音館書店(1956年~)(https://www.fukuinkan.co.jp/maga/) 編集長:松居直 #endregion #region(絵本の特徴) ''絵本の特徴'' ①絵と文が一体となっている。 ②絵を見るだけで物語を読み取れる。 ③時代を超えて読み継がれている。 ④年齢を問わず楽しめる。 ⑤美的価値の高い絵により、芸術にふれる機会となる。 #br |>|絵本の種類|h |赤ちゃん絵本|0,1,2 歳向け| |ことばあそび絵本|わらべうた、なぞなぞ、詩、回文、早口言葉、音を楽しむ絵本| |物語絵本|創作絵本。幼年向け~高学年向け| |昔話絵本|| |科学絵本、知識の絵本|写真やイラストでわかりやすく伝える。幼年向け~高学年向け| >''絵本を選ぶときのポイント'' 『読み聞かせわくわくハンドブック』代田知子著.一声社.2012 ①ストーリーやテーマがわかりやすい ②ストーリーが機知に富みおもしろいか ③リズムがある美しい日本語か ④くり返しがうまく生かされているか ⑤生き生きとした魅力ある絵か ⑥絵を追うだけでストーリーがわかるか ⑦ストーリーと絵が調和しているか ⑧子どもに理解でき、共感を呼ぶようにかかれているか ⑨本づくりの細部までていねいか #endregion ***第五講目の内容 [#r84c8994] #region(絵本と幼年文学) ''絵本と幼年文学'' >''赤ちゃんの視覚と絵本'' [[「ブックスタート・ニュースレター」№62. 2018 秋>https://www.bookstart.or.jp/wp-content/uploads/2021/06/BookstartNewsletter62_2018Autumn.pdf]] ・視力は、新生児が0.02、生後半年が0.3程度。ピントはあっているが、霧がかかったように薄ぼんやりとした世界を見ている。 ・コントラストがはっきりしている絵は認識しやすい。 ・視野は大人より狭い。→目の前で絵本を見せる。 ・正面を向いた顔の絵を好む(横顔を認識するのは 7~8 か月ごろ) |~あそびの絵本|ことばあそび|音を楽しむ、なぞなぞ、はやくちことば等| |~|絵さがし|| |~知識の絵本|科学絵本|科学のおもしろさや知識を伝える絵本&br;①絵によるもの&br;・表現したい姿に描くことができる。(写真では難しいポーズ等)&br;・絵ならではの工夫、本づくりができる。&br;②写真絵本&br;・実物を示すことができる。→「本物」による驚き| |~|社会科学絵本|世の中の出来事、人物についてわかりやすく紹介する。| |~その他||| |~中・高学年向けの絵本|物語絵本| |~|知識の絵本| >''幼年文学(幼年童話)'' 就学前~小学校低学年向けの物語 読書興味の発達段階…第2段階、第3段階(絵本と並行) 絵童話(絵本に近い作品),日常生活を描いた物語,冒険物語などがある。 |~絵本|絵が主| |~幼年文学|文が主| ・読んでもらって楽しむ。→自分で読む。 ・文字を読んで内容を理解することができるようになる。→読み聞かせから一人読みへ ・挿絵が多く、理解を助ける。 #br 1980年代からエンターテイメント系の幼年童話が人気となる。 ・子どもの好きな物(おばけ、食べ物、お菓子、魔女など) ・シリーズ(「仲良しの友達」といくつかの事件や冒険を一緒に体験する) ・子どもをひきつけるパターン(安心感と安定した満足感を与える) >''幼年文学の独自性'' 幼年童話=児童文学の中でも創作が難しく、傑作も少ない分野 ⇨幼い子どもの感性や感覚が大人からは遠く離れたところにある。 物語の世界は現実世界の一部→大人とは物語の距離が異なる。 #br 幼い子どもの世界の見方、感じ方、物語の捉え方の特徴 +自己中心性とアミニズム --自分以外の視点を持たない --周囲の人やものも、自分と同じ視点で世界を知覚していると考える。 --あらゆるものに命があり、自分と同じように喜んだり、悲しくなったりするのだと考える。 →幼年童話ではありとあらゆるものが命を持ち、感情を持つ。 +直観的思考 --保存の概念(ものの見た目が変わっても本質は変化しない)を持たない。 --見かけの真実がそのまま真実になる(トラがバターになる)。 +楽天的世界観 --幸せな結末 --論理的に緻密に構成されたファンタジーではなく、 「こうなったらいいな」という幼い子どもたちの魔術的思考による魔術的なファンタジーが展開されている。 >''幼年文学に求められる条件''⋯昔話、絵本と共通 +起承転結がはっきりしたわかりやすい構成 +ストーリーは過去に戻ったりせず、前へ進む。 +始まりの部分で物語に必要なもの(時間、場所、登場人物、テーマなど)が紹介される。 +すぐに事件が動き出しクライマックスに達して課題は解決され満足のいく結末に至る。 +主人公は子どもが同化できる個性をもち、個性は具体的な行動と会話で表される。 #endregion ***第六講目の内容 [#a3fb48f5] >''課題「本の紹介」(6/18まで)'' 以下の課題図書から 1 冊を選び、その中の1つの物語について紹介文を書く(150字程度)。 ② 第10回の授業に持参し、グループ内で発表する。 ③ 本の紹介の演習をもとに、課題レポートを作成する。 +『ジャングルジム』岩瀬成子作. ゴブリン書房 +『なまくら』吉橋道夫作. 講談社 +『まよなかのパーティー』フィリパ・ピアス作. 猪熊葉子訳. 岩波書店 +『魔法使いのチョコレートケーキ』マーガレット・マーヒー作. 石井桃子訳, 福音館書店 +『夏のサンタクロース フィンランドのお話集』 アンニ・スヴァン作. 古市真由美訳. 岩波書店 +『しずくの首飾り』ジョーン・エイキン作. 猪熊葉子訳. 岩波書店 +『真夜中の電話』ロバート・ウェスト―ル作. 原田勝訳, 徳間書店 #region(児童文学の歴史) ''児童文学の歴史'' >''欧米'' 「[[ヴィクトリア朝の子どもの本 イングラムコレクションより>https://www.kodomo.go.jp/ingram/index.html]]」国際子ども図書館 -18世紀 --ジョン・ニューベリー(1713-1767)…ロンドンの書籍商、印刷業者。 1744『小さなかわいいポケットブック』 1765『くつふたつさん』 ニューベリー賞 …米国図書館協会児童図書館サービス協会が前年にアメリカで出版された児童書に与える賞。 --1719『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー作 …冒険物語の出発点。 →1883 『宝島』ロバート・ルイス・スティーブンソン作 -19世紀 ファンタジーの誕生(イギリス) >''日本'' 「[[日本の子どもの文学>https://www.kodomo.go.jp/jcl/index.html]]」国際子ども図書館 -明治時代 1891『こがね丸』巌谷小波作 …犬を主人公とした仇討ちもの。文語体 1900『海島冒険奇譚海底軍艦』押川春浪作 …冒険小説 -大正時代 …「童話」の誕生 …童心文学 1921『赤い蝋燭と人魚』小川未明作 1921『むく鳥のゆめ』浜田広介作 1924『注文の多い料理店』宮沢賢治作 -戦中児童文学(1931-1945) 童話 → 児童文学 → 少国民文学 1932『ごんぎつね』新見南吉作 1936『怪人二十面相』江戸川乱歩作 1937『君たちはどう生きるか』吉野源三郎作 >''児童文学とは'' +原則としておとなが、子どもになにかを教え、また楽しませる目的で出版したものである。 +その「子ども」というのは、0歳から18歳までに広げて考えられる。 +「子ども時代」が尊重される社会における、文化のたまものである。 +絵本、昔話の再話、小説まで幅広いかたちがある。 +作品が書かれた時代やそのときの文化に、かなりの影響を受けている。 +内容上の制約は書かれた時代によって異なり、現代では原則的にないといっていい。 |>|児童文学のジャンル|h |ファンタジー|現実には起こりえないことが生じる空想物語&br;現実には存在しないものが活躍し、ありえない場所が舞台となる。| |リアリズム|現実と同じ秩序と法則を持つ世界を舞台にする。| >''ファンタジー'' +日常生活の中で起こる不思議 行きて帰りし物語 +動物やおもちゃの物語 +超自然的な登場人物(魔女、小人) +伝説、昔話を元にした物語 +架空の世界、別世界の物語(ハイファンタジー) +時間と空間を超える …日常生活から不思議な世界へ +ファンタジーの中のリアリティ --作品独自の法則と秩序がある。 --実在する場所、人物が登場する。 +ファンタジーの映像化 |映像化のメリット|映像化のデメリット|h |・読まれるきっかけ&br;・舞台になっている土地、生活・文化などをわかりやすく紹介|・エピソードの変更,削除&br;・派手な演出&br;・抽象的イメージを映像化することの限界| >''リアリズム'' +冒険 +推理・探偵 +日常生活 +学校生活 +戦争 +歴史小説 +現代的な課題、テーマ(親の離婚、障害、LGBT…) |>|児童文学の評価基準|h |テーマ|対象年齢の子どもが興味をもつテーマか| |~|テーマが物語の展開に自然に組み込まれているか| |~|著者の主張を押しつけていないか| |筋|子どもの興味をひきつける魅力的な展開か| |~|独創的か| |~|読者を納得させる必然性、信ぴょう性があるか| |~|対象年齢に見合った単純さ、明快さを備えているか| |登場人物|読者の共感できるような性格を備え、行動するか| |~|生きた人物として奥行きを感じるか| |~|主人公の成長や変化が納得のいくように描かれているか| |表現|作品にあったよい文章か| |~|具体的に目に見えるように描かれているか| |~|情緒的、教訓的でないか、読者におもねる文章ではないか| |~|挿絵は作品の雰囲気にあい、読者の想像を助けているか| |~|翻訳作品では、原作に忠実な訳か、原作の雰囲気を伝えているか| |装丁|対象年齢に見合った字の大きさか| |~|装丁は魅力があるか| 海外の古典名作のダイジェスト版が多く出版されている。 #endregion ***第七講目の内容 [#l6dba226] #region(知識の本) ''知識の本'' >''知識の本''…事実を伝える目的で書かれた本 学習漫画のシリーズ等も含む。 -歴史の本 -社会の本 -伝記(偉人伝) ノンフィクション(実在の人物の生き方、苦難の乗り越え、夢の実現、サクセスストーリー) 人物を通して、その時代の社会、文化、歴史的事実を知る。 -科学読み物 知識の正確性⇨ロングセラー絵本の改訂(最新の知識に更新) -レファレンス資料(参考図書) |分類|評価基準|h |~歴史の本|最新の歴史研究の成果を踏まえていること| |~|西洋中心の歴史観ではなく、その地域に根ざす歴史観によって記述されていること| |~|歴史を見る視点が明らかにされていること| |~|中央中心でなく、各々の地域が中央あるいは外国とのかかわりにおいて果たしてきた役割が明らかにされていること| |~|社会を構成した人々の様子や生活が支配者からの視点からでなく、&br;民衆の立場からとらえられていて、社会的、経済的、政治的背景が明らかにされていること| |~|歴史的事実や事件について、さまざまな受け止め方、かかわり方があり、&br;そのころの世の中の動きが浮きぼりにされていること| |~社会の本|最近の人文・社会科学の成果が反映されていること&br;新しい知識の発見があること| |~|科学の方法が明らかにされていること&br;実証的であること| |~|社会のしくみにせまる内容をもっていること| |~|地誌的な環境とそこに住む人間の姿が描かれていること&br;地域の主体性や独自性が描かれていること| |~|社会へのかかわり方として、さまざまなかかわり方があることを明らかにしていること。| |~伝記(偉人伝)|被伝者の業績やその意義を正しく伝えているか| |~|被伝者の欠点も含め、人格の全面を客観的に記述しているか| |~|被伝者の研究者、または活躍した分野の専門家が執筆しているか| |~|全体を通して、被伝者の業績、言動、生き方などに感動、共感できるか| |~|年譜、地図、写真などの資料があるか| |~科学読み物|読み物としてのおもしろさ&br;┣長期的に科学への興味、関心を開く。&br;┗全体としてのまとまり、ストーリーがある。| |~|構成と文章表現のわかりやすさ&br;┗過程や考え方を重視| |~|挿絵、写真、資料などの適切さ、充実度&br;┣絵と文の調和&br;┗資料(グラフ、年表、地図など)の充実| >''レファレンス資料(参考図書)'' |種類|説明|h |辞典|言葉について意味や用法などを解説し、配列した本| |事典・百科事典|事柄について項目ごとに説明し、配列した本| |図鑑|種類別に集めたものを、写真やイラスト・図を使って実物の形や色などを示しながら解説し、配列した本| |年鑑|一年間のおもな出来事や統計を載せた年一回刊行される出版物| |統計資料|表・グラフ・絵地図などにデータを記した統計を集めた資料| |地図帳・年表|| -特徴 --必要な部分だけを読む。 --手がかり(目次、索引、見出し語、配列)について学んでから使用する。 --テーマ(教科書の単元)によって、その年代にあった資料が必要 > ''読書バリアフリー資料の興り'' 本(読書)の飢餓(Book Famine):利用しやすい様式の書籍の入手が難しく、読みたくても読めない状態にあること。 |>|CENTER:状態|h |視覚の障害|| |肢体不自由|手で本を持ちページをめくることができない。| |脳性麻痺等|書籍等の紙面に視線を定めることが難しい。| |プリントディスアビリティ|視覚による表現の認識が困難| |ディスレクシア(読字障害)|「文字がにじんで見える」「揺らいで見える」「鏡文字となって見える」「霞んで見える」| UD(ユニバーサルデザイン)フォント…形がわかりやすく、読み間違えにくい字体 #br 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」=「読書バリアフリー法」(2019年(令和元年)制定・施行) -目的 視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進し、障害の有無にかかわらず 全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与すること >''読書に対するニーズと対応するバリアフリー資料'' |需要|資料|h |拡大して読みたい|拡大写本・大活字本| |音声で読みたい|音声図書| |触知で読みたい|点字図書・布の絵本| |リライト(わかりやすく)したもので読みたい|LLブック| |手話とともに読みたい|手話付き絵本| |電子で読みたい|DAISY| // |>|種類|特徴|h |>|拡大写本|1968年、山梨ライトハウス点字図書館が拡大写本づくりと貸出を始めるボランティアによる手書き&br;→コンピュータを使用するようになる。| |>|大活字本|| |>|点字図書|| |>|布の絵本|| |音声図書|オーディオブック|市販されているもの| |~|録音図書|音訳ボランティアによる→デジタル化| |>|LLブック|易しい日本語による文章、意味理解を助ける絵記号(ピクトグラム)などを用いて作られている。&br;スウェーデン語 Lättläst(やさしく書かれていてわかりやすい)の略| |>|手話付き絵本|手話が写真や動画で挿入された絵本| >''マルチメディア DAISY 図書'' 音声に文章や画像を同期させて読むことができ、ニーズに合わせて文字の拡大や背景色の変更が可能。 テキストがハイライトして、その部分を音声で喋ってくれるので、どこを読んでいるかがわかる。 DAISY=Digital Accessible Information SYstem #endregion ***第八講目の内容 [#x4bfdf71] #region(図書館の児童サービス) ''図書館の児童サービス'' >''種類'' -利用登録、貸出、排架(書架整理) -フロアワーク -情報サービス(レファレンスサービス) -集会、行事 -展示、PR >''児童サービスの実際'' -子どもの目線で館内をチェック -フロアワーク -10代の子どもへの対応 -読み聞かせ、ブックリスト、おはなし会 -宿題への対応 -保健所や学校との連携 #endregion #region(カウンターワーク) ''カウンターワーク'' カウンターワークとは利用登録や貸出など、受付(カウンター)での業務のこと。 >''業務'' カウンターでの利用登録・利用案内、読書相談、レファレンス(調べもの相談) 内容によって別の職員に引き継ぐ。 >''利用登録'' 0歳から登録できる。 -杉並区の場合 |~未就学児|保護者の証明書による代理登録| |~小学生|証明書不要(その場で書いてもらう)| |~代理登録の場合|本人と一緒か子どもの証明書| |~区内や隣接区市で在住・在学|外の自治体の人は住民税の関係から登録期間が短い。| >''貸出手続き時の対応'' -挨拶 -会話 -子どもの反応を見る。 >''心掛け'' 他の仕事を持ち込まない(カウンターからの見守り)。 プライバシー保護、保護者への対応 #endregion #region(フロアワーク) ''フロアワーク'' フロアワークとは ⇔ カウンターワーク(利用登録、貸出) カウンターや机を離れて書架を巡り、文字通り「床=フロア」の上で一人一人の子どもに接する仕事 >''本の案内 =読書案内、読書相談'' +子どもへの声かけ、子どもからの質問 「何かさがしてる?」 書架の前をうろうろしている子、読みたい本が見つからない子の様子を見て、声をかける。 「何かおもしろい本ない?」 フロアにいると、子どもから声をかけられる。 +本をさがす 子どもに質問をして、一緒に本をさがす。 蔵書検索よりも直接書架へ行く。 +本の紹介 簡単なブックトーク …あらすじ、一部読み聞かせ、中身を見せる。 何冊か選んで子どもに選んでもらう。 |~必要となること|自館の蔵書(何がどこにあるか、どんな内容か)を知っている。| |~|おもしろい本、すすめたい本を知っている。| |~|その本を簡単に紹介できる(ミニブックトーク)。| |~準備しておくこと|日頃の書架整理(どこに何があるか)| |~|自分なりのブックリストを作っておく(簡単な内容紹介)。| |~|市販のブックリストをすぐに手に取れるようにしておく。| +読み聞かせ 大人からの質問:読み聞かせに使う本、自分の子どもに借りていく本など フロアにいる子どもに声をかけ、本の読み聞かせ(1対1または少人数)をする。 →顔見知りになる、子どもの方から声をかけやすくなる、図書館に親しみをもつ、本の紹介になる。 >''排架(配架)、書架整理'' 排架の排は並べるという意味 -作業内容 --返却された本を所定の場所に戻す。 --本を請求記号順に並べる。 --取り出しにくいところは本を抜く、ずらしていく。 --本の表紙を見せるように置く(面出し)。 --修理が必要な本を見つける。 --除架(書庫へ移す、除籍の対象とする、買い替えの検討をする。) -重要性、必要性 --蔵書を把握する。…利用者から聞かれたときにすぐ本を探せる。 --何がよく借りられているか(動いているか)を把握する。 --選書の参考となる …買い替えの必要な本、分野のバランスを把握する。 --作業中、利用者から声をかけられる。…レファレンスサービスへ >''見守り、安全管理'' ・1人で来ている子ども、平日の午前にいる子ども ・けが、具合の悪い子ども ・不審者対応 ・子ども同士のトラブル ・災害時の対応 ・利用マナー、ルール(騒ぐ、走る、食べる…) #endregion #region(情報サービス(レファレンスサービス)) ''情報サービス(レファレンスサービス)'' >''情報サービスとは'' -情報サービス なんらかの方法で資料に記録された情報を提供するサービス -レファレンスサービス 情報を求めている利用者に対して提供される人的援助 |~読書案内|楽しみのための本を探す。| |~レファレンス|学習課題解決等のための調べもの| >''読書案内'' 所蔵調査(蔵書検索の案内、書架の案内) +書名、著者名がわかっている。 →蔵書検索 +何を読んだらよいかわからない。 →本の案内 +書名が思い出せない。 →キーワードを手がかりに探していく ・書誌データの「内容」をキーワードで検索する。 ・「件名索引」のある参考図書を使う。 >''子どもから寄せられる質問(事例)'' [[レファレンス協同データベース>https://crd.ndl.go.jp/reference/]]…国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、 レファレンス(調べものの相談)のデータベース。分類別、内容別、質問者別等で検索できる -宿題 回答そのものを知らせるのではなく、資料を提供して自分で調べてもらう。調べ方を教える。→自由研究 -授業での調べ学習 学校図書館の活用。資料が不足する場合は公立図書館から借用する。 -自分の趣味、コレクション、ペットについて -日ごろ感じている疑問の解決 >''レファレンスインタビュー'' +子どものレファレンスの特殊性 ・課題そのものを理解していない。 ・調べたいことをうまく説明できない。→インタビューの重要性 ・広すぎる概念または狭すぎる概念について聞く(両極端)。 ・調べたいテーマが書名になっている本を探す。 ・参考図書の使い方、メモの取り方を知らない。 ・学校で宿題がでると同じテーマについての質問が集中する(本がなくなる)。 +インタビューのポイント …コーチング(聴く技術、傾聴) |~質問の仕方|目線の高さを合わせる。| |~|会話の速度を合わせる。| |~|相づち、うなずきを入れながら聞く。| |~|相手の言うことを復唱し、確認しながら聞く。| |~質問内容の的確な把握|何をどこまで調べたいのかを聞き取る。| |~|知らないことは質問者に聞いてみる。| |~|調べることになった切っ掛けや既に調べたことについても聞く。| |~|大分類で質問して来ることが多い→小分類にし、具体的なキーワードを示す。&br;「工業について」→「公害について」→「水俣病について」| |~回答方法|資料を手渡す。| |~|探し方を教える。| |~回答のポイント|ことを難しくしない。&br;年齢への配慮、ふさわしいと思われる本を数冊提供する。| |~|その子なりに納得する資料を提供する。&br;質問に対応した回答でなくてよい場合もある(柔軟に対応)。調べていくうちに興味が変わっていくこともある。| |~|一歩踏み込んで対応する。&br;→親切すぎるということはない。| |~|調べ方は一度にひとつ&br;索引の引き方など、アドバイスは1つだけにすると効果的| |~|本の仕組みを伝える。&br;書名にその言葉がなくても、書名の下位概念が含まれていること| >''調べ方の指導'' 「[[先生のための授業に役立つ学校図書館データベース>https://www2.u-gakugei.ac.jp/~schoolib/htdocs/]]」東京学芸大学学校図書館運営専門委員会 +事典、辞典、図鑑の使い方 --ポプラ社 HP「[[百科事典活用のための指導案>https://kodomottolab.poplar.co.jp/hello-poplardia/download/dl/shidouan_20220418.pdf]]」 --三省堂 国語辞典の使い方「[[例解小学国語辞典を使おう>https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/210305_rsk]]」 +地図帳の使い方 --帝国書院「[[地図帳活用ワークシート>https://www.teikokushoin.co.jp/files/product1/sho-chizu-worksheet-2021.9.pdf]]」 +パスファインダー パスファインダーとは…「道(path)」を「見つける人(finder)」という意味で、 知りたいことがあるとき、どのように資料を探したらよいかの手引きのこと。 |~内容|テーマの説明| |~|キーワード、分類| |~|テーマに関連した図書の紹介| |~|インターネットでの検索、ウェブサイトの紹介| |~|その他の情報源| +インターネット、データベースの使い方 1人1台端末(タブレット・PC)の活用 #endregion ***第九講目の内容 [#i70fb1ed] #region(児童と資料を結び付ける方法) ''児童と資料を結び付ける方法'' |~ストーリーテリング(お話)|昔話や短編のお話をおぼえて語ること&br;お話、素話(すばなし)ともいう。&br;19世紀~20世紀の米国で図書館の児童サービスに取り入れられた。&br;→戦後、米国で図書館学を学んだ人たちによって日本でも行われるようになった。| |~読み聞かせ|声に出して人に本を読むこと| |~ブックトーク|口頭で本を紹介すること| >''ストーリーテリングの方法'' +お話を選ぶ。 --自分の好きなお話・語ってみたいお話を選ぶ。 --聞いたことがあるお話、聞いて楽しかったお話を選ぶ。 --最初は昔話から始める。…語りつがれてきたお話 昔話の特徴により、お話をおぼえやすく(語りやすく)、聞きやすい。 --お話用のテキストから選ぶ。 +話を覚える。 --お話全体を声に出して通して読む。 全体を通して読む。自分の声を自分の耳で確かめる。 →お話の雰囲気や全体の大きな流れをつかむことができる。 --お話のあらすじを頭に入れる。 お話のあらすじ、ストーリーの構成を確認する。 --お話の言葉をしっかりとおぼえる。 まずは原文のとおりおぼえる。創作の場合は、言葉を変えないようにする。 --お話のそれぞれの場面を絵として思い描く。 言葉とイメージが合っているかを確認する。 --全体をまとめる。 全体を通して何度も(声に出して)語ることで、お話の流れをつかみ、リズムを整える。 +お話を語る --ゆっくりとていねいに語る --言葉をはっきりと、語尾が消えないように気をつける。 --声をしっかり出し、聞き手がゆったりと聞けるようにする。 --聞き手一人ひとりに届くよう、視線を受け止めながら語る。 --言い間違いがあってもそのまま続ける、慌てずに言い直す。 >''読み聞かせの方法'' -本の持ち方 --本がぐらつかないようにしっかり支える。 --角度はまっすぐか前に傾き加減にする。 後ろに反らせると、紙質や絵柄によって光が反射して見づらい場合があるので注意 --座って読むか、立って読むか、体の向きにも気をつける。 -本のめくり方 --表紙から順にめくる(表紙→見返→本文)。 --言葉のないページ、少ないページもゆっくりと絵を見せる。 --ページをめくるときに手で絵をかくさない。 --ページのめくり方を工夫する(すばやく、ゆっくり等)。 --本文が終った後も、見返し→裏表紙と最後まで順にめくる。 -読み方 --ゆっくりはっきりと読む。 --後ろの壁に届くような気持ちで声をしっかり出す。 --本に書かれたことばを大切にする(余計なことは言わない)。 --ページをとばさない(時間がない等で)。 --無理に声音を使わず、声の高低や大きさで変化をつける(自然な抑揚でよい)。 |>|子どもへの読み聞かせ|h |~個人への読み聞かせ|一人ひとりの要求に応えて読む(フロアワークなど)| |~集団への読み聞かせ|おはなし会、学校での読み聞かせ(授業、休み時間など)| 読み聞かせをする資料は「絵本」「昔話」「短編のお話」「詩」など |>|絵本の読み聞かせ|h |~読み聞かせのポイント|何を読むか、どんな本を選ぶか| |~|見やすいか、聞きやすいか| |~|プログラム| |~|時間配分| |~絵本を選ぶときのポイント|ある程度の大きさがある。| |~|絵がはっきりしていてよく見える。&br;単純な・力強い線で・くっきり描かれていて・遠目がきくもの| |~|絵に対して文章の量が多すぎない(適度である)。| |~|見開きに一場面のものがわかりやすい。| |~|次はどうなる?と期待を持たせるストーリーの展開がある。| |~|自分が好きな絵本を選ぶ| 何を選べばわからないときには、ブックリストにあるものから選ぶ。 >''準備と練習'' -声に出して下読みをする。 筋や、登場人物、場面の展開をきちんと理解しておく。 読みにくい言葉、読みにくい場所がないか確認しておく。 -本の状態を確認する。 いたずら書きや、汚損・破損がないか調べておく。 ページが開ききやすくなっているか確認する(開き癖をつける)。 -時間を計る。 -身だしなみに気を付ける(服装、装飾品、髪の毛など) #br ブックトークとは、あるテーマについての本を数冊順序よくつなぎながら紹介すること |個人に向けたブックトーク(インフォーマルなブックトーク)|集団に向けたブックトーク(フォーマルなブックトーク)|h |フロアワークの中でその時の状況に合わせて行う。|クラスなどの集団へ準備をして行う。| |~ブックトークの目的|本に対する興味を起こさせる、きっかけをつくる。| |~|ブックト-クで紹介したテ-マへの興味をひろげるきっかけをつくる。| >''ブックトークの方法'' +テ-マを決める --授業の単元に関するテーマ …授業の内容から興味を広げる、理解を深める。 --調べ学習のテーマ …参考となる資料の紹介、キーワードや調べたいことを見つける。 --季節や子どもの興味にそったテーマ --本からテーマを導き出す …紹介したい本からテーマを決める。 --興味をひくようなおもしろいテーマ、魅力的なタイトルにする。 +本を選ぶ --テ-マに合った本をブックリスト等から探す --核となる本(紹介したい本)を中心にして探していく(テーマが変わっていくこともある)。 --対象となる子どもの年齢に合わせる。 --絵本、物語、科学読み物、知識の本等、広い分野の本を選ぶ。 +シナリオを書く --全体の流れを頭において、本を紹介する順序・方法を考える。 --本のどの部分を紹介するか(読み聞かせ)を考える。 --最初と最後に重みをおく(強く紹介したい本、子どもにアピールする本等)。 --本と本との間のつなぎ方を工夫する、単調にならないようにする。 --見せ方、紹介の仕方の工夫をする(簡単な科学あそびやクイズ、なぞなぞ等)。 --ブックトークのシナリオ集を参考にする。 #endregion ***第十講目の内容 [#i04dbb8f] >''紹介文の作成'' 指定の課題図書(LMSに掲載)の中から1冊を選び、その中の短編1つについて、紹介文を書く。 字数は150字程度 #br 第十回(6/18)の授業で用いる。当日必ず紹介文を持参すること(紙、データいずれも可)。 事前の提出は不要。 |>|紹介の方法|h |口頭で伝える。|ブックトーク、ビブリオバトル| |文章で伝える。|ブックリスト、POP、本の帯| |本そのものを使う。|テーマ展示、本の福袋| 下二つが今回の内容 #region(本の紹介) ''本の紹介:文章で伝える。'' |~POP(POP 広告)&br;=Point of Purchase Advertising|商品のセールスポイントや説明文を伝える。| |~本の帯|本についてのキャッチコピーが印刷された紙。本の表面の下部分に巻く。| >''ブックリスト'' 複数の本を紹介したリスト。新着図書紹介、年齢別、テーマ別などがある。 書誌事項、内容紹介、請求記号などを記載する。 形態:パンフレット・リーフレット、web版など #br -本の選定 --対象年齢 …簡単な(読みやすい)本、少し上の年齢向けの本も入れる。 --テーマを決めて、本を集める。 --既に人気のある本よりも、おもしろいがあまり手に取られていない本を選ぶ。 -デザイン、レイアウト --手に取りたくなるようなデザイン --読みやすいレイアウト(文字の大きさ、イラストの配置) --本の表紙の画像(書影)などを使用する場合は著作権に注意する。 >''本の展示'' -テーマ展示:テーマを決める(季節、行事など) 表紙を見せて本を並べ、紹介文(POP など)をつける。 本が借りられたら …他の本に取り替える、表紙のコピーを置き予約してもらう。 -時事展示(受賞作、作家の訃報) ニュースでとりあげられたトピックス、話題をテーマにする。 作家が亡くなったときに特集する -本の福袋 選んだ本を数冊袋に入れ、テーマやメッセージをつける。 貸出の時には、袋に本のバーコードをつけ、中身は貸出後にみてもらう。 ひとはこ図書館:1つの箱の中に、おすすめの本を集めて小さな図書館を作る。 >''書評とは'' 図書の内容を批評・紹介すること。 -図書館員の書く書評 その本を知らない人にどういう本であるかを見せ、作品の質を客観的に判断し、どういう読者に向くかを述べる。 本を選ぶ立場にある人に向けた物や一般向けの物がある。 >''紹介文とは'' 本の内容を手短に紹介した文章のこと。 読書を促す働きをし、通常ブックガイド(本の紹介)と呼ばれるもの。 基本的にすすめたい本を取りあげるので、特徴的な良い点を主にして伝える。欠点は述べないのが一般的である。 >''紹介文の書き方'' +読む年齢層を明らかにして書く。 子ども向け、保護者向け、図書館員向け など +与えられた字数を意識し厳守する。 |~通常|100字~150字程度| |~やや長め|150字~250字程度| 書く事柄や項目を多めに箇条書きにしておく。 →長めの文章にする。 →字数に合わせて絞り込む。 +読者の読む意欲を刺激する --読者の興味、関心を引く部分はどこか --出来事や展開の様子など、子どもの気を引く要素や描写を敏感にとらえて書く。 (物語の展開が意外性に富み、展開が予測と違うことなど) +イメージがわく書き方をする 本の魅力や特徴について、利用者の興味・関心にそってイメージがわくように書く。 +抽象的な内容の紹介には長所短所がある。 物語のあらすじを書く場合、展開などの紹介で読む楽しみを阻害しないようにする。 →山場と結末は書きすぎないようにする。 知識の本の場合はできるだけ紹介したい部分を具体的に書く。 +書名と内容に差異がある場合 書名から内容がわかる場合には、それ以上の情報や内容を扱うようにする。 書名からはわからない場合は、伝えるようにする。 +紹介しすぎにならない 結末を明らかにしすぎない。 読む魅力になるポイントを述べてしまわない。 褒めすぎない、嘘や偽りになりかねないことは避ける。 >''記述・文章で気をつけたいこと'' +子どもの理解力に合わせて丁寧な表現を心がけ、言葉遣いや文章を平易にする。 +慣れない内は、短い文をたくさん書くように努める。短い文章を積み重ねていくと文章が繋がっていく。 +文体は統一する(です、ます、である)。 +体言止めの多用は避ける(短い文章の場合は使ってもよい)。 +主語を明瞭にして具体的な表現を主にして書き、通じそうなら比喩も使ってもよい。 +文章の装飾(形容詞、副詞)は意識して使う。字数を取るのでできれば接続詞は使わない。 +漢字は当用漢字の範囲内にする。 +絵本の場合は、絵についても触れる。 +仕上げたら、日数を置いて新たな目で読み直し再考する。 >''内容の把握 ⋯ありのままに受け取る。'' 本の特徴を捉える。 本の外観は、⋯判型(大きさ),装丁・表紙(色、デザイン),ページ数,紙質,字の大きさ,挿絵 など より正確に伝えるために、本の部品の名称を知っておく。 |~児童文学|筋の展開、おもしろさについて| |~|作品の舞台、背景(いつ、どこで)| |~|主人公はどんな人物か、性格について| |~|どんな分野か ⇨ファンタジー、日常の物語、探偵もの、昔話風物語 など| |~|文章や言葉の表現の雰囲気、言い回し、一人称か三人称か、会話が多い など| |~|対象年齢| |~知識の本|一定の予備知識が必要な場合がある。| |~|主な素材、題材とその扱う範囲、程度(初級か中級か)を知る。| |~|図や写真(色彩)について| |~|著者はどんな人か(略歴)、監修者(内容の信頼性を保障する人)はいるか| |~絵本|絵の良さや表現の特徴(絵の印象を言葉で伝える)| |~|本の作りや絵がもたらす雰囲気&br;⇨判型(大きさ)、絵と字数の関係、技法(画材)、画面構成、構図(簡素、複雑など)| |~|どんな場面を絵にしているか| |~|対象年齢| #endregion ***第十一講目の内容 [#gfe1f372] #region(ヤングアダルト(YA)) ''ヤングアダルト(YA)'' ヤングアダルト(Young Adult)とは、子どもと大人の中間にいる人たち #br ヤングアダルトとみなす年齢の範囲は、各図書館が決定することができる。 一般的にはヤングアダルトへの図書館サービスは12歳から18歳までを対象としている場合が多いが、 文化的背景や国情によって違ってくる。 国や文化によっては、年齢の範囲が18歳以上にまで延長している例も見られる。 >''十代の脳の生物学的変化'' 性ホルモンの濃度が身体内で急激に高まる。 脳の中で特に欲求にかかわる領域(報酬系回路)に性ホルモンが作用する。 報酬系回路(自分にとってのご褒美となるときに働く)の働きが強すぎる→衝動的な行動をとる。 #br 結果として、以下の傾向が現れる。 >> ''十代の心の変化'' -自分について考える。 -衝動的になりやすい。 -他者のシグナルに強く反応する。 十代は社会脳領域が著しく成長する時期 >''社会脳'' 他者とのやりとりや他者理解に必要な能力に関与する脳領域のネットワーク →恋愛や仲間関係にかかわるもの →十代で大きな変化を遂げる可能性が指摘されている。 ・社会脳の変化により、社会環境から出されるシグナルに敏感になる。 ・思春期に性的な関心や侮辱のような複雑な表情への感受性が高まる。 ⇓ 非認知能力で対応していく。十代で伸ばすことが大切。 |~認知能力|早く問題を解いたり、与えられた情報から思考を膨らませたりする能力。学力。頭の良さ。| |~非認知能力|①目標を達成する力:実行機能(目標の達成を邪魔するような誘惑や習慣を制御する力)、粘り強さ、やる気・情熱| |~|②自分に向き合う力:自信を持つこと、自尊心を持つこと、自己効力感| |~|③他人とつきあう力:感情知性(自分や他人の感情を理解し日々の行いに活かす力)、向社会的行動(親切心)| 子どもの頃の読書量が多い人は、意識・非認知能力と認知機能が高い傾向がある。 調査に於いて、小中高を通して読書量が多い集団が、自己理解力、批判的思考力、主体的行動力のいずれも高い結果となった。 >''「若者の読書離れ」というウソ'' (飯田一史 著) -平均読書冊数 |>|「5月1か月間に読んだ本の冊数」(2025年調査)|h |中学生|3.9 冊| |高校生|1.4 冊| ・高校生や大学生は日本人全体と同じくらい本を読んでいる(大人は平均月に 1,2冊程度) ・小中学生は大人よりもはるかに読んでいる。 →大人が読んでほしい本を子どもが読まない、本好きの大人が望む読書量に達していない。 →現状やニーズを知り、本と図書館に興味を持ってもらうことから始める。 -どんな本を読んでいるか |種類|説明|例|h |~児童書(児童文庫版)|児童文庫の内容が幅広くなった(ノベライズ等)。&br;ソフトカバーで新書版(手に取りやすい)&br;→小学生~高校生で同じ本が読まれている。|『ハリー・ポッター』&br;『カラフル』&br;『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』&br;『ぼくらの七日間戦争』| |~ライトノベル、ライト文芸|[[小説家になろう>https://yomou.syosetu.com/]]等 Web小説が増える。|『ソードアート・オンライン』&br;『ようこそ実力主義の教室へ』&br;『Re:ゼロから始める異世界生活』&br;『探偵はもう、死んでいる』&br;『わたしの幸せな結婚』&br;『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら』&br;『今夜、世界からこの恋が消えても』&br;『交換ウソ日記』| |~短編集|朝読書で使いやすい。|『5分後に意外な結末』&br;『星新一ショートショート』| |~メディアミックス|コミック、アニメ、映画のノベライズ|『天気の子』&br;『名探偵コナン(小説版)』&br;『文豪ストレイドッグス』| |~一般文芸|「本屋大賞」等の受賞作、ドラマ化、映画化された作品|『かがみの孤城』&br;『同志少女よ、敵を撃て』&br;「古典部シリーズ」&br;『変な家』&br;2003年、2013年は人気作家の作品が中心⋯貴志祐介、山田悠介、有川浩、東野圭吾&br;名作(『人間失格』『走れメロス』『アルジャーノンに花束を』)| |~ノンフィクション、エッセイ||『空想科学読本』&br;『夢をかなえるゾウ』&br;『ざんねんないきもの事典』| //小説⇔アニメ、映画、ゲーム >''中高生が好むフィクションの共通点=3大ニーズ'' ①正負両方に感情を揺さぶる。 ②思春期の自意識、反抗心、本音に訴える。 ③読む前から得られる感情がわかり、読みやすい。 >''読まれる本の4つの型'' +自意識+どんでん返し+感情爆発 人と関わりを持つのが苦手な主人公→特別な存在となる人物と出会い、関係を発展させるが、 その後驚きの展開がある→相手に対して抱いていた感情、情動を吐き出す。 ⇨『脾臓を食べたい』『かがみの孤城』『人間失格』 +子どもが大人に勝つ ⇨「ぼくらシリーズ」「名探偵コナンシリーズ」 +デスゲーム、サバイバル、脱出ゲーム ⇨『バトル・ロワイアル』(高見広春著. 太田出版.1999)から始まった +「余命もの(死亡確定ロマンス)」と「死者との再会・交流」 ⇨『余命 10 年』『桜のような僕の恋人』『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら』 これらは、図書館職員が中高生に読んでほしい本とは乖離がある。 #br > ''ヤングアダルトサービス'' 情報資源へのアクセスならびに,知的・情緒的・社会的発達のためのヤングアダルト特有のニーズに 応える環境の両方を提供することによって、個人が子どもから大人への移行に成功するように支援すること #br 単独での利用も多いが、群れて行動することの多い中高生世代が利用しやすい環境を整える。(YAコーナーの設置) →利用者として歓迎していることを示す。自分たちのための場所だから大丈夫、と思える居場所を提供する。 >> ''ヤングアダルトサービスの難しさ'' -「児童の罠」 高い読書能力レベルを要するハイグレードな児童書を中心に据えると利用されない。 読書能力の多様なレベルや関心に合わせた資料、読書能力が未熟な読者に配慮する。 -「ライトノベルの罠」 棚がライトノベル中心になるとゲームやアニメの好きな層以外に敬遠される。 *中高生のライトノベル離れが進んでいる。→ライトノベル以外の幅広いジャンルの本を揃える。 -「物語の罠」 物語を読まない層に敬遠される。 →課題解決型サービスの視点で物語以外の資料を充実する。 -「囲い込みの罠」 YAコーナーだけでサービスを完結させない、 →一般書架に誘導するしかけが必要 >''プログラムの例'' -ビブリオバトル -書評漫才 //(大阪市立中央図書館) 二人以上の漫才ユニットで1冊の本を紹介し(持ち時間3分)、 審査員の評価と採点をもとにグランプリを決定する。 //本が読みたくなったか //紹介の面白さ //その他(本への思い、インパクトなど) -謎解きクイズ(杉並区立宮前図書館) YAコーナーの展示架でクイズを出題。書架で問題を探して答えを見つける。 NDC分類、普段行かない書架に行く。 -YA対象としたホームページの開設 #endregion ***第十二講目の内容 [#wec20e01] #region(本を読むことが難しい子ども) ''本を読むことが難しい子ども'' |~読むこと自体への障害(身体障害)|>|視覚障害| |~|>|聴覚・言語障害| |~|肢体不自由|本を持ちページをめくることができない。書籍等の紙面に視線を定めることが難しい。| |~|LD(学習障害)|読字障害(ディスレクシア),書字障害| |~日本語の読書に対する障害|>|外国にルーツのある子どもたち| |~|>|海外生活から帰国した子どもたち(帰国子女)| >''[[障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)>https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000069541.pdf]]'' 批准している国と地域 192(2025.4 現在) 2006年:国連で採択 →2008 年発効 2007年:日本、条約に署名 2014年:日本、締結、発効 #br 障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、 障害者の権利の実現のための措置等について定めるもの |~社会モデル|障害は個人ではなく、社会にあるという考え方| |~人権モデル|人権としての障害者の権利(あるがままに尊重される)| -合理的配慮 障害者の人権と基本的自由を確保するための「必要かつ適当な変更及び調整」、「均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」(第2条「定義」) 例:車椅子用に段差に渡し板を敷く、窓口で筆談や読み上げ等により理解を助けること等 > ''障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)'' 2013年:制定 2016年:施行 2024年:[[改正障害者差別解消法施行>https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo2/print.pdf]] 事業者に対し合理的配慮の提供を義務付けるとともに、行政機関間の連携の強化を図るほか、 障害を理由とする差別を解消するための支援措置を強化する。(努力義務→義務) ・不当な差別的取り扱いの禁止 ・合理的配慮の提供 ・環境の整備 >> ''障害者とは'' 障害者手帳を持っている人に限らず、身体障害のある人、知的障害のある人、 精神障害のある人、そのほか心や体のはたらきに障害のある人で、継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受けている全ての人 >''[[視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)>https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/1421441.htm]]'' 2019年成立 ・障害の有無に関わらず、すべての人が読書による文字・活字文化の恩恵を受けられるようにする。 ・様々な障害のある方が、利用しやすい形式で本の内容にアクセスできるようにする。 ・他の図書館とのかかわり #br 第三章「基本的施策」第9条 「国及び地方公共団体は、公立図書館、大学及び高等専門学校の附属図書館並びに学校図書館(以下「公立図書館等」という。)並びに国立国会図書館について、各々の果たすべき役割に応じ、点字図書館とも連携して、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実、視覚障害者等が利用しやすい書籍等の円滑な利用のための支援の充実その他の視覚障害者等によるこれらの図書館の利用に係る体制の整備が行われるよう、必要な施策を講ずるものとする」 >''読むことへの障害のある環境の改善'' -施設・設備面:ユニバーサルデザイン |~ユニバーサルデザインの例|エレベータやスロープの設置| |~|照明を明るくする。| |~|1 人用の席をつくる。| |~|書架の高さ、間隔| |~|サイン、表示のわかりやすさ&br;⇨ピクトグラムの活用、ひらがな、英語の併記、表現の統一(色、文字の書体や大きさ)、色の使い方| |~|OPAC などの情報機器&br;⇨音声ガイド、イラストの使用| |~|やさしい日本語による案内、多言語の利用案内| |~|映像での利用案内| |~|ホームページのアクセシビリティ向上&br;⇨音声読み上げ、文字の大きさ・背景色の変更、多言語変換| -資料へのアクセス --「[[りんごの棚>https://appleshelf.jp/#aboutAppleShelf]]」(読書バリアフリー資料コーナー)の設置 りんごの棚とは、特別なニーズのある子どもを対象とした公共図書館サービスの一つ。 1993年にスウェーデンの図書館(ヘルノーサンド図書館)でスタートした。 紙に印刷された資料だけでなく、特別なニーズのある子どもを対象とした様々な 利用しやすい形式の資料(アクセシブルな資料)や読書を支援するための道具がある。 様々な利用しやすい形式の資料を一つの場所に集めることで、子どもが自分に適した資料に出会える手助けをする。 子ども向けの本ばかりでなく、大人向けに子どもをサポートするためのさまざまな障害に関する資料やサービスの情報がある。 |>|アクセシブルな資料の種類|h |音声を用いた資料|録音図書(DAISY)| |~|オーディオブック| |触覚を利用した資料|点字図書・点字絵本| |~|布絵本| |~|さわる絵本| |平易に書かれた資料|LL ブック| |見やすい資料|大活字本| |~|手話付き絵本・指文字付絵本| |その他|視聴覚資料| |~|電子書籍| -道具 |~リーディングトラッカー|発達性読み書き障害や視覚障害(視野狭窄、黄斑変性など)などのある人の読書をサポートするための読書補助具。&br;本文の上に重ねることで、上下の文章が隠され、読みたい一行だけが透過して見えるようになり、視点を集中させて読むことができる。&br;集中して読書したい場合にも活用できる。| |~リーディングルーペ|リーディングトラッカーにルーペ機能が着いた読書補助具| |~タブレット端末やPC|| |~拡大読書器|| -電子書籍のアクセシビリティ フォーマット(ファイル形式)によって、音声読み上げなどに対応しているアクセシブルなものとそうでないものがある。 |>|アクセシブルなもの|h |~全文テキストを構造化したXML系電子書籍=リフロー型電子書籍|文字サイズを変えると、文字の流れ(改行の位置)が変わり、&br;画面内で常に文字と文字がつながって読み続けることができる。| |~DAISY 文芸書、実用書など|合成音声のソフトが入っていれば、音声読み上げができる。文字の拡大もできる。&br;点字ピンディスプレイを利用すれば、点字でも読むことができる。&br;→図表や数式の取り扱いが課題(アクセシブルでないもの)| |~紙に印刷された書籍をスキャニングして画像データとして製作した画像系電子書籍|画像のため、全文テキスト情報をもたないことが多い。&br;光学文字認識(OCR)によってデータ内に全文テキスト情報を埋め込むことで、音声読み上げに対応することもできる。&br;(電子書籍利用がアクセシブルか)| 電子図書館のウェブサイトがアクセシブルになっているか。 検索できないと、探している(読みたい)電子書籍がアクセシブルか事前にわからない。 |>|図書館等で受けられるサービス|h |公立図書館のサービス|貸出・郵送サービス| |~|対面朗読サービス| |~|機器の貸出(拡大読書器、DAISY再生機)| |音訳ボランティアの活動|DAISY資料の製作や対面朗読を担っているのが、音訳者の養成講座を修了した図書館音訳等ボランティア。&br;活字の印刷物だけではなく、写真・絵・図などもボランティアの言葉で音訳し、利用者へ伝える。| |[[サピエ図書館>https://www.sapie.or.jp/cgi-bin/CN1WWW]]|さまざまな情報を点字、 音声データなどで提供するネットワーク| |~|日本点字図書館がシステムを管理し、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営を行う。| |国立国会図書館|[[視覚障害者専用データ送信サービス>https://www.ndl.go.jp/jp/library/supportvisual/supportvisual-10.html]]| |~|[[みなサーチ(国立国会図書館障害者用資料検索)>https://mina.ndl.go.jp/]]| -伊藤忠記念財団「[[わいわい文庫>https://www.itc-zaidan.or.jp/summary/ebook/waiwai/]]」 公益財団法人伊藤忠記念財団が製作した「マルチメディア DAISY図書」の愛称 全国の学校、図書館、医療機関などの団体に限り寄贈している。 障害者対象だが、一般の人が利用できるものもある。 |>|CENTER:BGCOLOR(#7fffd4):[[学校図書館等における読書バリアフリーコンソーシアム>https://accessreading.org/conso/]]| |~東京都立八王子東特別支援学校|車いすでも使いやすいレイアウト| |~東京都立鹿本学園|廊下に本をおく| |~東京都立光明学園|書架配置図のアイコン化| |~鳥取県立図書館|特別支援学校への支援| >''特別な支援が必要な子どもへのサービス:読み聞かせ'' |対象|本|h |知的障害・肢体不自由の子|音や言葉のリズムを楽しむ絵本| |~|やり取りを楽しむ絵本| |~|くり返しを楽しむ絵本| |~|創作物語絵本(長く読みつがれてきた絵本)| |~|昔話絵本| |~|知識の絵本| |聴覚障害の子|音声としての日本語の習得が難しい。→文章を理解するのが難しい。&br;手話や指文字、ジェスチャーを交える。| |~|読み手と本の持ち手の二人で読む。| |~|くり返しのある絵本(くり返しのパターンを覚えた子どもたちが一緒に手話で参加する。)| |~|創作物語絵本(絵からストーリーが読み取りやすい絵本)| |~|昔話絵本| |~|知識の絵本(イラストや写真が優れている絵本)| |視覚障害の子|絵本の読み聞かせよりもストーリーテリング(おはなし)が適している。| -7つの手法 ・努めてゆっくり読む。 ・寄り添って読む(呼びかけを入れる)。 ・一部分を読む(興味を持つ部分から。知識の本で特に効果がある)。 ・ダイジェストで読む(子どもの様子に応じて臨機応変に対応する)。 ・クイズをしながら読む。 ・読んだことを体験する(実物を見せるなど)。 ・くり返して読む(同じ絵本をくり返し読む)。 >''多文化サービス(日本語指導が必要な児童生徒へのサービス)'' -日本語以外の言語によるサービス --多言語資料の収集・提供 //小平市立図書館「多文化コーナー」 //https://library.kodaira.ed.jp/viewer/info.html?id=9 --英語多読本の収集・提供 //葛飾区立図書館 //https://www.lib.city.katsushika.lg.jp/contents;jsessionid=4F79AFFF984B520C00DB183FA9FE2984?0&pid=7113 --英語おはなし会、多言語おはなし会 -日本語学習の支援 --日本語学習コーナー //西東京市立図書館 //https://www.library.city.nishitokyo.lg.jp/contents?10&pid=83 日本語学習資料、日本語レベル別よみもの、日本のことを知るための資料を設置 #endregion #region(テストの回答) ''テストの回答'' +視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律は、通称%%%読書バリアフリー法%%%という。 +合理的配慮とは、障害者の人権と基本的自由を確保するための%%%必要かつ適当な%%%変更及び調整であり、均衡を失した又は%%%過度の負担%%%を課さないものである。 +障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律は、2024年の改正により、%%%事業者%%%に対し%%%合理的配慮の提供%%%を義務付けることとした。 #endregion ***第十三講目の内容 [#o625fc4b] ***第十四講目の内容 [#zcb3e790] ***第十五講目の内容 [#m62e47c7] }} #style(class=submenuheader){{ **後期 }} #style(class=submenu){{ |BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c |BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):授業形態|対面授業| |日程/教室|木曜日 四限目/3501教室(三号館五階一番教室)| ***第一講目の内容 }} *コメント [#comment] #pcomment(,reply,20,)