<a href="https://nichidaibunrigojokai.swiki.jp/index.php?cmd=related&page=%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6%28%E5%BA%83%E7%94%B0%E7%85%A7%E5%B9%B8%29">教育の社会学(広田照幸)</a> の編集
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> 教育の社会学(広田照幸)
教育の社会学(広田照幸)
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***第五講目の内容 [#p6c11860] #region(隠れたカリキュラム) ''隠れたカリキュラム'' 隠れたカリキュラムとは、教える側が気付かない内に、生徒に教えているもののこと。 >''マイケル・アップル'' アメリカの教科書は、理科とは発見が自動的に累積されたかのように見せていると指摘。 実際の理科は、誤った説が多く存在したし、自分たちが関与しないところで自動的に発展している訳ではない。 #br また、社会科は世界を葛藤論的に見る視点を教えていないと指摘した。 |~共同体論|伝統・文化・帰属意識といった「共同体」の価値を重視する政治・社会思想| |~葛藤論|社会を「異なる利益や権力を持つ集団同士が対立・闘争する場」として捉える考え| >''日本の隠れたカリキュラム(例)'' -偏差値 もともと受験生のために作られたが、大学のランクを判断する材料になった。 -習熟度別学級 習熟度の近い生徒を集めて、適切な教育が行える筈が、生徒間の優劣を意識させた。 ⇨教育が上手くいかない時、隠れたカリキュラムを考えてみる。 #endregion #region(教師-生徒の関係) ''教師-生徒の関係'' 教師-生徒の関係は、すれ違いの連続 教師にとって学校は教育の場だが、生徒にとっては生活の場。 >''何故、関係は壊れないのか'' +「教師」「生徒」ポジションの社会的承認 +教育による選別と人材配分機能の連動 学校での評価が卒業後の進路を左右する。 生徒は社会から隔離され、生徒として過ごす。 +隠れたカリキュラムによる学校制度の維持 +因果プラン +教師-生徒の間でのコミュニケーションレベルの関わり >''教師-生徒の歴史的変化'' -1960年代の教師 ++啓蒙:近代化・真理や正義の体現者 ++未来の可能性の保証:就学は得 ++家父長的権威主義:社会に広がっていた年長者支配 -1970・80年代の教師:揺らぎ -1990年代の教師:二つの主体の浮上→提供者は如何にして自律的な裁量権を持ち得るか ++市場的な主体としての子供(親):サービス購入者 子供や親の需要に応える→教育の私的性格 ++政治的・社会的な主体としての子供(親):契約の当事者 真理や正義の探求者として啓蒙の足場を探す。 より見通せる市民としての優位さ→教育の公的性格 #endregion
''■[[教育の社会学]]'' #contents |BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c |BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):''分類''|''教育学科必修/教員選択必修''| |区分|[[教育学科]]科目,[[教職課程>教職コース/教職課程]]科目| |履修形態|一般(人数過多の場合は抽選),学科指定| |履修条件|[[教育学科]]生のみ| |単位数|2| |講師|[[広田照幸]]| |学位等|学士(教育学)| *概要 [#Gaiyou] 現代教育の様々なトピックを社会学的な視点から考察することで、教育を広い社会的文脈に位置づけて理解できるようになることをめざす。 教科書は使用しない。 成績割合は第15回目に定着度の確認のために実施するテストが80%、各回の課題の提出物が20%。 落第が不安な人は指定のアドレスに連絡すること。 #br この科目は文理学部(学士(教育学))のディプロマポリシーDP2,DP3,DP4及びカリキュラムポリシーCP2,CP3,CP4に対応している。 *講師の印象 [#Inshou] //曰く中教審は愚かとのこと。 ニュースに出ている。(Youtubeで見られる。) *令和八年度(2026年度) [#h81d5434] #style(class=submenuheader){{ **前期 [#dcfa7ff0] }} #style(class=submenu){{ |BGCOLOR(#555):COLOR(White):200|520|c |BGCOLOR(#fc2):COLOR(Black):授業形態|対面授業| |日程/教室|月曜日 二限目/3405教室(三号館四階五番教室)&br;月曜日 四限目/3405教室(三号館四階五番教室)| 二限目は[[教育学科]]2年生、四限目は[[教育学科]]3年生が受講する。 教員の許可があれば学科・学年によらず受講可能。 ***第一講目の内容 [#y852a676] 授業の説明と[[社会学]]について。 #hr 教育や社会の出来事に一つの正解はない。 →独断主義(私は◯◯が良いと考える。) →相対主義(どれも良い) ⇧これらはどちらも良くない。 #br [[社会学]]は地道。論理と証拠を固める。決断だけが残っては駄目。 ダメな証明 < マシな証明 < よりマシな証明 #br |~技術知|「すべし」当為命題| |~反省知|「である」事実命題| 例えば、虐めについて考える。 「どう対応するか」:技術知 「何が起きたのか」:反省知→「いじめの四層構造」の発見(昔は加害者と被害者の二項対立で捉えられていた。) #br 物事には逆機能が存在することがある。 板書:見たものを書き留める力は付くが、聞いたものを書き留める力は付かない。 穴埋:単語だけ覚える羽目になる。(因みに、フランスから伝来する以前の旧制高等学校は全て論述だった。) ***第二講目の内容 [#o318389d] #region(社会化) ''社会化'' 目的・手段⇔機能 |意図がある|意図がない|h |目的・手段|機能| 学校の機能は、価値や知識を教え込むこと→社会化機能 しかし、生徒は価値や知識以外のことも学ぶ。 #br 学校は集団生活の場であり、仲間内の文化を育む場である。 悪い風潮(虐めを助長する空気など)を抱える学校では、生徒は悪いことを学習する。 →逆機能・マイナスの社会化 (具体的には、虐め助長文化,大人への不信感,学習性無力感など) #br >''社会化研究の主な分野'' -意識,行動 -生徒文化 -学力 //(?→学力↔?) -ジェンダー -マイノリティー -逸脱行動 >''アスピレーションクライシス'' 日本の高校生は成績の優劣でアスピレーションが異なるという傾向を指す。 アメリカでは見られない傾向である。 アスピレーションとは志や熱意のこと。 #br 学校の影響力は部分性である。 友人関係(peer group)による社会化やインターネットなどの影響は無視できない。 #br 友人関係は自立に向けた経験を充実させる為に必要。 //パーソンズは 友人関係には「疑似大人役割の遂行」と「相互承認」という働きがある。 経験の充実や人格の安定という良い面もあるが、排除が起こる可能性を抱える。 相互承認は評価を伴う。 #endregion #region(メリトクラシー) ''メリトクラシー'' 属性社会・属性原理↔業績主義(近代) 業績主義→社会の開放性,機会の可能性 #br -選抜配分機能 学校教育が児童・生徒の能力や適性を見極め(選抜)、それに応じて将来の社会的地位や職業へ割り当てる(配分)作用 学校での成績により、職業構造の上や下に配分される。 |>|分化した社会|h |家庭|属性主義(血縁)| |学制|業績主義(成績)| →分割社会化 →能力主義的社会、メリトクラシー #br >''メリトクラシー'' 家柄や身分ではなく、個人の能力(IQ、努力)や実績(業績)に基づいて社会的地位や報酬が決定される「能力主義・業績主義」社会のこと。 (merit、「業績、功績」)とクラシー(cracy、ギリシャ語で「支配、統治」を意味するクラトスより)を組み合わせた造語。 ⇨能力を理由に不平等を正当化? #endregion ***第三講目の内容 [#d0edfb1a] 社会化機能:順機能↔逆機能/不十分↔過剰 #br 選抜配分は選抜の為の学習が行われ、生徒の可能性が狭まる虞がある。(試験の為に勉強し、試験が終わったら全て忘れる。) また、学校における選抜配分は不平等な社会を正当化する可能性がある。(不平等正当化機能「君の収入が低いのは学校の成績が悪かったからだ。」) >''不平等正当化機能(メリトクラシー)の罠'' -家庭の影響(学歴に関わらない。) -人によって与えられた課題が異なるのなら、能力はバラつく。 -学校の評価と社会(職業構造)での有能さは別。高学歴=高収入ではない。 -格差は個人の能力だけでは決まらない。市場原理や社会政策が関係する。 |>|学校の機能(一部)|h |隔離機能|保育機能| |学校制度|h |人間観→社会化機能&br;教育観→選抜配分| |E デュルケム|I カント|h |社会中心主義→環境決定論&br;社会による教育(外→内)|個人中心主義→遺伝決定論&br;発達の手助けの教育・生まれつきの個性の発現(内→外)&br;その人の特性を活かす(能力・適性)。→何もない人は?| ***第四講目の内容 [#g300fd1a] //#region(単線教育・複線教育) //''単線教育・複線教育'' デュルケム「社会化は個人化」 社会化パターンの差が個人差→個性は後から生まれる? |18〜19世紀|20世紀|h |階級や身分で教育は変わる。&br;身分が低い者と高い者は受け継ぐ遺伝子が異なる。&br;⇨複線教育|生まれよりも環境が影響するという考え&br;⇨単線教育| 同じ教育を受けさせることで平等 戦前の日本は複線教育だった。 #br 平等な教育にエリートが文句を言う。(「画一的だ」「過剰な平等」) →1980年代の臨時教育審議会答申:個性重視の原則 公立の中高一貫校や学校選択が実現→カントへ逆戻り >''社会移動'' 社会移動とは個人の社会的地位(職業,学歴,所得,資産など)の移動をいう。 |>|~垂直移動|~水平移動| |~上昇移動|~下降移動|~| 階層構造には階梯的属性があるため、社会移動はそうした階梯を上下したり、同じ階梯ではあるが異なった位置に移動したりする。 前者を垂直移動といい、下の位置から上の位置へ移動する場合は上昇移動であり、上の位置から下の位置へ移動する場合は下降移動という。 同じ階梯で異なった位置に移動する場合は、水平移動と呼ぶ。 |~構造的移動(強制移動)|階層構造自体の変動が原因| |~周流移動(純粋移動)|移動の機会が開放的になって障壁がなくなり、個人の意志によって生ずる。| 社会移動は大きく分けて階層構造自体の変動によって引き起こされるものと、個人の意志によって生ずるものとに区別される。 前者は構造的移動もしくは強制移動であり、社会革命や社会改革によって資本家階級が消滅したり、華族制度が撤廃されたりして生ずる。 後者は、周流移動もしくは純粋移動と呼ばれ、個人の能力,才覚,労力,または運の良し悪しで生ずるものである。 //#endregion #hr #region(隠れたカリキュラム) ''隠れたカリキュラム'' カリキュラム:学習者が学校の指導の下に持つ経験の総体 -例 --テスト形式 --100点の人は偉い --教科に内在するイデオロギー --努力の強調 #endregion ***第五講目の内容 [#p6c11860] #region(隠れたカリキュラム) ''隠れたカリキュラム'' 隠れたカリキュラムとは、教える側が気付かない内に、生徒に教えているもののこと。 >''マイケル・アップル'' アメリカの教科書は、理科とは発見が自動的に累積されたかのように見せていると指摘。 実際の理科は、誤った説が多く存在したし、自分たちが関与しないところで自動的に発展している訳ではない。 #br また、社会科は世界を葛藤論的に見る視点を教えていないと指摘した。 |~共同体論|伝統・文化・帰属意識といった「共同体」の価値を重視する政治・社会思想| |~葛藤論|社会を「異なる利益や権力を持つ集団同士が対立・闘争する場」として捉える考え| >''日本の隠れたカリキュラム(例)'' -偏差値 もともと受験生のために作られたが、大学のランクを判断する材料になった。 -習熟度別学級 習熟度の近い生徒を集めて、適切な教育が行える筈が、生徒間の優劣を意識させた。 ⇨教育が上手くいかない時、隠れたカリキュラムを考えてみる。 #endregion #region(教師-生徒の関係) ''教師-生徒の関係'' 教師-生徒の関係は、すれ違いの連続 教師にとって学校は教育の場だが、生徒にとっては生活の場。 >''何故、関係は壊れないのか'' +「教師」「生徒」ポジションの社会的承認 +教育による選別と人材配分機能の連動 学校での評価が卒業後の進路を左右する。 生徒は社会から隔離され、生徒として過ごす。 +隠れたカリキュラムによる学校制度の維持 +因果プラン +教師-生徒の間でのコミュニケーションレベルの関わり >''教師-生徒の歴史的変化'' -1960年代の教師 ++啓蒙:近代化・真理や正義の体現者 ++未来の可能性の保証:就学は得 ++家父長的権威主義:社会に広がっていた年長者支配 -1970・80年代の教師:揺らぎ -1990年代の教師:二つの主体の浮上→提供者は如何にして自律的な裁量権を持ち得るか ++市場的な主体としての子供(親):サービス購入者 子供や親の需要に応える→教育の私的性格 ++政治的・社会的な主体としての子供(親):契約の当事者 真理や正義の探求者として啓蒙の足場を探す。 より見通せる市民としての優位さ→教育の公的性格 #endregion ***第六講目の内容 [#oa0a8478] 学校は生徒のアイデンティティーを奪う。 生徒は仮のアイデンティティーを勉強や部活に求める。 仮のアイデンティティーをそれらに見出せなかった者は消費の世界(買い物など。非行もここに含まれる。) #br 教育というのは語れば語るほど胡散臭い。⇨過剰になりがち 子供のニーズを考えずにサービスを与える。(子供のニーズを与える側が定義する。) #br +過剰な意味付け +プロセスの目的化 良い授業をするのが目的ではない。 |~親方-弟子の関係|弟子は親方になるのを目指す。| |~教師-生徒の関係|生徒は必ずしも教師を目指さない。| #region(教師-生徒の関係は何故くずれないのか) ''教師-生徒の関係は何故くずれないのか'' +教師-生徒の役割の内面化 +選抜配分機能の活用 +隠れたカリキュラム +因果プラン 生徒の行動を誘導 パーソナルコミュニケーション #endregion #region(教師は何故えらくなくなったのか) ''教師は何故えらくなくなったのか'' :教師が偉かった要因| -学歴の高い人が少なかった。 村の知識人であり、啓蒙的役割(村の近代化)を果たした。 親の無理解(通学よりも働け)からの救済や遠隔地進学の手助け -家父長制 年上への服従 官尊民卑 :教師が偉くなくなった要因| -1970~80年代 --社会の高学歴化 「教師は学校から出たことがないから無教養」 望めば高等学校に進学できる。 学力等が原因で望んだ学校に進学できなかった不本意進学者が出現 (本来、進学すれば可能性が広がる筈だが、自分の可能性の限界を知るようになった。) --家父長制の崩壊 人権・平等⇨「生徒・保護者」とフラットな関係 -1990年代 --家父長制の崩壊で官尊民卑が消える(1990~2000年代)⇨公務員叩き --サービスを消費者に供給する存在になる。 学校選択・学校評価 学校参加やコミュニティスクールの制度化 #endregion ***第七講目の内容 [#yd4c2798] #region(加熱-冷却) ''加熱-冷却'' -選抜配分社会(近代産業社会)の加熱-冷却の仕組み ++選抜に先立ち、いかなる社会でも野心の加熱(warming-up)の過程が存在 ++選抜 ++欲求と達成の溝を埋める冷却(cooling-out)の過程が存在 >''カルフォルニアの短期大学の事例研究(冷却過程)'' +入学前試験 +キャリアカウンセラーとの面談 悪い点を取ると、面談を受けることが義務付け カウンセラーは駄目とは言わないが、多くの人は自主的に諦める。 冷却は本人の心を癒やす為に行われるカウンセリングとは異なる。 +職業とカリキュラムのオリエンテーション +低い平均得点を三回取ると退学勧告 //|加熱|| //|冷却|選抜システムの維持| |~現代産業社会|全員が参加の権利を持つ。野心を煽って競争に参加させる。| |~身分社会|身の程を弁えた生活。農民の子が大名になることはほとんどない。| 現代産業社会は、選抜が何度も行われ、敗者が大量に生まれる。 何とかしないと絶望やルサンチマンだらけになり、社会不安に繋がる。 →冷却 #br //手に入らない葡萄は酸っぱい 勝ったら加熱、負けたら冷却→本当? 現実はもっと複雑 |>| |>|~アスピレーション(野心)| |>|~|~低下|~上昇| |~価値|~不変|縮小(次善の達成)|再加熱| |~|~変換|冷却(代替的価値)|代替の加熱| もしも、「勝ったら加熱、負けたら冷却」だったら→勝者(既存の価値を追求)と敗者(別の価値を追求)の存在→社会分断 //||>|~価値不変| //|~アスピレーション(野心)&br;低下|縮小(次善の達成)|再加熱|~アスピレーション(野心)上昇 //|冷却(代替的価値)|| //||>|~価値変換| #br 教師は加熱しながら冷却するジレンマの中にある。 加熱や冷却のし過ぎは問題。正解はない。 #br 日本の高校生はアスピレーションが低い。(アスピレーションクライシス) //加熱と冷却が多く 学校の中でアスピレーションが磨り潰されていく。 #endregion ***第八講目の内容 [#g53f4b55] #region(個性と能力) ''個性と能力'' 1980年代後半、臨時教育審議会が「個性尊重の原則」を発表 現在は「個別最適な学び」と表されている。 #br では個性とは何なのか? |~ドイツ|存在の固有性(世界にただ一つ)| |~アメリカ|他者との差異(他人との関係の中で決定)| >''存在の固有性=個性'' 目の前の存在を肯定⇒今の自分で十分ならば教育は不要 教育の崩壊を避けるため、文化や集団を「個性的」として学ぶべき価値があるとする。 結果、画一的学習へ繋がる。(ナチズムと関連) >''他者との差異=個性'' 個人差(つまりは能力)によって教育を変える。⇒コース分け |~学力別(習熟度別)|| |~普通科/職業科|東アジアは努力信仰が強く、普通科が多い。&br;欧米は生まれながらの資質を重視しており、職業科が多い。| |~速進・飛び級|才能の発見に繋がる。&br;特定の階層が独占する虞| これらは常に出来ない子を生み出す。 日本に於ける個性重視教育は苦手の克服が主。欧米では得意を伸ばすのが主。 #endregion ***第九講目の内容 [#f96117c6] #region(能力) ''能力'' >''能力と選別'' 能力の判定=複数のスコアの恣意的な組み合わせ #br 同じ人物でもA大学の採点基準とB大学の採点基準とでは、結果が異なる。 (能力が高いとされたり、低いとされたり) 試験・内申書・面接のうち、面接が一番、能力を判定できない。 #br &ruby(あずまよう){東洋};氏は大学入試の結果と在学中の成績の相関がないと指摘。 学歴で人生は決まらない。(就職は別) #br 複数の物差しで測れば正確→嘘 個々の技能は測れるが、統合した技能は測れない。 >''社会化論と素質論'' |~社会化論|人の能力は教育(社会化)によって決まる。| |~素質論|人の能力は生まれながらに持つもの(素質)によって決まる。| ⇨能力は学校で作られるか -二十世紀以前:素質論 貴族と庶民とでは生まれながらにして全く違う。 庶民の子に高等な教育を施しても意味がない。 -二十世紀:社会化論 機会の平等・マイノリティーへの配慮 -二十世紀終わり頃 素質論が再登場 特別な教育の需要→学校選択 社会化論と素質論は未だ決着していない。 現代では技術の進歩によって遺伝子操作(エンハンスメント)が可能になりつつある。⇨新優生学 >''「社会化(教育)→評価→選抜」ではなく「選抜→配置→社会化(教育)」か'' =選抜システムが個人の能力を決めるか -例 大学受験の結果、東京大学に合格した者と日本大学に合格した者を比べる。(選抜→配置) 東大生は、優れた授業を受けて、高い能力を手に入れる。 日大生は、それなりの授業を受けて、それなりの能力を手に入れる。 ⇓ 就職活動で東大生は良い企業に入り、日大生はそれなりの企業に入る。(選抜→配置) 東大卒は、良い企業(或いは良い部署)に行き、高度な能力や経験を手に入れる。 日大卒は、それなりの企業(或いはそれなりの部署)に行き、それなりの能力や経験を手に入れる。 >''トーナメント選抜'' 一度、選抜に負けたら終わり 米国のハイスクールや企業人事に見られる。 >''社会関係資本論'' 人間関係が生活の質に影響するという考え -例 二代目政治家 #endregion ***第十講目の内容 [#d9e47040] #region(学歴) ''学歴'' -学歴社会 個人の地位なり所得なり社会的威信なりが、個人の生涯の初期段階に、学校体系の中で獲得した学歴によって規定される度合の高い社会 |学校の諸機能の目的化|h |① 機能がより意識的・合理的に達成される。&br;② 複数の機能→複数の目的→相互に対立&br;③ 機能の効率的達成に、当初の目的・本来の目的が忘れられる。| #endregion ***第十一講目の内容 [#s69b8397] 冒頭30分は[[教育学科]]の説明会(卒業論文などについて) 欠席した者は後日資料を貰うこと。 #hr #region(学歴主義の諸理論) ''学歴主義の諸理論'' >''「身分制の残存」仮説'' 学歴主義は古い日本企業の名残 →誤り #br 世界中に存在する。 発展途上国ほど多い。 >''機能主義的見方'' //(ワークショナリズム) 高学歴である程、高いパフォーマンスを発揮すると考える。 -人的資本論 人に教育を与えると収益を多く生み出す。 学校はより儲かる者を生む。 -費用-便益分析 教育で掛かる費用と教育を受けたことで得られる便益とを分析する。 学校に通う間、働けないのでお金を失っている。→放棄所得 国立大学は8%、私立大学は2~3%、教育を受けたことでより収入を得られている。 便益は、大卒>中卒>高卒の順で割合が高い。 大学を減らすと、高卒が増えて社会的収益率(国からの教育投資が上げた利益)が悪くなる。 -教育計画論 教育機会を誰にどれだけ提供するか、そして社会が求める人材をどう育成するかを考える。 >''シグナリング理論'' 学歴が個人の能力に関するシグナルの役割を果たす。 -振い分け手段説 企業が雇う際に、無料で篩い落とせる。 嘗ては男女や民族も振い分け手段だった。 >''訓練可能性説'' 学歴高いと職場で必要とされる新しい能力を直ぐに身につける。 |~内部労働市場|昇進(「営業職→管理職」など)すると、新しいことを覚える必要がある。| |~外部労働市場|転職する場合、専門性を求められる。| //OJT 資格勉強 Jローテーション >''葛藤理論:対応理論 学歴=階級文化(新ウェーバー学派)'' 学歴が高いと、職業間の威信競争に勝つ。 (あの職業は学位がなくてもなれるけど、この職業は学位が必要だから偉い。) 学歴は社会集団間の競争の対象 >''葛藤理論:身分文化'' 学歴を社会が威信の指標にする。 高学歴者を集められる企業は強いと考える。 >''チャータリング理論'' 学歴=チャーター(ランクを示すお墨付き) #endregion ***第十二講目の内容 [#ccecd66c] #region(学歴と収入) ''学歴と収入'' 諸外国と比べて学歴の経済的効能は低い。(戦前は別) 戦前は学校別・学部別で待遇に大きく差が付いた。 高度経済成長期を経て、1998年には高卒1倍に対して大卒1.27倍、中卒0.91倍となっている。 生涯年収の差が少ない(数千万円ぐらいの差はある)にも関わらず、学歴競争は激しい。 #endregion #region(非正規雇用) ''非正規雇用'' 非正規雇用の人は年功賃金ではないので、長く勤めても貧しい。 >''年表'' -1920年代 ホワイトカラーの雇用形態が変化 ・新卒一括採用 ・長期雇用 ・年功賃金 -1960年代 ブルーカラーにも適用 -1995年 日本経営者団体連盟(日本経済団体連合会の前身)が『新時代の「日本的経営」』を発表。 正社員を減らすことを提言した。 この提言より先に米国が導入。⇨格差拡大 日本も同じように格差拡大⇨アンダークラス問題(貧民層が形成される。) #br 中核社員・専門社員・非正規雇用 #endregion ***第十三講目の内容 [#sb06ecde] #region(女性雇用) ''女性雇用'' 学歴による収入の格差は低い。 しかし、あくまでも男性正社員の世界の話 ワーキングプア・アンダークラス・女性雇用 →要改善 #br 女性は結婚すると退社せざるを得なかった。 子育てがひと段落しても、正社員には戻れない。 高学歴女性をパートなどで安く働かせる構造が存在。 #br 1990年代に少子化対策として総理府がエンゼルプラン(保育充実・育児休業)を施行。 保育充実:保育園などが充実 育児休業:正社員を辞めずに育児できる。当時、男はあまり利用しなかった。 >''学歴インフレ'' 世界規模で大学卒業者が増えている。国によっては国民の8割が大学卒業者。 日本は海外よりも大学卒業者の割合が少ない。 -機会の罠(R.ブラウン) 教育の機会を広げると、その機会で得られるものが減る。 >''補論:学び習慣仮説'' 大学の勉強に意味はあるかの研究(工学部と経済学部について) -工学部 大学で勉強熱心な子は学び習慣が付いている。 その子は社会で新しい知識を身に付けて仕事に活かす。 →所得増加 -経済学部 工学部と同じ結果 40代で所得差が付く。 若い頃は営業など学が要らない役割を担うが、年をとると管理職になり、学が必要になるから。 #endregion #region(非行) ''非行'' |~非行|少年法で定まっている。| |~問題行動|飲酒など| |~ルール違反|| 18〜19歳は民法では成人だが、刑法では特別少年と扱われる。 |非行の種類|対象|h |犯罪行為|14〜19歳| |触法行為|0〜14歳| |虞犯|犯罪の虞ある者(要保護性あり)| 日本は犯罪への関心が高い。 原因として、1990年代にニュースのワイドショー化がある。 //ワイドショーは犯罪をより放送した。 日本のニュースは犯罪・スポーツ・芸能で占められている。 >''若者の犯罪の統計'' 青少年の凶悪事件は減った。 -殺人 1960年あたりが若者の殺人件数のピーク 20代(若年成人)が最も殺している。(ヤクザと繋がっている奴が多かった?) -窃盗 万引きをした10代は20代頃には足を洗っている。 1990年代に件数が減っているのは、これまで傷害罪+窃盗罪として処理されていたものが 強盗罪として処理されるようになったから。 >''素因(本能)論'' 犯罪者は、生まれながらに犯罪者としての素質を持っているので犯罪者になるという考えがあった。 生来の犯罪者を科学的に見つける為に、18世紀に頭蓋学が生まれ、やがて人相学になり、骨相学へ発展した。 イタリアの学者は進化の逆行(野蛮人への先祖返り)で犯罪者になると主張。 デュルケムは環境の影響として否定した。 #endregion ***第十四講目の内容 [#se2f5b99] 一元的説明から多元的説明へ #region(非行の原因は環境にあるか) ''非行の原因は環境にあるか'' >''動機理論・緊張理論群'' 要は心理起源説である。 -「欲求不満・悩み・緊張・相対的欠乏感」→非行 -役割葛藤論 周りの期待などが負担 例:家族が自分以外高学歴→プレッシャー→非行 -社会解体-アノミー論 近代社会は古い制度の解放によって生まれた。 機会の解放・道徳(アノミー)の解放 しかし、実際は不平等。下層民の子は本などで夢見るが、叶わない。 やがて非合法な手で叶えようとする。 >''文化的学習理論群'' 学習によって非行や犯罪に走るか。 -非行下位文化論 下位文化とはサブカルチャーのこと。 非行少年の集団や反逆の文化に憧れを持つ。→文化を学習し、非行に走る。 -差異的接触理論 学習のプロセスをまとめる。→九つの命題 ++非行は学習されねばならない。 ++非行の学習は言葉によるコミュニケーションによって可能になる。 ++この学習はマスコミよりも身近な対人的接触を通じてなされる。 ++学習される内容は「具体的な技術(非行の諸行動)」と「動機づけなどのオリエンテーション(価値観を含む。)」 ++動機づけなどのオリエンテーションは、法に対して好意的か非好意的かによって(非行に向かうかが)規定される。 ++法を破ることに好意的な定義が優先した時、人は非行に走る。 ++こういう動機づけの学習は、どちらかの定義を身に付けた人々との接触頻度、接触期間、接触開始の時期、接触の強さ(相手の権威など)によって規定される。 ++非行の学習のプロセスは、他のどんな学習にも見られるプロセスを全て含む。 ++非行の動機自体は普通の人の行為の動機と同じである(成功、地位への願望など)。それ故、非行以外の行為と異なっているのは、対人的接触で学ぶ非行動機や非行合理化のテクニックを身に付けているという一点だけである。 -「文化的同一化」理論 -漂流理論 漂流と中和の技術 |~加害の否定|誰にも迷惑をかけていない。| |~被害の否定|相手にも落ち度がある。| |~非難の否定|俺は悪くない。| |~高度な忠誠|◯◯の為だ。| >''統制理論群'' 本人とその周りとを統制 -ラベリング理論 規則を作ることで逸脱者が出る。 周りから逸脱者だとラベリングされることで本当の逸脱者になる。(第一次逸脱と第二次逸脱) -社会的構築主義 米国由来の学説 モラル・パニック論 -社会的絆理論 |~愛着|仲良い人がいると非行しない。| |~努力|目標があると非行しない。| |~多忙|忙しいと非行しない。| |~規範意識|規範意識を持っていると非行しない。| #endregion #region(テストに出ない内容) ''テストに出ない内容'' >''近年の取り締まり強化'' 少年犯罪厳罰化→少年院送り→社会復帰困難 >''環境犯罪学'' 防犯空間の諸理論 -防犯環境設計論 -割れ窓理論 >''環境犯罪学への批判'' -犯罪の眞の原因である社会的不正義(貧困や差別)を隠蔽・無視する。 -環境設計が進むと、市民の自由な生活が脅かされる。→要塞都市 -実際の効果がはっきりしない。(特に常習犯には無力) -モラル・パニックの側面がある。(不安を恒常化するシステム) #endregion ***第十五講目の内容 [#y7804831] >''七月二十七日の試験について'' 穴埋めと記述の併用、&color(Red){持ち込み不可}; 学籍番号等の記入の為にボールペンがあった方が良い。 試験時間は50分ほどだが、30分もあれば書き終わる。 #region(今年の出題) ''今年の出題'' 謎に「教師」を英語にせよという問題が出た。 論述問題は4つから3つ選び、それぞれ5行以内にまとめる形式。 -穴埋め ①社会化 ②代替の加熱 ③隠れたカリキュラム ④触法 ⑤トーナメント選抜 ⑥teacher -論述(うち3つを選ぶ) A:学校と生徒のアイデンティティについて B:「存在の固有性=個性」とした時、どのような問題が起こるか C:デュルケームの言う「社会化は個人化」とはどういうことか D:何故、教育についての言説は過剰になりがちなのか #endregion >''代替措置について'' 七月二十六日までに指定されたアドレスへ受けられない旨を伝える。 #br 当日に出席できなくなった場合は、その事情を証明になるものをメールで送る。 その上で講師から送られた課題に取り組む。八月五日20:00までに提出。(添付ファイル可) メールの題名は「月[2または4]教育の社会学[学生番号]、[名前]」(例:月4教育の社会学0000000、日本太郎) }} *コメント [#comment] #pcomment(,reply,20,)